他者と自分を比べそうになったら読む3つのメッセージ
3/15のモーニングtea timeでは「幸せポリス」をテーマに対話を行いました。幸せポリスとはtwitter上で起こったあるできごとについて、その事象をそう名付けた人がいてその名を拝借しました。
こちらがその記事です。「専業主婦が大学院に行ったらダメですか? 批判された当事者の思い」
専業主婦の女性が(専業主婦という言葉にも個人的に違和感があります)Twitter上で何気なくつぶやいた内容に批判が殺到したというものです。主婦として4人の子どもを育てながら大学院で研究されているのですが、「夫の金で大学院に行くのはおかしい」「大学院は主婦のカルチャーセンターじゃない」などの批判が寄せられました。
批判を寄せた人々に思いを馳せてみる
チェックインの後、まず話したのは批判を寄せた人々の状況や、感情、動機です。私はその様子をtwitter上でリアルタイムで少し見ていた中で、明らかにひとり顕著に攻撃をしていた方はいましたが、少なくない数の人が批判の声を匿名で寄せていました。
この方たち(ひとの幸せに何か言いたくなってしまい取り締まる;幸せポリス)の発言や匿名で攻撃をしてしまう様子について、前半は「理解しがたい」「嫌悪感がある」といった印象が参加者の中でありました。ですが会話の中で、「一体なにが満たされていないんだろう?」、という問いから、
- 話を聞いてほしいのかも
- いまの自分に納得感を持てていないのかも
- 自己肯定感が低く、ひととどうしても比べてしまうのかも
と言葉が出てきました。とても肯定しがたい行為ですが、その状況や気持ちには、正直共感できる部分があります。
攻撃をしていい、という解釈はどこから来るのか
参加者のひとりが「意思や意見を持つことは良い、比べる気持ちもわかるけど、攻撃する必要はない。攻撃していい、という解釈は一体どこから来るんだろう」という発言があり、そこから対話は更に深まります。
数か月前のtea timeで話題に上がった、教科書の封筒の話もありました。この画像は、小学校1年生がもらう教科書一式が入った封筒に印刷されている文字です。(地域や世代によるかもしれませんが、数年前私の子どもも受け取りました)
この内容にはいろんな議論や歴史がありますから、正しい正しくないではやはり語れません。ですが、学びやかかわりに感情の力を活用したいEQという視点では、1年生が生まれて初めて受けとる教科書の封筒にどんなことが印字されていると、子どもたちの心が躍り、これから始まる学習や学校活動が楽しみに思えるだろう、と考えたりします。
教育について言及があったあと、「感情は風土や環境の影響を受ける」ということも話題に。私もアメリカに引っ越して感じていますが、感情は自然発生するものなのに、似た出来事が起こった時に出てくる感情が、日本にいたときと現在では異なる、という瞬間をいくつも体験しています。参加者のひとりは、自分が住む場所を移動しただけでチームは同じなのに、仕事での自分の振る舞いが変わったとも。
いろいろな発見を共有しながら、「攻撃していい」という自分へのある種の許可も、環境的な要因があるのではないか、という点にも及びました。信じたくありませんし、もう2022年ですから変化をしていて当然と思うのですが、自分より弱い立場の人に対して暴言を吐くことはOK、という無意識の許可が自分の中、或いは社会の中で行われていると、ためらうことなく攻撃ができてしまうかもしれません。
同調圧力についても及びました。ひとりだけ良い思いをするのは許さない、みんな同じでなければならない、という前提がもしあれば、多くの人が苦しみながら努力している中で、楽に結果を出しているように見える人は気にくわないでしょう。ですが、誰かが幸せになることは、自分の幸せが減るわけではないし、幸せは総量が決まっているわけでも、パイを取り合うものでもありません。幸せは主観的なものであるはずで、人によって違い、自分でつくりだしていくこともできるのに、と対話は深まっていきました。
誰にも波はある―飲み込まれそうになったときに読む、3つのメッセージ
1時間のtea timeですが、テーマがあり、フラットで公平な場で、決して否定し合うことのない場で問いを立て合えば、とても深い対話になっていきます。
匿名で顔も知らぬ誰かに攻撃をしてしまう行為そのものは肯定できるものではありませんでしたが、想像力をつかってその行為を行ってしまう人々に思いを馳せると、共感できる点が見つかりました。私たちと全く別の存在、ではなく、誰にも心身の調子に波がある中で、誰しも近い状況や感情に陥ることはあります。
そこで最後に、こうして他者と自分を比べて攻撃をしてしまいそうになっている人(あるいは自分)へ、メッセージを送ることに。まとめると、3つのメッセージとなりました。
- 外で遊ぼう!自然を楽しもう!
- 自分の好きなことに夢中になろう!周りはオッケー!
- 誰の中にもそんな一面はあるから、大丈夫。だから飲み込まれないで!あなたも本来十分素敵な存在!
コンプレックスは、多かれ少なかれ、そしてタイミングによって表出したりしなかったりするだけで、誰の中にもあるのではと思います。でも比べないで大丈夫です。ですが、専門的な行政や医療のサポートが必要な場合はそれも活用して、自然の中を歩いて、視野を変えていくのが良さそうというメッセージもありました。
人はひとりでは生きていけないので、想像力を活用して共感力を働かせ、創造力をつかって自分自身を幸せにする方法を、考えていけたらと感じました。「幸せポリス」というテーマから、対話の旅でたくさんの景色を見てこうして着地したtea time、とても楽しい時間でした。
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シンガーソングライター・EQエデュケーター
EQの力を心から信じるアメリカ在住の3児の母
現在アリゾナ州立大学 社会的正義と人権 修士卒業
感情知能EQと出会い、生きることがうんと快適になった経験から多くの人に、
特に子どもたちを取り巻く環境にEQを一秒でも早く届けたいと願い奔走している