開催報告|12月5日(土) セルフサイエンス特別クラス:非認知能力を育む教育とは?
DAIJOUBUが8月に発足して約4か月経った12月5日。DAIJOUBU定期イベントの1つ、大人のためのセルフサイエンスを開催しておりましたが、その特別クラスということで、米国カリフォルニア州にある私立学校シナプススクールよりKeiko Sato-Perry氏をお招きして、特別クラスを開催しました。
Keikoさんとのコラボレーションクラス第2弾は、7/30開催決定しました!詳しくはこちらから
Keikoさんとの出会いは2019年、DAIJOUBUメンバーが資格を持つ感情知能EQのグローバルネットワーク・Six Secondsの、Global本部で教育開発の若きリーダーであるCherilynからの紹介でした。
2020年はイベントや個人的なEQコーチセッション等々でたびたび接点を持たせていただき、「こんなに本質的で、本物のプロフェッショナルであるKeikoさんを、もっと日本でも知ってもらいたい」という気持ちが湧きおこり打診をして、今回の開催が叶いました。開催報告を書き進める前に、たくさんのミッションとコミットをいつも同時並行で行いながら、私たちDAIJOUBUのイベントにお時間と気持ちを割いてくださったKeikoさんへ、心から感謝申し上げます。
日本の教育環境への当事者としての率直な感覚から、コンテンツへ
DAIJOUBUメンバーと、春まで現役公立中学の教師であったひろ先生とで、数回の打ち合わせを行いました。Keikoさんは米国へ移住されてもう20年余り。私たちからは現在の日本の教育環境や状況をシェアしたり、現役の保護者や教師としての目線・所感を共有し、見えてきたことがいくつもありました。今思えばそのプロセスもまたセルフサイエンスそのもの。そこから現れたキーとなるいくつものポイントを、その後細かな打ち合わせをして、コンテンツにしていきました。
事前の最終確認では、EQファシリテーターとして、大きな流れの中に、こうして細かな部分に要素を盛り込んでいくのか、というテクニックと、それ以前の心配りに脱帽でしたし、きっと多くの方がそうであったように、Keikoさんの人柄やオーラに多くの人が心を癒されたり、新たな発見があったり、したのではと思います。
SELは、レクチャー型では決して成り立たない
SELとは、Social Emotional Learningのこと。社会性と感情の学習です。全米では多くの州でカリキュラムに導入され、KeikoさんはSynapse SchoolでSELスペシャリストとして勤務されています。欧州でも多くの国や地域の公立校でも15年程前には既に一般的に導入され始めていて、日本は正直なところこれについて明らかな後れを取っています。Synapse Schoolの創設者であり、Six Secondsの創設者でもあり、SEL教育のパイオニアである、私が尊敬してやまないAnabel Jensenは「先生が持っている知識を”teach”する前に、生徒に必要な準備がある」と言います。それが心と体の準備です。コロナ以前だって不安定で先行きの不透明な世の中でした。未来が不透明な中で、決まりきったことや大きな塊が解れ本質的な個としての解が人の数だけ増えていって然りなこの時代において、過去の知識をインストールする”teach”にできることは、あいにくもう万能ではありません。
今回もいつも通り、SELのフレームワークを採用しました。シナプススクールでいつも・どの教科のクラスでも取り入れられている【Check-in/Engage/Activate/Reflect】です。これは私たちがEQを学んでいるSix Secondsのフレームワークと同様です(Six Secondsの学校が、シナプススクールですからね)。DAIJOUBUではどんなイベントもすべてこの流れに沿って計画しています。
当日の内容
簡単に、当日の流れをご紹介させて頂きます。
- 導入
ベストプラクティス(DOs/DONTs) - チェックイン
blob tree - Engage
- 非認知能力の教育とは?⇒絵で表現
- 褒め方、成長マインドセット、学習マインドセット
- Activate
- セルフサイエンスクラス体験
- 振り返りじゃんけん
- KCGステップバイステップジャーナル(緑)
- シナプススクールの三本柱・SEL
- Reflect
- KCGステップバイステップジャーナル(青)⇒(赤)
- Six Seconds EQモデル
- AHA、into Action
時々ブレイクアウトルームを織り交ぜましたが、いかんせんインプットとアウトプットが自然と織り交ぜられていて、時間があっという間に過ぎ足りなかったという声もいただきました。
時間があっという間、はいつもいつも、ファシリテーター冥利に尽きる言葉です。
成長マインドセット・ソフトスキル・一生涯続く旅
事後アンケートからはたくさんの温かく心のこもった言葉を頂きました。
- 知る、選ぶ、活かすのサイクルをずっとグルグルをし続ける言葉が、お土産になりました
- プロフェッショナルであるけいこさんも、ずっと意識をして実践をしているという話にハッとしました。どこか、ゴールのある手に入れられるスキルだと勘違いしていたように思います。日々の姿勢・言動と心掛けなのですね
- 誉め方の実例は大変心に響き、共感し、自分がやってきた保育と重なり、感動しました
- これがやりたい保育だった、これがやりたくて小さな保育ルームを開いたけれど、小さくではなくここから多くの保育士に伝えて広げて行こう!と思いました
- 暖かなお声 と 人を育てるお声かけが心に残りました
- 子ども達が自ら感じ学んでいけるようなシステムシナプススクールの3つのprinscipal
- 成長マインドセット、失敗は意味ある学習には不可欠
- ぼんやりと未来に対して思い描いていたことを整理する、進めていく力を得られそうに思います
- 子どもに対するまなざしの向け方や声のかけ方が変わる。そして成長マインドセット、自分にもそういう目を向けてあげたい
- 素晴らしい時間をありがとうございました。人を勇気付ける言葉がどんなに嬉しいか体験する事が出来ました。私もそういう人になりたいと強く思いました
- 自分の中で思い返して、どのように、どういう事を…とまだまだ夢心地の中にいるようですが 人を育てるというとてもたいせな姿勢を学べたように思いました
- 制作した自分のワークシート、ぼんやりとしていたものが明確になったと思います
- 新たな力を頂きました!
