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「らしさが光る言葉がけ」~シナプススクール、ケイコさんとの対話から~

 8/27にSEL最先端の米国シナプススクールで教壇に立ってらっしゃるケイコ先生を招いて特別クラス「らしさが光る言葉がけ」を行いました。Tea Timeの形式で行い、ケイコさんを交えた参加者の皆さんとの対話の中で多くの気づきや発見があった素敵な時間になりました。

当日の流れ

  1. チェックイン(今週、または今日の自分を表すフルーツを選ぶ)
  2. 泣いている男の子への声掛け2パターンのロールプレイ
  3. 自分らしさを認めてもらった言葉がけはかけてもらったことはあるか?あるとしたらどんな気持ちになったか。もし、ない場合はどんな言葉がけをしてもらいたいと思ったか。
  4. ブレイクアウトルームでシェア×2
  5. 全体シェア&ケイコ先生に質問タイム
  6. 振り返り

子どもの話しを聴くとき…実際のシナプススクールの実践から

 私とケイコ先生とでロールプレイをした場面では、おもちゃを友達に貸したものの、返ってこなくて泣いている男の子への声がけを2パターン行いました。1パターン目は「どうしたの?」と聞いてから「男の子なんだから泣かないで我慢して」といったもの。2パターン目は「どうしたの?」と聞いたあと「おもちゃを貸してあげたんだ。優しいね」「どうすればいいかな?」といった声がけをしたものです。

 参加者の皆さんに印象を聞いてみると、1パターン目は「決めつけている感じがある」や「気持ちを尊重していない感じがある」といった声がありました。2パターン目は、「次のアクションを一緒に考えている」や「寄り添っている感じがある」といったような声がありました。

 また、ケイコ先生自身が、当時ピアノを習っていた自分のお子様へ「もっと練習しなさいよ」といったような言葉をポケットに閉まって、言葉がけが変えて、子どもの姿や関係が変わったというエピソードも話してくださいました。

 実は、ロールプレイの2つ目の言葉がけや、ケイコ先生が実際に言葉がけを変えたらお子様の姿が変わったといったものには、シナプススクールでも実践している「VEET」がありました。

まずは、V…子どもの感情や言い分に耳を傾けて受け止めます。そのうえで、E…何が問題なのかを振り返ります。そして、E…どうすれば解決できそうかを考えます。最後にT…現在の感情はどんな感情か、振り返り後押しをします。例えば、「最初は悲しかったけど、解決の方向が見えたらなんかできると思えてきた」等々、最初と最後で感情が変化していることが多いので、そこを振り返ります。

 これは、子育てや教育現場の様々な場面で活用出来ますし、むしろ、無意識でやっていたことがまさにVEETだったという方もいるかと思います。

言ってはいけない言葉をポケットにしまう

 ブレイクアウトルーム後の全体でのシェアの場面では、皆さんの話しから様々な発見や気づきがありました。子どもへの言葉がけのなかで、なんだか自分でも違和感があるとき…自分が子供時代に親から言われた言葉をかけていて、自分らしいというよりかは、そのときの価値観が染み付いていて、それによってかけてしまっている言葉がある。といったことや、言葉がけ1つをとっても、人によってその受け取り方が違ったり、求めているものが違ったりするのが難しい(真面目だね→嬉しい人もいれば、それが嫌な人もいる)といった声もありました。

 全体的にこんな「言葉がけがいい」というよりかは、「ついこんな言葉を言ってしまう」といったものや、「こんなこと言われた…」といった話が多かったかと思います。その中でケイコ先生の話から、「言ってはいけない言葉をポケットにしまう」という話がありました。これは、ケイコ先生自身も実践されたそうです。

 言葉がけがを変えようとするとき、必ずNGな言葉がけといったものも出てくるので、それらをピックアップして、心の中のポケットにしまうというものです。もちろん、それらの言葉は状況によってつい、言いたくなる場面も出てきます。そんな時は、「この言いたくなった気持ちを聞いてくれる人たちがいる」とその人たちを自分の背中や肩にのってくれていることを考えるそうです。

 実際、私も現場で「このあいだ、○○って言いたくなったよ」といった話を仲間にシェアするだけで心が軽くなったり、それがあるおかげでポケットにしまっている言葉が出ないということもあるなと感じました。

プロセスがコンテンツ~完璧より繋がりを~

 特別クラス全体を通して、何よりもケイコ先生自身の雰囲気というか、振る舞いが安心感、DAIJOUBUな空気感をつくっていました。自己開示してくれた参加者に「勇気を出して言ってくれてありがとうございます」といった言葉や、自身が分からないことは、包み隠さずにそれを伝えつつもご自身の考えを伝える姿…文面で表すのは非常に難しいのですが…本当に安心できる空間を自然とつくられていました。

 そのような姿を見て、改めて「どんな言葉を言うか」というのがコンテンツではなくて、その言葉を言う時にどんな振る舞いをしているか、言うまでにどんな関わり方をしたかといったようなプロセスがコンテンツだと感じました。

 そして以前、ケイコ先生とお話しした際にケイコ先生が「完璧よりも繋がりを大事にしている」といったことを話していたことを思い出しました。分かってはいても、「あんな言葉を言ってしまった…」と失敗することもあるかと思うのですが、完璧を目指していると後悔するだけかもしれません。ですが、繋がりを大事にすれば、その後の振る舞いが変わってくると思います。その振る舞いといったプロセスがコンテンツであり、それが自然と「らしさが光る言葉がけ」を引き出してくれるのかなと感じました。

参加者の皆さんの声~一番心に残ったこと。お土産になったこと。~

  • 我が子と接していてお互いしっくりこない、子が納得していない反応をするような場面では、自分自身が子どもの時にされたような言葉かけを無意識に我が子にしてしまっているなあ…みたいなニュアンスのケイコさんの言葉。まさに、現在の私もそうだなと思いました。 だから、わたし自身も課題を乗り越えようとしている最中だと自覚しました。・・・普段から考えていることにより深く深く向き合う事ができたことが1番のお土産です。
  • ケイコさんがお話された 【完璧が目標ではないですよ】のことば
  • KEIKOさんの雰囲気、安心できる空気感、相手の心と交わろうとするマインド、大きく見せようとせず等身大の自分でいること、それが関わる誰かの「らしさ」を光らせる一つのヒントなのかなと思いました。 けいこさんの「この気持ちは誰か違う人に吐き出せばいい、聞いて貰えばいい!」という言葉もとても印象に残りました。
  • 子どもへの声かけで、時には望ましいものでないものを投げかけてしまったとしても、それを失敗だと思いすぎなくていい、とおっしゃってくださったことです。
  • 今日は仲間の発言にも感動がありました。「トラウマに乗っかって(乗りこなして)走って行った先にはどんな素晴らしい景色が広がってるんだろう」という言葉。トラウマというものがポジティブに捉えられそうです。トラウマがあってこそより素晴らしい未来が待っているような気持ちになりました。

今回のTeaTimeを終えて、私自身も「完璧よりも繋がり」を大切にして教育現場でまずは、自分が自分らしく振る舞うことで、子どもたち1人1人の「らしさが光る言葉がけ」を追究していこうと思いました。

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