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自分と友だちを知る遊び表現から学んだこと

佐久アートまつりが2日間開催

11月11日(土)~12日(日)の2日間、佐久市コスモホールにて「佐久アートまつり」が開催された。佐久広域圏・浅麓地域の演出家や俳優、ダンサーらと地域住民が一緒に表現し、地域課題などについて考える初のイベントで、担い手として100人以上が参加し、ワークショップや展示など多彩な催しを企画した。

「アーツを使って」、地域連携型の取り組みを行うことで、社会課題などと向き合いながら、ホールの役割、地域文化のこれから、皆さんと一緒に体験し考える内容となり、大ホール、小ホールにおいて、ダンス・演劇・ワークショップ、トークセッションが開かれた。

自分と友だちを知る遊び表現ワークショップ・ミニパフォーマンス

私がファシリテーターを務めた、「自分と友だちを知る遊び表現ワークショップ」は、8月から全8回のワークショップを経てミニパフォーマンス当日を迎えた。2日間の本番は、子どもたちがどのようなワークを共有してきたかを、保護者や当日参加の一般市民も混ざって、一緒に過ごす時間からスタート。子どもたちが体験してきたことを一緒に感じてもらった後は、子どもたち自身によるショート作品のミニパフォーマンスが披露された。

8回のワークショップ、全て最初から最後まで、始まりの今の自分の気持ちはどんな状態か、そして終わりはどんな気持ちになっているか、これを毎回様々な方法でアウトプットしてもらった。身体や音、色、象徴している写真等等。まさにEQの手法をそのままに、子どもたちが感じるありのままの感情メッセージを大切に積み重ねた時間だった。演劇的手法を活用した表現コミュニケーションには、正解不正解は存在しない。子どもたちはそれぞれの感じ方で、時間を共有し、自分を知り、友だちを知る時間となった。最初は「無」の状態と答えた子も、最後の振り返りでは「楽しかった」との一言が生まれた瞬間は実に感動的だった。

演劇的手法を活用した表現コミュニケーションの時間は、まさに「感情」と「思考」が織り交ざる場だ。それぞれの「~したい」という感情がぶつかり合うと、物語が展開しない事態となる。そういった先の見えない状況をどのように見えるようにするか、創作のプロセスには沢山の学びがある。相手の「~したい」に乗っかってみよう、という思考の意識が芽生えると、一人では想像もできない化学反応、新しい一手が起こる、まさにイノベーションとはまさにこういった変容で生まれるものではないだろうか。

子どもたちの一歩・オンユアマークス

私にとって、自分と友だちを知る遊び表現ワークショップは、全ての縁が繋がった幸せな空間と時間。2日間の終わりには、この時間にもっと浸っていたいという満たされた感情でいっぱいになった。信頼する仲間、同志、盟友が一堂に会した瞬間は何より贅沢なひと時。これは、中々言葉では言い表せない。

子どもたちがファイナルの日を惜しみながら、もっとやりたい!と連呼してくれた声が今も聞こえてくる。ミニパフォーマンスの最後に子どもたちが、一斉に踏み出した一歩。その後ろ姿を見たらグッときてしまった。

このワークショップは今日が終わりじゃなかった。子どもたちにとっては、一歩を踏み出す、今日が始まりだったんだと、今は、しんみりそう感じている。どの子どもたちの表情も実に美しかった。この子たちが歩んでいく一歩先の未来が、より豊かなものであるために、私は生涯を通じて、演劇的手法による表現、コミュニケーション教育、そしてEQを探究、実践していくと固く誓ったアートまつりだった。

         

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