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自分で決めるということ

 「日本人はさ、監督や先生に「こうしろ!」って言われたら皆そうするでしょ?それはなんでなの?ブラジル人は言われても頭に入れるけど、その時一番いい選択をするのが自分だから気にしない。間違えたら聞けばいい。じゃなきゃ何も自分のものにならない。」

 これは、ある日本人女子サッカー選手がブラジル人に言われた言葉だそうです。どっちが良い・悪いというわけではなく、どちらにも良さや課題もあるとは思うのですが、私自身はこの言葉を聞いた時に、とても納得しました。

 これについて私の体験談を交えて考えや感じたことを書いてみました。

「自分で決めない」は考えないことや責任転嫁、後悔を生む⁉

 私は、どちらかというと長い物には巻かれるタイプで、イエスマン(笑)なので、学校では先生の指示通りに動くことや、サッカーをやっていた際にも監督の指示通りに動こうとするという感じでした。そして、それはとても楽なことでもありました。なぜなら、自分で考えなくてもいいし、言われた通りにやってダメだったら自分に責任がゼロとは言いませんが、指示をした方の責任もあるので気が楽です。最悪、「先生のせいじゃん」と責任転嫁することもできてしまいますし、「やっぱこうしておけばよかった・・・」と後悔することもあります。

いざ、自分で決めなきゃいけない場面に直面したとき

 そんな中、どうしたって大きな決断を自分でしなければならない状況もありました。1番は就職です。就職活動をしなければならないとなったとき、自分が何をしたいか?何が強みか?…答えは、「サッカーをしたい。強みは体力と明るさ?」くらいしか分かりませんでした。結局、「カレンダー通りで土日も休みだし、なんかモテそうだし。教育実習は行ったけど、先生は大変だし。」というくだらない不純な理由で、地方銀行に就職しました。結果、自分には合わないことが多く、1年で退職しました。その後は、「とにかく働かなきゃ。銀行よりまだ教師の方が向いてそう。」ということから、中学校の教育現場に行きました。

 いざ、自分で大きな決断をしなければならないときのことを振り返ると「自分のことを何も知らなかったな」ということです。これまで、「考える」ということを放棄していた結果かなと感じています。ただ、誰かに言われて選択したことではなく、自分で決めたことではあります。得たことも沢山あり、今考えても、銀行に就職したことや1年で退職したこと。次のステップとして教育現場に行ったことに対して1つも後悔はなかったです。自分で決めたことだからこそ、「ものになったものが多かった」のかもしれません。

誰もが驚き、心配や否定的な意見も多かった教員退職という決断

 中学校の教員を講師として7年。そして、長野県の採用試験に合格して正規採用されて2年したら、私は、担任していたクラスの卒業とともに退職。住む場所も長野県から埼玉県に移り、現在は放課後等デイサービスで1人1人に合った支援を届けたり、小学校へ出向いて先生方とともに支援が必要なお子様への訪問支援を行っています。

 この決断に対して、「もったいない」等色んな事を言われましたし、実際これを読んでいる方々も「せっかく正規採用されて…もったいない!」と思うのが普通だと思います(笑)ただ、採用試験に受かったときも講師時代から感じていた何かモヤモヤしたものを払拭しきれていなく「これで給料も上がって仕事の幅も増えて…それでもこのモヤモヤ感が消えなかったら、自分の居場所はここじゃないかも」と感じていました。

 結局、そのモヤモヤ感は消えずに逆に色んな経験を通してクリアになっていきました。そして、それが自分が本当に大切にしたいことや実現したいことが分かってくるということに繋がりました。それが、自分の場合は大きく次のことでした。

もっと個別最適な教育を届けたい。

学校と家庭だけではなく地域の中にも教育を支えるものがあって社会全体で1人1人に合った教育を届けて1人もとりこぼしたくない。

子どもも、自分自身も自分らしく生きて幸せに生きる。

 教員を続けていたら、これらができる、できないという話ではありません。公教育の現場にいながらこのようなことにチャレンジされている方や実現している方もいると思います。あくまで、色々な可能性や自分の気持ち等色々なことを考えた結果、私の場合はこの決断に至りました。

 人生で一番自分と対話して自分に正直になれました。そして自分を知れたことで、自分の価値観に合った最適な選択を強い覚悟をもってできたので、本当に充実した毎日を送れています。

自分で決める機会を多くする→「自分を知り最適な選択をする力に繋がる」

 子どもと接する場面や教育現場でも、「これやって」「こうやってやって」ではなく、「どうしたいの?」「なんでそう思うの?」等、自分で考えて決める機会を多くもって経験していくことが大切だと感じています。また、その機会を多くもつことは、ディスカッションするということにも繋がっていくと感じています。特に、集団で協働して成果を出してくためには、自己主張しつつも、相手をリスペクトして意見を聞き入れる。その中で最適解を出すということが大切だと思います。

 このような機会を多くするなかで成功体験や時には失敗することで、自分の得意、不得意、大切にしている価値観はなにか等々、自分を知ることに繋がっていきます。自分を知る事ができれば、相手を知ることにも繋がると思います。それはより自分らしい選択をすることはもちろん、集団としてもよりよい意思決定を選択することにもなるかと思います。そして、何より自分(自分たち)で決めたことには責任も伴いますが後悔することはないのではないでしょうか。少なくとも、冒頭の言葉の最後のように「自分のものになる何か」が見つかり、次に繋がると思います。だからこそ、自分も、そして、子どもたちに対しても「自分(自分たち)で決める」ということを大切にしていきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

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