「不完全主義」の対話で感じ2つのこと

先日のBOOKCLUBで「不完全主義」という書籍を取り上げて皆さんと色々と対話をすることができました。その中で感じたことや、改めて考えたことなどを書いていこうと思います。
年を重ねるほど、完璧主義でなくなってきたという共通点。秘訣は有限性を受け入れたこと?
そもそも自分は完璧主義か?そうなる状況のときはどんな時か?逆にそうならない時はどんな時か?といったことを冒頭皆さんと話をしました。すると、「家族に関することについては完璧主義であることが多い」など、状況によって違うといったことはありつつも、何人かの方々からでた共通点は「若い時はすごく完璧主義であったけど、年を重ねるにつれてどんどんそうではなくなっている部分も感じる」といったものでした。ある参加者は「若い時の完璧主義の度合いが10だとしたら、今は7くらい?もう少し下げたいとも思っている」と仰っておりました。
この、年を重ねるごとに完璧主義でなくなっていくというのは、なぜそのようになっていくのか。何をきっかけにそうなっていくのかといったところで個人的には非常に興味深かったです。
完璧主義は、短期的に何かを成し遂げるといった時にはそれが良い方向に作用することもあるかもしれません。ただ、基本的には、何だか窮屈であったり、しんどかったり、生きづらかたりと・・・あまり完璧主義であることによいイメージを自分自身はもっていません。でも、完璧でありたいっていう気持ちはすごくよくわかるし、そういった一面が顔を出すことも日々あります。そんな中、自分の中で「完璧主義でない人ってどんな人たちか」と今までを振り返ってみたる周りを見渡すと経験豊富なベテランの先輩たちが思い浮かびました。しかも、完璧主義でないからといって「~ができていない」といったネガティブな印象は全くなく、むしろドンと構えて自分らしく生きているといったイメージがあります。
だからこそ、「年を重ねるごとに完璧主義でなくなっていくというのは、なぜそのようになっていくのか」といったことが気になり、参加者の皆さんにも聞いてみました。第一声は「そもそも、もう体力が若いときほどないから完璧にやりたくても無理!(笑)」っとのことでした。「あ~そうか~(笑)」と思いつつも、この一言にはまず、「そもそも若い時と体力が違う」といったことと、「完璧にできなくてもいいんだよ」といった2つを受け入れることができているなと感じました。書籍の中にも、まずは「有限性を受け入れる」ということが大きなキーワードになっているのですが、時間もそうですが、自分の体力も無限にあるわけではないといった有限性を受け入れるということ。その中で完璧を目指すのではなくて、自分ができること、注力すべきことは何かを選択していくことができているのかなと感じました。そして、何を選択するのかといったことや、「実は全てを完璧にこなさなくても案外、大丈夫なんだよ」というのは、今までの経験を通して肌感覚で分かるといった部分がもしかしたらあるからこそ、年を重ねるごとに完璧主義でなくなっていく(良い意味で)ということがあるのかなと感じました。
トレードオフという見方で人生の選択を考える
書籍の中で、「覚悟を決めて代償を払う」というパートもあり、その内容も共有させて頂き、対話をしました。内容は下記の通りです(抜粋)
(選択の)結果はオプションではない。どんな選択にも何らかの結果がついてくる。これは有限の存在であるかぎり避けられないことだ。ある瞬間に選べるのはたった一つの選択肢だけ。ほかの選択肢を選ばなかった結果はそのまま自分に返ってくる。(中略)人生のなかでどんな選択に迫られているとしても、問うべきはただ2つ、
不完全主義 オリバー・バークマン著
「その代価は何か」と「それを支払う価値はあるか」だけなのだ。
人生のなかで何かを選択するときにどのみち、「トレードオフ」は避けられないので、「どっちが自分にとってマシなのか?」という見方で考えて選択すると、その選択によって得られなかった代価もでてくるでしょうが、それは自分の中で秤にかけたときにそんなに大したことでないと判断したものなので受け入れることができるかと思います。(もしくは、得られるもと比較した時に、得られるものの方がより大切なものであるでしょう)
これは、ある意味、自分の中の大切な価値観や軸を中心に、自分の人生のハンドルを握っていくことにも繋がると感じました。過去の大きな選択もこの観点で振り返った時に「だからこそ今得られている大きなものがあると気づけた」といった声も対話の中でありました。
トレードオフという見方で選択をしていくことは、完璧主義であることを手放すと同時に「自分にとって本当に大事なことは何か」を考えるきっかけになることから私自身も、改めて日々の生活の中で発生する色々な選択をこのような観点で考えていこうと感じました。

金融機関での勤務や9年間の公立中学校教師生活を経て
現在は放課後等デイサービスで学習指導やSSTを行う
自分自身も、子どもたちも「自分らしく生きて幸せに」というモットーのもと
教育に携わっています