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10歳前後のお子さんを持つあなたへ~今ここ、のためにできる3つのヒントと呼吸法

11/16~21まわりーが教育におけるマインドフルネスに関するグローバルサミットに登壇しましたが、そのサミットでの対談相手であり、共同主催者であるHelen教授のmindBEから記事をお届けします。mindBEは未就学の小さなお子さんを中心に、子どもたちと親、教育者のマインドフルネスについて取り組むイギリスの団体です。多感な時期に突入していく思春期目前の10歳前後の子どもたちと、どうにかやっていくために。親にも教育者にもヒントの詰まった記事を翻訳します。

読み進めるほど、そうか、まずは大人の私にできることがくさんありそうだ、と思わせてくれます。

https://mindbe-education.com/how-to-stay-present-for-parents-of-tweens/

mindBE “How to Stay Present -For Parents of Tweens” 日本語訳をお届けします

10歳前後の子どもたちの子育ては、たくさんの素晴らしいことと、たくさんの困難が待ち受けています。子どもたちの態度のアップダウンというのはそれは伝説に残るほどのものも多く、ご自身もその頃を振り返って、親や周囲の大人を困らせた思い出はないでしょうか?

子どもの大きなエネルギーや気分の浮き沈みがあなたを困らせるようになってきたら、それこそ、今ここ、であること、反射反応的に対応しないこと、を心掛けるチャンスです。

子どもたちの気分に巻き込まれ過ぎないように

子ども達をサポートするには共感(同調)することと、思いやりの違いを理解しておかなければなりません。共感・同調をすると、誰かの痛みや苦しみを同じように感じ取って吸収して、一緒に痛みと苦しみを共有することになります。なぜならこれが脳神経科学で言うミラーニューロンの働きで、相手と同じ脳内の物質が発生し、同じ波動に同調した形で反応してしまいやすくなるのです。素晴らしい力ではありますが、子どもたちの感情のエネルギーを自分のものにして、更には自分に向けてしまい兼ねない、とても取り扱いの難しいことでもあります。

ヒント1|心の平安に意識を向け、思いやりの気持ちを想起する

思いやりとは、共感や同調という私たちに備わった能力と同じように、温かさ、心遣い、そして子どもの苦しみを自分のことのように感じる、後天的に私たちが得たアプローチです。しかし、思いやりの心は、意識をしっかりと向け、十分に注意をして、ノンジャッジメンタルであることが大切です。思いやりを向ける、という能力は、あなた自身が痛みに苦しむことなく、他の人の痛みに完全に寄り添う機会を与えてくれます。

子どもたちの抱える問題、要望、心配事を見逃さないように

反射的に反応しないことと、意識をして返事をしないこと、とを区別することを学びましょう。子どもたちの問題がどんなにささいなことに思えても、子どもたちはあなたがしっかりと自分と向き合って、適切に導いてくれることを望んでいます。子どもを黙らせたり、放置したりするのは、多くの場合、何の意味もありません。

ヒント2|ジャッジせず、味方になり過ぎず、見守って観察する

子どもたちは思っているよりも立派に判断力があり、考えがあり、直観力もあります。あなたは親として、子どもの持つすべての問題を解決することはできませんが、子どもが自分で問題解決をするのをサポートすることはできます。子どもたちの問題を取るに足らない、なんて思わず、無視することもせず、ただ、今ここにいることに集中しましょう。これはすなわち、たとえ子どもたちが同じことを何度も繰り返していたとしても、いつも聴こえているよと姿勢を見せること、時にしっかりと耳を傾けることです。子どもたち、あるいは大人も、話を聞いてくれる人が必要なことがあります。さらに、あなたが思いやりのある状態、今ここ、を維持しておくことは、あなた自身に周囲の人の抱える課題について聴く準備ができているいうこと。これはすなわち、周囲の人にとって、自分自身の解決策を見つけやすくしてくれていることと同じです。あなたが思いやりを心いっぱいに広げ、今ここにいることが、周囲の人、とりわけ、自分や友達の感情の取り扱いに苦労している子どもたちのためになります。

それって本当に、子どもたちにとっての最善?

