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子どもの「大丈夫じゃない」状態に気づくには

息子からのSOSが出た時の感情

2024年がスタートした。今年もEQの学びをDAIJOBUのレギュラークラスも含め日常的に、暮らしの中で積み重ねていきたいと思っている。今年に入ってまもなく、息子が学校の中での人間関係のトラブルに巻き込まれたことを知った。昨年から転校して、新たな環境での学びをはじめ、当初はペースがつかめずに苦労していたが、学期の半ばではその環境にも慣れてきたと感じていた。毎日の送り迎えの中でも「今日はどうだった??」という問いに「楽しかった!」という声も増えてきて、子どもの順応性と適応力はスゴイものだなあ、と感じながら、安堵していた。

しかし安堵していたのもつかの間、年明けの初登校から帰宅後、直ぐに「クラスの中で嫌な事があって悲しい」と話があった。妻が聞き取りをすると、それは昨年の半ば頃から続いているトラブルであったという。一連の話を聞いた私の感情は「なぜ、そんな息子の変化に気づけなかったのだ!」という自信への憤りと不甲斐なさでいっぱいになった。毎日の「楽しかった!」という言葉の裏に隠された息子の心情を思うと、居ても立っても居られない心境だった。

「大丈夫じゃなくても大丈夫だよ」

息子にとってみれば、自分がこんな話をしたらパパとママはその子たちを怒ってしまうのではないか?という懸念があったようだ。本人なりにどのように伝えたらいいのか、試行錯誤していたのかもしれない。最終的には自分自身の「悲しい・つらい」という感情が溢れ出てしまったのだろう。自分のつらい気持ちを伝えようと、言葉を紡ぎ出そうとする息子の姿を見ると、胸が張り裂けそうな気持ちになった。瞬きの回数が増え、必死に涙をこらえようとする姿に、息子を思わず抱き締めた。そばにいた妻が、

思い切り泣いていいんだよ。我慢しなくていいから

その瞬間、息子の感情ストッパーが外れ、オイオイと号泣し出した。しばらくは言葉はかけずに、ただしっかりと抱き締め続けた。私自身もそんな息子の感情が痛いほど分かり、思わず涙腺が緩み、涙が頬を伝わってきた。いつも「今日は楽しかった!」という言葉を繰り返してきた息子の想いは、きっと親を心配させまい、と気を遣っていたのかもしれない。息子を気にかけていたのはこちらだったはずなのに、逆に気にかけられていたのは、こちらの方だった。

あのね、いつも大丈夫じゃなくても、大丈夫なんだよ。そんな時はこうやって気持ちが溢れてもいいから、話をしてね

感情を出し切った息子は、少し落ち着きを取り戻し、不思議と安堵の表情を浮かべていた。やっと言えたという安心感だったからかもしれない。その日のうちに学校の担任にも話をしたところ、学校の方は寧ろ全てを把握していて、「今日はちゃんとパパとママに話をする!」と宣言して下校したことを聞いて、更に驚かされてしまった。「自分自身の感情を言語化して、しっかりSOSを学校に出せたことは、素晴らしい力だと思うし、勇気がいったと思います」と後日教頭先生から聞かされた。幸い翌日には当該のクラスメートと話をする時間を丁寧に作ってもらい、本人は胸のつかえが取れた、と帰宅後、話をしてくれた。

しばらくして、息子のSOSに気づけなかった、自身への憤りと不甲斐なさの感情は、なぜ生まれたのかを改めて考えた。

EQを学び続けている、という慢心が生んだ自身の感情

「感情」と「思考」のバランスを求められる、演出家、演劇教育ファシリテーターとしての自負はもとより、EQの学び手としてこれまで学び続けてきた自信があったと思うが、どこか心の奥底で、仕事柄、人よりも「感情を察知出来る」という奢った慢心があったことは否めない。だから不甲斐ない、憤りの感情が生まれたのだと思う。息子の変化に全く気づけなかった時点で、私自身まだまだ学び手として未熟であることを痛感させられた。そして、改めて感じることは、EQの学びに終わりはない、ということだ。幸い時間が経過してから、自身の感情が生まれた背景や、奥底に眠る想いにフォーカスすることは、EQのお陰で、習慣化しつつある。息子のSOSが再び出ることもあるだろう。親として、また一人の人間として、沢山失敗をするだろうし、葛藤もする。でもそれは生きていることの証である、と認識して、今年もEQの学びを続けていきたい。

         

おうちでEQファシリテーターコースは、昨年からスタートしたDAIJOUBUで、今、人気のコースだ。私自身も今年はこのコースを一から学んでみようと思っている。皆さんもぜひ、一度、おうちでEQファシリテーターコースの受講をお勧めしたい。

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