自分の「怒り」を探究したら深すぎた…
3月11日の大人向けセルフサイエンスクラスでは「怒り」をテーマに行いました。参加者の皆さんそれぞれが自らの「怒り」に対してワークや対話を通して探究していきました。ファシリテーターをしながら多くの気づきや発見があり、「怒りってとっても深いな…」と感じることができました。
当日の流れ
1.チェックイン
2.最近怒った、イラっとした、一言もの申す‼をブレイクアウトルームでシェア
3.長州力さんの怒り動画視聴(怒りの程度が変化していく点・キレてしまう引き金に注目して)
4.ワーク1「怒りの階段」
5.ワーク2「怒りのセンターサークル」
6.リフレクト
怒りの感情を活用できるとしたら…
ワーク1の「怒りの階段」では、今までで印象に残っている怒ったエピソードを1つ取り上げてもらいました。階段に見立てて、怒りの程度がまだ小さいときの思考や状況、怒りの程度が大きくなってくるとそれらがどうなってきたか…といったように振り返っていきました。
その中の問いの1つに「もし、その怒りの感情を活用できるとしたらどう活用するか?」というものがありました。すると、「怒りの感情を活用するなんて考えたこともなかった…もしかしたら上手く活用することができるかも」といった声や「振り返れば○○の時は怒りの感情をエネルギーに変えていて、そのおかげでここまでこれた」といったように無意識に怒りの感情を活用していたことに気づけたといった声もありました。
先日の北京オリンピックでも怒りを活用していると感じた場面がありました。スノーボードで金メダルを獲った平野歩夢選手はインタビューの中で2本目のジャッジに対する怒りのような気持ちを3本目に活かしたことが高パフォーマンスに繋がったといったことを言っていました。
個人的には、勝ち負けやジャッジといったものが常に身近にあるスポーツ現場では特に怒りの感情を活用できる場面が多くあると感じました。同時に、それはきっと普段の生活の中でも同じだと思います。そして普段の生活の方が多様な状況があるからこそ活用の仕方も多様で、それは人それぞれ。まさに、その答えは誰かが教えてくれるものではなく自分自身の中にあります。
怒りの感情を認識したとき、それをどう意図的に活用するか…皆さんならどうするでしょうか⁉
様々な角度から怒りを振り返ると…様々な気づきと新たな問い
2つめのワークでは、自分自身がいつもどんなときに怒るか?や誰に対して怒るか?何に対して怒るか?等々を振り返りながらそこから見えてくるものは何かを探究していきました。それらをシェアしつつ、最後のリフレクトでは「怒り」に対しての様々な気づきが出てきました。
・「怒り」は自分の本心を見せてくれる
・5つの愛の言葉と繋がると感じた。自分が与えているものと相手が求めているものが違うと「自分はこんなにやっているのに!」と怒りの感情が湧いてくる…
・自分の尊厳が侵されていると感じる時は必ず怒りの感情が出てくる
・他の人の怒ったエピソードを聞くと「そんなことで?」と笑い話のように聞けることがある。自分自身が怒りを感じたときも、ちょっと俯瞰して自分を見てみるとそんな風に見えて怒りが和らぐかも
等々の言葉がありました。また、それ以外にも新たな問いや話題として
・そもそも「怒り」をあまり感じずに悩んでそれを抱え込んでまう。それを言えないといった人(子ども)もいるから、それがすごく心配になる…
・「怒り」の感情を子どもに思いっきり表現させてあげているけど…それは良いものか…
といった話も挙がりました。多くの気づきがあると同時に、まだまだモヤモヤして「怒り」をもっと探究していきたいような、これもまたセルフサイエンスらしい時間になりました。また、「怒り」は機会があればTeaTimeバージョンなんかでもやっていきたいと思います。
金融機関での勤務や9年間の公立中学校教師生活を経て
現在は放課後等デイサービスで学習指導やSSTを行う
自分自身も、子どもたちも「自分らしく生きて幸せに」というモットーのもと
教育に携わっています