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あれもそれも全部強み!アメリカの学校教育で体験している個を尊重した教育

個を伸ばすアメリカの教育

アメリカに引っ越してきてもうすぐで1年となります。9月の頭に始まった我が子たちの通う学校も、6月中旬に終わり2.5か月の長い夏休みが始まります。

今年8歳と9歳になる子どもたちは生まれてから7&8年弱を日本で過ごしました。私も親として日本の幼児~小学校教育の数年を体験してからこちらへ来たおかげで、親子3人で様々な違いに驚きながら過ごした1年間でした。

「個を尊重している」と感じたアメリカの公教育を、やや脱線しながら一部ご紹介していきます。

Kinder(日本の年長さん)から、学年を選択できる

我が子たちは二人とも、目安通りの学年に居ます。「目安」がポイントです。

ちょうどコロナがあったのもあり、Kinder(日本で言う年長さん)の学年を2回やったり、ホームスクーリングをしていたので対面クラスに移行する際に1年したのクラスに参加したり、それぞれに選択しています。

なので実際娘の1年生のクラスには8才の子もいます。これは珍しいことではありません。もちろんアメリカはとても広いので、地域によっては人種や収入によるいろいろな差別が起こっている場所もありますが、子どもたちの通う小学校では周囲も「へぇーそうなんだね」くらいの印象です。

ひとりひとりへのサポートプログラム

移民であってもそうでなくても、英語での会話が難しかったり、発語がゆっくりだったりする子はいます。同様に読み書きが難しい子や、算数が苦手な子も。またはすごくITが好きだったり、もっと難しいプログラミングにチャレンジしたい子も。

こちらは1年生のクラスのカリキュラムです。日本のように40~50分ごとの時間割が毎日カチッと決まっているわけではなく、クラス担任と1日が始まると、担任の先生とはreading/writing(読み書き)とmath(算数)などといった基本教科を取り組みます。ちなみに1クラスは16~19人程度。これもまた州によるそうですが、だいたいが1クラス20人前後だそうです。

STEMや美術、音楽、体育といった科目は曜日ごとに、別の先生が行います。そのため、担任の先生にも毎日必ず自分だけの作業や準備の時間があります。また余談ですが、子どもたちは8時半~9時の間におおよそ登校し15時半頃下校です。先生たちは8時半頃に学校へ出勤し16時には下校していて、職員さんが17時までオフィスにいますがそれ以降は誰もいません。当初、ピンクのDaily Scheduleを見ると、日本の教育に慣れていた私にとっては「いろいろな予定がだいたいだなぁ、柔軟に対応できそうだなぁ」と思えました。

アメリカの小学校

こういった毎日の取り組みの中で、時々会話や読み書き、その他の特別なクラスを担当する先生がクラスに訪れ該当の児童を迎えに来て、図書室などで特別クラスに取り組みます。またほかに、プログラミングやテクノロジーなどは放課後に特別のクラスが開催されることも。ひとりひとりの個に合わせたサポートに取り組むことが、国に定められた学校にとっての義務になっています。(前No Child Left Behind Act; 誰も取り残さない条例、現Every Student Succeeds Act; ひとりひとりの子どもが成功する条例)

その特徴は「飛び抜けている」ということ

またこんなアンケートが配られたこともありました。子どもたちの通う小学校では、2年生と5年生がこのアンケートに取り組むそうで、「もしこのアンケートに”答えたければ”ぜひ回答してほしい」と書いてありました。これは、子どもたちが特徴が飛び抜けていることで特別な取り組みが必要かどうかを知るためのアンケートで、科目についても問われましたし、記述式で保護者の立場で特筆したいことがあれば伝えることもできました。科目についてはこのアンケートの後、先生たちからもそれが認められると州共通の特別なテストを受けることになり、その結果次第ではいわゆる「飛び級」で知られる対応や、そのほかの個別サポートを得られる可能性があります。

アンケートの内容は以下の通り、全19項目でした。

  1. 年代相応以上の語彙力に長けている
  2. 記憶力が卓越している:情報をたくさん記憶している
  3. 好奇心旺盛:なぜ?それでそれで?といった形で絶えず質問をする
  4. 興味や趣味、コレクションがたくさんある
  5. 情熱を持って何年も没頭している関心ごとがある
  6. 熱中:活動や思考に完全に没頭して熱中する
  7. 美や他者の気分・感情に敏感
  8. 高い正義感や公平性への意識がある
  9. 他の同世代が関心を示さないような世界の問題に関心がある
  10. ユーモアのセンスがずば抜けている
  11. 関心があることには熱中するが、その他のことには取り組む気になれない
  12. 1つのことに取り組みたく、色々なことに次々取り組むのは気が乗らない
  13. 同世代よりも思考力が高く、抽象的思考をするのに心地良さを感じる
  14. 繊細な因果関係を感知しやすい
  15. 基礎的な取り組みより、複雑でチャレンジしがいのある課題を好む
  16. 2つ以上のことに同時に取り組むことができる
  17. 熱しやすく冷めやすかったり、仕事が雑になり注意が足りないことがある
  18. 物事の取り組み方を工夫する
  19. 思いついた工夫を周りの人に提案する

このアンケートを息子のために答えていて、正直なところ、私のときにこのアンケートがあったらどれだけ両親も自分も、心が救われただろうと思いました。人より少しできる、あるいはみんなと同じようにできれば歓迎され、遅れていると感じてると居場所感を感じにくく、優秀過ぎれば厄介者扱いをされる。この19項目を読みながら、これもそれも特徴と思っていいんだ!と時を越えて少し癒された感覚があります。

制度が個を当然のように尊重している

何度も言うようにもちろん人によりますし、アメリカは広いです。私の住んでいるワシントン州のこの町の公立小学校では、私は日本と比べて、当然のごとく個が尊重されているのを感じます。初めから違って当然なので、人と違うことに対しての後ろめたさも目立ちません。安心できるから、自分らしくいられて、自分らしくいられるから、伸び伸びと実力を発揮できたり、自分のペースでいられる。そういう印象があります。

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