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変化の中で見えた本当の自分

気がつけば、あっという間に2023年も終わります。
2023年はどんな年でしたか?
今年は、世間では、長年、裏側や水面下にあったものが明らかになってやり直しや反省を余儀なくされたり、過去の時代を彩った著名人が次々に天国に行かれ、何か大きな変化の潮流の中にいるのかなということを感じる出来事が多かった1年でした。

私自身も今年は、コラムでも何度か書いたように、家族に変化が多い年で、これまでのペースでは生活も仕事もできなくなり、考え方や環境が大きく変わった1年でした。
それまで普通にやっていたことができなくなる、自分の思いとは裏腹に、家族の事情でやらなければいけないことや、決断・選択が増え、そちらに引っ張られて、そのたびに、悩み・迷い、感情が大きく揺れ、飲み込まれそうになったことも何度もありました。
今年1年の自分の気持ちを、もし一言であらわすとすれば、上記の理由で
しんどい」が正直なところです。
一方で、奥深いところには
穏やか」という気持ちも漂っていたように思います。
いろいろ変化が多かった中でなぜ「穏やか」が出てきたのかなを振り返ってみたいと思います。

昔を振り返る

当初は、自分の中で大変不本意で辛く、でも仕方がないと泣く泣く”仕事を大幅に減らす”選択をしたのですが、それによって増えた両親との時間や会話の中で、「昔はこうだったねー」「この辺は昔◯◯のお店があったわねー」など、若かった両親、小さかった私や兄弟、一緒に過ごした犬や猫など、思い出話がとても増えました。介護の世界で、昔の思い出話をじっくりする「回想法」という心理療法があるようですが、まさにそれです。特にそれを意図したわけでなく、普段老夫婦2人で過ごしていた中に、娘である私が入ることで日常会話の中で自然とそうなることが多く、会話を楽しんでいました。
両親の話をじっくり興味深く聴く中で、自動的に「昔の私」にも触れることになり、お互いに、そんなこと思っていたんだとか、そんな風にみえていたんだと改めて気づくことがたくさんありました。

手放す

そして、大人になってすっかり忘れ去っていた、昔に「好きだったこと」「夢中になっていたこと」「心地よかったこと」を思い出す機会にもなりました。当時の風景、自分の感情をじっくり思い出す中で、「あー私、大人になって、だいぶん無理してたんかもなー」という気持ちがある時ふと湧いてきました。特に仕事や活動をしていく場面で、これが自分の役割なんだ、これが自分は得意なんだ、専門なんだ、私がやらなきゃ!と思い込んで、自分なりに一生懸命にやってきた中で、ある部分で、ずっとなぜかぬぐえない”違和感”を感じるところがあり、その正体がわからないまま、考えないまま、ここまできてしまっていたことに気づいたのです。
社会人になり、最初の会社で全く想定もせず、経験したことも知る機会もなかった人事の領域に配属され、その中でなんとかかんとか知識を得て、専門資格もいくつかとって、仕事の幅や経験もそれなりに積んできていたので、やってきたことやこれまでの時間を否定するわけではなく、
「ここまではよく頑張ってきた、でも、その中で、違和感がある部分は手放してもいいんじゃない?」
と思うことができたのです。その瞬間、こだわりとかプライドとかぎゅーっと縛られてたものから解放された気分で肩から思いっきり力が抜けました。

これまでも、手放したりあきらめながら前に進んできたことは誰しも人生の中で繰り返しやっていて、私も初めてではないですが、今年の変化の中では、手放すまでのプロセスとして”昔の自分”から”これからの自分のあり方”を教えられたと感じています。

結論を急がない、待つ

治療や介護の方針、今後の生活、そして自分達の生活など、環境が変わる中で、「で、次どうするの?」と決断や選択が迫られる場面が多くあります。そして、自分だけでなく家族もその変化についていかなければいけません。当初は、私がなんとかせねば!と前のめりになっていたことがありますが、そういう時に限って、家族も動かない、自分は疲弊するなどうまくいくことはありませんでした。
幸い、私にはDAIJOUBUでは活動や毎月のクラスの対話や学びの機会があり、その中で、自分のメンテナンス・調整をさせてもらうことができ、
「常に自分のEQを意識すること」
「自分を大切にすること」
「両親や親族・主治医など周りの”感情”に目を向けること」
「本人がホントはどうしたいか、どう頑張ったって心地よくない闘病生活の中での心地よさや幸せだと思うことって何か」
を大切にしようを決めてから、私が一人でガシガシ決めなくていい、今決められなくても大丈夫、ゆっくりゆっくりを大切にすることで、自然と方向性が決まっていったり、親も自分も納得いく選択を都度できるようになりました。なんとかなるから大丈夫やわ・・と楽観的に考えることもでき、結論や答えをサクサク出すことばかりがいいことではなく、曖昧さを受け入れ”じっくりその時を待つ”ことの大切さに気付くことができました。

文字にしてみると「やりたかったことを我慢して仕事を大幅にセーブし、家族のサポートに軸足を置く」ことをやってきた1年。もしかしたらもっといい方法があったかもしれない。他方では仕事もサポートも完璧に両立できる人もいるかもしれない。周りから「もったいない」「損な役回り」「負担ばかり背負って」と言われることも何度かありました。でも、あまり自分自身はそうは思ってなくて、これらの変化の中で、ホントのところの自分を再認識でき、最後「穏やか」という感情が出てきたほど、この選択でよかったと今は思っています。
そして、そう思えたのはやはり、1人ではなく、DAIJOUBUの活動や皆さんと一緒に自分の探求、セルフサイエンスを常に意識して、自分にアンテナをしっかり張っておくことでキャッチできたことであり、自分の大切な居場所であることを再確認させてもらい、ギフトをいっぱいもらった1年にもなりました。

今年1年、こうした私個人の変化の中で、迷惑や負担をかけてしまった方、支えてくれた方、そして、両親や家族、皆さんに感謝感謝の気持ちでいっぱいです。
まもなく2024年。大人も子どもも世界みんなが本当に平和で笑って過ごせる、よき1年になることを祈って、今年最後の私のコラムを締めたいと思います。本当にありがとうございました!

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