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言葉も感情も大切にする

今年は、元日に能登地方で大きな地震が発生し、翌日には飛行機事故、それ以外にも様々な事件が出来事が発生し、なんともいえない不安を感じずにはいられない1年のはじまりとなりました。
まずは、地震から1カ月が経ってもなお、避難生活を余儀なくされている多くの方々が一日も早く安心できる生活に戻れますよう祈り、想いを寄せ続けていこうと思います。

荒れ続けるSNS

新年早々からの相次ぐ出来事に対して、何か起きるごとに、ネットには様々な書き込みがあふれ、それが話題になったり、炎上し、たまたま流れてくるものを目にしてざわつきを覚えることが多い1月でした。関心のある出来事はついついネットニュースやSNSの展開を追ってしまいますが、匿名だからか、とても激しい言葉であったり、全くの関係ない第三者が事実かどうかわからないものを主観で決めつけたり断罪したり、誰かが放った一言に対して、揚げ足をとったり否定したり煽ったりして対立構造ができていく。もちろん、中には自身の意見や想いを丁寧に書き込まれているものもたくさんありますが、とにかく、溢れる言葉の数々から怒り・敵意・絶望・悲しみ・イライラ・・・などの感情や空気を感じていました。もちろん、書き込まれる世界は全部ではなくごく一部でしょうし、いろいろな立場や役割、事情・感情がそれぞれあるのでしょうが、それにしても「言葉」というものの扱いが雑になってしまってるなと感じることがあります。

「。」ハラスメント?!

一方、最近の若い世代を中心に、SNS上での句点「。」の扱いについて、こんな記事がありました。

LINEで句点「。」は誤解を招く… “マルハラスメント”とは? 若者世代「冷たい、怒ってる、冷めてる、もう会話が終了という意図なのかなと」

仕事柄、大学生や若い人とLINEで会話をすることがあり、一瞬ドキっとしたこの記事。
普通に文章の区切りとして無意識につけていた句点が、場合によっては”ハラスメント”になりうるのだということに正直びっくりしました。この記事をみて、日常よくLINEで会話をする息子やお嫁さん(ともに20代)とのLINEを読み返すと、確かに2人からのLINEには全く句点がない。でも私からのLINEには「わかりました。」「よろしくお願いします。」など句点が多数・・・。彼らは私からのLINEをどう受け止めてたのか気になるところです。
そういえば、職場の若い人に、仕事で学生に対してLINEや記事を書く時に、文章の最後の句点を「。」ではなく「◯」にすると、尖った感じがなくなる、柔らかい感じになって受け取ってもらいやすくなるとアドバイスをもらったことがありました。
「よろしくお願いします◯」「お待ちしています◯」
みたいな感じ。(そのあとアドバイス通り実践しました。)
句点があるかないかや、マルの大きさに敏感になり、たった一つのその”記号”から、あらゆる感情を想像してあらゆる受け取り方(このケースの場合はネガティブな受け取り方)をしてしまう。

同じ文字表現でも、一方では受け取り手や読み手のことを考えずに自分の感情や持論をそのままぶつけて雑に言葉を扱うかと思えば、一方では受け取った時は句点一つに敏感に反応する。
もちろん発信側受け取り側それぞれが世代などが異なるのかもしれませんが、極端にも思えるこの2つの反応、1つ1つの言葉に敏感になりすぎて、ネガティブに受け取ってしまったものがネットを通じて伝播して拡がっている点では同じで、いずれも、どちらかといえば不快な感情が多く漂っている。

私自身もLINEなどのツールで、家族や職場の人達と会話をする中で、自分自身のコンディションがよくない時や、なにか自信が持てない時は、つい要らない一言を投げてしまったり、まっすぐに受け取れず「怒っているのかな」「気まずいかな」「何か要らないことを言ってしまったかな」と一人でモヤモヤすることはあるので、決してこれらは他人事ではありません。きっと、皆、同じ様に、日々に不安をおぼえ、疲弊していたり、自分に自信がもてなかったり、イライラしたり、孤独を感じたり、、、なのだろうなと想像できるところはあります。

ちくちくとふわふわ

EQを日々学び、実践するものとして、句点のあるなしやマルの大きさ、言葉の端々に目を向けて敏感になるのと同じように、今、自分がどんな状態や気持ちでこのニュースや出来事・LINEを受け取ろうとしているのか「自分の感情」もフタせず否定せず丁寧に目を向けることや、自分が発しようとしている言葉を受け取った相手はどんな気持ちになるだろうかと「他人の感情」にも心を配ることができれば・・・。どんな感情であっても大切にし、その感情を活用し、力に変えていくEQが今を生きる人たちには大人にも子どもにも本当に必要だと何度も思った1カ月でもありました。

日本は1000年以上も昔から、和歌にいろいろな思いや感情をのせて表現したり、夏目漱石の、I LOVE YOUを「月が綺麗ですね」と和訳したというエピソードなど、日本人独特の豊かな感性で言葉を紡いできた歴史・文化があり、今もSNSなどを中心に「よろしくお願いします◯」みたいに新しい表現や感性が生まれている。また、最近、若い世代にも「短歌」がブームになっているようで、その流れもとても素敵だなと思います。だからこそ、もっと日常で使う日本語、言葉を、その使い手として大切にしていきたいという思いが私の中にあります。

犬の散歩でいつも通る道沿いにあるお寺の掲示板に、最近
『あったかいことばで話をしよう!!』
と書かれたものが掲示されていました。
また、主に学校で使われているちくちく言葉とふわふわ言葉についての絵本『ちくちくとふわふわ』などもあります。

1月、新しい年に希望をもって過ごしていこうとそれぞれが想いを馳せていた元日から、それを打ち崩されるような地震や様々な事件・出来事が相次ぎ、「本当に大丈夫なのだろうか」と不安に襲われ、心がちくちくすることが何かと多い今の時代。だからこそ、そんな中にいる自分自身に目を向け、疲れていたら心身を休める、SNSに疲れたら距離をおくなどして、まずは自分で自分を守り大切にする。その上で、自分から発する言葉にほんのちょっと意識を向けて、自分をふわふわしたお布団みたいなあたたかい言葉で包む。それが周りにも伝播して、みんなが大丈夫になっていけばなあ・・そう願ってやみません。今日(このコラムを書いている日)は2月3日節分。明日は立春、春の始まり、節目の日に改めて、その願いを胸に、心新たに、まずは自分が、心も、発する言葉も、あったかいものであるように、自分が今できることをやっていこうと思います。


今月2月は、『心理的安全で公平な社会・教室・家庭をつくる4つのステップ』をテーマにした、DAIJOUBUまわりーによる「大人のためのセルフサイエンス 特別クラス」を実施予定です。参加者それぞれの言葉や感情をお互いに大切にしながら対話を深め、ちくちくした心もじんわり解きほぐれるようなEQが体験できる特別なクラスです。
その他、2月に開催決定しているのは以下の通りです。(以下の他にも決定次第HPで告知予定)
ぜひ、お気軽にご参加くださいね。

2月のDAIJOUBU クラスラインナップ

2月 9日(金)21:00~22:00(大人向け)
Tea Time『対話による学校づくり』
2月24日(土)9:00~11:30(大人向け)
セルフサイエンス特別クラス『心理的安全で公平な社会・教室・家庭をつくる4つのステップ』
2月29日(木)19:30~20:10(大人もこどもも!)
自分図鑑『思いやり輪っか』

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