- 安心感とインスピレーションに包まれ、ポジティブなエネルギーをいただけました
あっという間の時間の中にたっぷりと新しい情報もあったのに、いつの間に自分もたくさんアウトプットをしていて、手元に残っているのは自分の言葉。初めて体験する方にとっては目から鱗と言いますか、新しい体験であることが多いのがこのSELのアプローチであり、セルフサイエンスクラスです。
Keikoさんのプロフェッショナルさと人柄とで、本当に貴重で素晴らしい時間となりました。
非認知能力を育む教育とは
非認知能力を育む教育を、米国最先端のSEL教育を行うシナプススクールの事例を、まさにSELスペシャリストとして同校で働かれているKeikoさんから伺い体験させて頂いた今回。非認知能力とはどんな教育でしょう?という冒頭の質問でみんなそれぞれに絵を描き、それを言葉にしてチャットに書き込んだ時、Keikoさんがふっと涙ぐんだ瞬間がありました。
Keikoさんは約20年前アメリカへ向かうときに「日本では、一緒に夢に向かえる仲間に出会えないのか」というさみしい思いが心にあったそうです。その後さまざまなことがあり、ぽんと(そんなに簡単じゃないんですが)シナプススクールと出会われたKeikoさん(そんな物語は、きっとまた次の機会に)。いろんな思いが、そのチャットの言葉たちを読んでぶわっと湧きおこったのだと思います。
DAIJOUBUとの今回のイベントを、とっても大切に向き合って体験してくださったことを改めて感謝します。そして、Keikoさんがご一緒していただけることは言葉にするまでもなく、本当に私たちにとってギフトでした。
非認知能力を育む教育とは、teach(教える)でなくlearn together(共に学び合う)であり、個と個として目の前にあることに意識を払うこと。子どもの心がすべての学びの礎であることを理解し、瞬間ごとに想像力を働かせること。自分と相手を尊重すること。非認知能力を育む教育は、ほんの少し目線を変え、心構えに意識を払うことで、たくさんの現実を変化させられるのだと改めて感じました。
DAIJOUBUセルフサイエンスエデュケーター
DAIJOUBUでは、セルフサイエンスエデュケーター認定コースというプログラムをご用意しています。本質的に子どもたちが非認知能力を育むためには、私たち大人がせめて日々の姿勢に意識を払っていられたら、と思うのです。出会う人を自分で選ぶことがなかなかできない子どもたちが だいじょうぶ な世界で生きていくには、大人たちの だいじょうぶ が欠かせません。自分のEQ/セルフサイエンスを磨きながら、子どもたちのセルフサイエンスが養われていくのをサポートできる大人に、ひとりひとりがなれたなら―。ぜひ、クラスへのご参加をお待ちしています。
7/30 21時~『個を大切にする教育・子育てとは』特別クラスvol.3開催決定
Keikoさんとのコラボレーションによる特別クラス第2弾の開催が決定しました!7/30(金) 21:00~開催です。
個に寄り添う、個を大切にする、ひとりひとりの多様性を…
などということが大切なことは近年よく聞かれます。でも、それを実践するのはなんだか難しい。それに、それを実践出来た所で、その先に、どんな未来が待っているのか、わからない―。とりあえず、目先の、今この瞬間の”正解”を、”みんなといっしょ”を優先しよう―。
そんな経験はありませんか?
世界最先端のSEL実践校である米国シナプススクールにてSELスペシャリストとしてご活躍のKeikoさんと、2度目のコラボレーションクラスを開催です。シナプススクールでの事例紹介を織り交ぜながら、ワーク・対話を取り入れたあっという間の100分の特別クラスをお届けします。お申込みを、お待ちしております。
シンガーソングライター・EQエデュケーター
EQの力を心から信じるアメリカ在住の3児の母
現在アリゾナ州立大学 社会的正義と人権 修士卒業
感情知能EQと出会い、生きることがうんと快適になった経験から多くの人に、
特に子どもたちを取り巻く環境にEQを一秒でも早く届けたいと願い奔走している