私たちは責任のある大人として、物事を効率良く、間違いなく進めるように訓練されています。私たちが倫理感や自分たちの経験を生かして子どもたちに教えることは、私たち自身が今ここ、にしっかりと存在しているマインドフルな状態の時であれば、素晴らしい方法でしょう。ただ、こうしてとにかく短い時間でタスクを完了させ、「これは結局子どもたちのためだから」などと言って親の権限を振りかざして物事を強制するのは、あまりに安易です。

ヒント3|ペースを落として、自分を観察することに専念する

思いやりを持って自分自身の内側を注視する(内観する)のにコミットすることは、自分自身のマインドフルネス、心の平安、健康を促進するために必要なアクションです。つい言動にしてしまった厳しい言葉や要求の多過ぎる口調を、潔く「言い方が悪かったね」と撤回することも時には必要です。ですが、私たちがはっきりと知っている人生のスキルや教訓を教える機会を、自分がマインドフルな状態であるときのために残しておくことも必要です。たとえなりふり構わずしてしまった行動があったとしても、自分を厳しく判断しすぎないようにしましょう。そして、今度平和で生産的なコミュニケーションをするためには何ができるか、また改めて再確認しましょう。

まずは他の方法で練習しましょう。植物をうっとりと眺めたり、食べ物を味わってマインドフルな状態にしたり。無理に瞑想の中でやろうとせず、日々の生活の中で、ちょっとした気晴らしや休憩から、そっとフォーカスに戻るのと同じように。

マインドフルネスとは
一生涯続く真の忍耐と愛ある優しさのためのセルフトレーニングです
知恵とは結果としてついてくるもの
環境の持つエネルギーは常に変化しています
そして子育てというのは
マインドフルネスを実践する旅において全く特別なトレーニングです
子どもたちの言動への自分自身の反応を、切り離せるようになりましょう

マインドフルネス瞑想のトレーニングは、体の中の物理的な反応とあなた自身の感情が、以下にシンプルに結びついているかを観察する方法を教えてくれます。マインドフルネスは、あなたの外側の経験や思考と内側で巡り生み出されている感情的なパターンとの間に自由や、スペースを与えてくれます。

ただただ反応するのでなく、しっかりと対応を選択する、という瞬間をもっ体験できるようになるでしょう。

思いやりを豊かに、よりしっかりとしたものにできるシンプルなマインドフルネスをご紹介します:

  1. あなたが今サポートしている人が強いストレスを体験していたら、まずはあなた自身の身体的変化に注意を向け始めましょう。身体的な小さな反応に細部まで注意を向けてください。呼吸に変化はありませんか?体のどこかに緊張や不快感を感じていませんか?自分の感情を特定したり、レッテルを貼ったりしていませんか?意識的に呼吸を整え、緊張している部分を引き締めたり、解放したり、伸ばしたりします。
  2. ノンジャッジメンタル(決めつけない)に自分の考えや感情を観察することで、セルフコンパッション(自分への思いやり)の心を鍛え高める練習をしましょう。感情を捨てたり、無視したり、抑圧したりするのではなく、安全な空間で、恥じることなくそれらが現れることを許します。

マインドフルネスの練習を通して、ストレスやフラストレーションが物理的に自分の体のどこにどのように存在しているのか、とても大切な自己認識の力を得ることができます。ノンジャッジメンタルな意識と規則正しい呼吸法を用いることで、身体感覚に焦点を当てることを学び、反復的な思考や感情のサイクルを断ち切ることができるようになります。セルフジャッジメント(自分への判断・決めつけ)からセルフコンパッション(自分への思いやり)に変えていくために、あなた自身の内側へのあなたの反応をトレーニングします。こうして、10歳前後の多感でエネルギッシュで素晴らしい時期の子どもたちに、明るく愛情を持って寄り添う力を養っていきましょう。

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