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成長マインドセットの育て方(翻訳記事抜粋)

先日、料理好きの娘が普段よく作る卵焼きを焼いていたのですが、その日はちょっとお醤油を入れすぎてしょっぱくなってしまいました。この時、私は少しうれしく感じている自分に気が付きました。それは、いろんな風に調味料の量を試行錯誤して、よりおいしい卵焼きを作る貴重な一歩だなと思ったこと、レシピにある「しょうゆ 小さじ〇杯」にただ従うよりも、もっとクリエイティブなプロセスを踏んでいることが素晴らしいと感じたからです。そしてそういう視点でその失敗を眺められた自分にも少し成長を感じました。

私が成長マインドセット、という考え方を知ったのは、12月にDAIJOUBUで開催したケイコ先生のワークショップの準備で先生のお話を伺っているときでした。成長マインドセットでは「失敗は成功のための糧になる」と考えますが、それを聞いて、私はこれまで失敗をそんな風に肯定的にとらえてきただろうかと感じ、同時に、子どもたちの失敗には肯定的な声掛けをもっと意識的にしていきたいと思いました。卵焼きの件をそんな視点でとらえられたのも、この話を伺っていたことが影響していると思います。

成長マインドセットは、子育てをされている方皆さんに知っていただきたいなと思うことの一つです。

そこで今回は、(ケイコ先生のワークショップに出られた方には繰り返しの部分もありますが)米国シックスセカンズの英語記事から、成長マインドセットの育て方について抜粋してご紹介しようと思います。


成長マインドセットとは?

成長マインドセットとは、努力し、正しい方法を取れば、知能や能力は伸ばせる、と考えるマインドセットです。反対の固定マインドセットでは、知能や能力はほぼ決まっていて、変えることは難しい、という考え方をします。

ほとんどの方が、お子さんには成長マインドセットを持っていてほしいと思われるのではないでしょうか。

そんな皆さんに、記事ではこの成長マインドセットの育み方を9つ、紹介しています。

1.脳とその働きについて子どもに話す

何かを習得しようとしたり、練習したりすることで、脳に神経細胞の新しいつながりが実際に生まれる(苦労して練習する過程で実際に脳が育つ)ことを知れば、子どもたちは学ぶ過程を楽しむことができるでしょう。

2.二つのマインドセットについて子どもたちに教えましょう

成長マインドセット、固定マインドセットの基本的な違いを教えると、子どもたちは物語の登場人物や、他者、そして自分自身においても、それらを見分けられるようになります。

3.成長マインドセットのお手本になりましょう

成長マインドセットを子どもに教える一番良い方法は自分自身のマインドセットを育むことです。子どもたちは日々の生活で大人たちがすることを観察し、どう行動したり、どんな態度をとるか学んでいます。
効果的な方法の一つが、あなた自身が難しい問題に行き当たったときのあなたの考えを子どもたちの耳に入れることです。「難しすぎる」ではなくて「すごく難しいなあ。まだまだ練習しなくっちゃ」と言ったり、「これは無理」の代わりに「まだやり方がわからないなあ」と言ったり。ほかにもいくらでも例は挙げられるでしょう。あなた自身が成長マインドセットを持つことが、子どもたちに成長マインドセットを育む最適な方法なのです。

4.苦労している姿を見せましょう

子どもたちから自分の失敗を隠そうとしていると、成長マインドセットのお手本を見せるのは難しいものです。だから自分自身の失敗について、そしてその失敗から学んだことを話してみましょう。子育てにおける失敗だって構いません。成長マインドセットの特徴の一つは、失敗を成長のばねと見ることです。子どもたちが私たちの失敗を知り、それらに(成長へのばねとして)取り組む姿勢を見れば、同じようにできる力がついていくでしょう。

5.魔法の言葉をつけましょう

「〇〇できない」と子どもがいうのを聞いているのは悲しく、歯がゆいものです。そんなときは魔法の言葉を足すことを教えてあげましょう。

自転車に乗れない → (今は)まだ自転車に乗れない
シュートが決められない → (今は)まだシュートが決められない
ひらがなが書けない → (今は)まだひらがなが書けない

6.結果より努力を誉めましょう

脳は筋肉と同じように、努力を続けることで強くなることを子どもたちに話しましょう。そしてそれを補強するために、結果より努力を誉めましょう。

自分の子どもの(一見)固定的な特徴を(例えば「賢いね」など)とほめる代わりに、子どもが努力したところにフォーカスを当て、「その問題を解くためにすごく頑張ったね」などとほめましょう。前者は人を誉め、後者はプロセスを誉めます。プロセスをほめることは、成功が固定した能力や資質のおかげというより、努力(子ども自身がコントロールできること)の成果と思わせるので、自己効力感を伸ばします。

7.子どもや他者にレッテルをはるのをやめましょう

そのレッテルがポジティブなものでも(「○○ちゃんはすごく賢いね!」など)ネガティブなものでも(「○○君は算数があんまり得意じゃないね」など)、どちらも固定マインドセットとして伝わります。そして子どもたちはやる気を出す代わりに、自分自身や他者のことを十分に信じられなくなってしまいます。

「まだ」を足すなど、私たち使う言葉を少し変えるだけで、ずいぶんと言葉の響きや子どもたちの世界の見方は変わるものなのです。

8.ネガティブなセルフトークを置き換えましょう

子どもたちに「心の声」とセルフトーク(心の中でつぶやく独り言)という概念を伝えましょう。役に立たないセルフトークを認識し、ポジティブなものに置き換えることを教えましょう。例えば:

「私ってバスケットボールが下手」→「私はまだ自分が望むレベルほどにはバスケットボールがうまくない」
「私、これはすごくうまい」→「私はこのやり方を習得した」
「これ難しい」→「まだ時間と努力が必要そうだ」

9.成長マインドセットが学べる本を読む

成長マインドセットを学ぶには、実際にそれが使われているのを見るのが一番。実際の記事では何冊か英語の本が紹介されています。
日本語でも、きっといろいろあるのだと思います。もし皆さんのおすすめの本があればぜひ教えてください。


いかがでしたでしょうか。

どれもちょっとした毎日の会話の中でできることや、生活に取り入れられることです。逆に言えばそうした小さなことの積み重ねが、子どもたちの「やればできる!」、そして「失敗してもだいじょうぶ!」という大きな力になるのですね。

私ももっともっと意識していきたいと思っています。皆さんももしまだあまり意識されていなかったものがあれば、是非試してみてください。

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