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「やめる」を考える~「大人のためのセルフサイエンス」開催レポート~

DAIJOUBUでは、毎月、3つの定期クラスを開催しています。
ファシリテーターは、DAIJOUBUで共に学ぶアレンジャーズが、探究したい・皆と対話したいテーマを持ち寄って担当しています。今回は、2026年3月の「大人のためのセルフサイエンス」クラスをご紹介します。
大人のためのセルフサイエンス」は、毎回1つのテーマを設定し、「自分のプロ」になることについて学びます。今の自分がよくわかる、次の行動が見つかる90分の本格的なEQクラスです。
2026年5月開催のテーマは『やめる』。ファシリテーター”えばちゃん”によるレポートをお届けします。

初夏を思わせる夏日があったり、曇り空では少し肌寒かったりとする最近の天気。人の心と空は、よく感情の比喩に使われることを、感じる今日このごろ。世間では、ゴールデンウィークが明け、新年度の慌ただしさが落ち着いてきた方もいれば、新しい環境にまだ慣れない方もいらっしゃる時期かと思います。
そんな中、5月8日に「やめる」をテーマとしたセルフサイエンス・クラスを実施しました。

なぜ今「やめる」を考えるのか

新年度は「何かを始める」決断に目が向きがちですが、私たちは日々、頭の片隅で「何かをやめること」も考えているものです。
鈴木祐氏の著書『最高の体調』では、現代社会は狩猟時代に比べて過剰なものに溢れている、と書かれていました。それが体調にも大きな影響を与えると著作でも示される中、物事が過多になりやすい今だからこそ、あえて「やめる」に焦点を絞る時間を作りました。
クラスの大きな骨子は以下の2点です。

1.「やめること」を可視化する

まず、この3年間でやめたことを時系列(2023年〜2025年)に沿ってリストアップしました。実際に書き出してみると「たいしたことを止めていないかも」という声もあり、人は「やめたこと」を記憶に留めにくい性質があるのかもしれません。一方で「仕事を辞めた」という人生の中でも大きな決断をされている方もいました。
このように、「やめる」という言葉を漢字にあてはめると、辞めると止めるの2つがありました。辞書で調べてみると「辞める﹦職位を退く」という意味で、「止める﹦習慣や行為を停止させる」という違いがあるそうです。
やめることを可視化する中、立場を去る「辞める」と、自らの行為を止める「止める」。
書き出すことで、この2つが混ざり合いながらも、それぞれの人生の選択が浮き彫りになっている印象を持ちました。

2.「やめる」ときの脳と心の動き

次に、人が何かをやめる時、脳内ではどのようなプロセスが起きているのかを共有し、次のワークに進みました。
脳科学的には、人間を人間たらしめる「前頭前野(判断、感情の抑制、決定を司る)」から始まり、脳の内側にある「基底核」へとネットワークがつながることで「やめる」という実行機能が働きます。

感情を発露させる脳の中枢からではなく、思考を司る前頭前野が主導して「やめる」を決断している点は非常に興味深い事実です。
だからこそ、思考が優位になっていた「やめる」を決断している時に、自分の感情や気持ちがどのような状態だったのか、「ドーナツモデル」を使い、最もやめるのが難しかった出来事について、その時「何を考え、何を感じていたか」を深掘りしました。

これらを書き出すと、単に「嫌だから手放す」というマイナスの感情だけでなく、「未来への期待」や「その組織の存続を願う気持ち」など、快(プラス)と不快(マイナス)が入り混じった複雑な感情が見えてきました。そんな快と不快の感情が入り交じるからこそ、具体的なそれぞれがどんな割合で生じていたのかパーセンテージを最後につけてみました。

EQがもたらす「意味付け」の力

このワークを実施し、参加者の気づきの中で特に印象的だったのは、快・不快がフィフティーフィフティーだと思っていたけども、どちらにも分類できない「願う」という感情の存在です。これは、単なる「ワクワク」や「楽しい」といった興奮状態ではなく、静かに、しかし強くフラットに先を見据えるような感覚かもしれません。
また、たとえ「不快」な感情が8割を占める決断だったとしても、EQ(感情知能)の力を使うことで、「手放すことで得るものがある」と考え、期待や安心という感情にも目をむけて、その経験から得られたものを認め、自分を承認することができていたと振り返る方もいました。
この状態は、セルフサイエンスの「脳(思考)と心(感情)が仲良くなる」状態に近いのではないでしょうか?損得勘定やメリット・デメリットだけでなく、自分の感情を解釈し直し、手放す行為に新しい意味を作ることが出来た。
これこそがEQやセルフサイエンスの力であり、参加者の方々の言葉からは、まさに思考と感情がしっかりと繋がっている様子が伝わってきました。

おわりに

「やめる」ことの規模は大小さまざまですが、一つひとつの決断を掘り下げることは、自分自身の価値観を見直すきっかけになった思います。
「何かをやめることで失うものがあるかもしれない。けれど、手放したからこそ手に入るものがある」
この視点は、過剰な現代社会を生き抜くための宝物になるはずです。これからもセルフサイエンスを通じて、脳と感情が仲良くなれる時間を作っていければと思います。

【余談:健やかな毎日のために】
クラスの準備にあたり脳科学の書籍を数冊読みましたが、共通して強調されていたのは「睡眠」の重要性でした。繊細なネットワークを持つ私たちの脳を健やかに保つには、しっかりとした休息が不可欠です。疲れを感じやすい5月、まずは良質な睡眠をとり、心身を整えていきましょう。

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