そのストレスは敵⁉味方⁉
先月のセルフサイエンスクラスでは、表題のテーマで実施をしました。日々の生活の中で必ずしも感じているといってもいい「ストレス」。ストレスというとネガティブなイメージが先行しますが、中にはそれが味方になりえることもあるのでは…そしてそれを自分自身の中で認識して活用することができれば、もっと生きやすくDAIJOUBUな感覚になると感じました。
私自身も、環境の変化等々でストレスを感じているという感覚もあったのでこのテーマで行いました。今回はこのクラスの簡単な内容に触れながら、ファシリテートして私自身が改めて感じたことなど述べていこうと思います。
ストレスの定義とは…
そもそも、ストレスとはなんなのか。
ストレスは脳神経科学の世界では、「自分がストレスを感じていると認識した状態のこと」と定義されているそうです。
もう少し詳しく見ていくとストレスを感じるまでにはいくつかの段階があります。まずは、ストレスを感じるには必ず原因となる何かしらのきっかけがあります。それが「ストレッサー」です。ストレッサーには2つの種類があります。
1つは、外部からの刺激によるものです。例えば、上司に怒られる、子どもが言うことを聞かない等々目の前で実際に起きている現象などがきっかけになるものです。
2つめは内部からの刺激によるものです。例えば、イライラした出来事を思い出す、仕事で不安なことを思い出すなどがです。
ストレッサーをきっかけに今度は、脳内や身体に変化が起きます。それを「ストレスメディエーター」と言います。そして、その変化を自分自身が認識した状態が「ストレス」となります。
脳内や身体に変化起きても(ストレスメディエーター)それを、実際に認識したときとそうでないときは脳の使い方が全く異なるようです。よく、ノンストレスと言っている人が急にバーンアウトしてしまったり、鬱になってしまったりといったケースを聞くことがありますが、これは、実際に脳内や身体に変化が起きていてもそれを認識していないが故に起きてしまうということでもありそうです。
なので、「今、ストレス感じているな」と認識する。EQ的には、まさに自分自身を知るということが重要になってきます。
自分のストレッサーを棚卸して見えてくるもの、感情の変化
そもそも、私自身のストレッサーとなっているものはなんなのか。まずはそれを整理していくことで自分自身にとって味方になりえるストレスや不要なストレスというものが見えてくるきっかけになると思いました。外部からの刺激によるもの、内部からの刺激によるもの上げていくと様々です。これを機会に皆さんも少し考えてみてください。
私の場合は、特に外部からの刺激によるものですと職場環境が大きく変わったことによって、慣れないことも多いといったものや、それが要因で普段から色々なことを考えて不安になるといった内部からの刺激によるもの等々ありました。
ただ、改めてそれらを眺めてみながらこれらによって生じるストレスは味方になりえるのか?それとも不要なものなのかと考えてみると、外部からの刺激によるものによって生じている今のストレスはむしろ成長のためや必要なものであるし、自分が実現したいことのために必要な変化の中で生まれているものだと捉えなおすことができました。そうすると、今まではずっと「プレッシャー」や「焦り」、「不安」しか感じていなかったのが、そこに加えて「ワクワク」のような快の感情も沸くようになりました。
また、内部からの刺激によるものに関しては、その不安によって「やっぱこうした方がいいかも」など次のアクションが出てくるという面で味方になっていると感じました。
ただ、それでもまだ「本当に上手くいくのか?」等々、拭えない漠然とした不安などは自分自身の中のネガティブな妄想から生まれているものがあり、それによって適切なアクションができないこともあると感じました。これは、自分自身の中では不要なものなのだな…と整理をすることができました。
そのストレスは、捉え方によって自分自身の目的や価値観、成長などに紐づいているかといったところは取捨選択する上で大切なポイントだと感じました。
そうは言ってもしんどいものはしんどい…そんな時どうするか。
そうはいっても、ストレスに対して簡単に不快な感情が消えたりすることばかりではないと思います。そんなときどうするか。セルフサイエンスクラスの中では、皆さんに「セルフサイエンスポスター」として、もしストレスを感じたときに自分はどうするか?それを必殺技のようなポスターにしてもらいました。
「経験ゲッター」(成長の機会だと認識する)「女優の鏡」(理想の自分を演じる)等々ユニークなものが沢山ありました。
自分自身がどうするかというのは本当に人それぞれだとは思うのですが、私自身のなかで一番ハマっているのは、「どんなときも、自分だけは自分自身を肯定し続けること」です。セルフサイエンスポスターで言うと、「幽体離脱」(笑)つまり、もう一人の自分が俯瞰的に自分自身を見て、「本当によく頑張っているな」と自分自身を肯定することです。
これは、以前ブッククラブでも扱って頂いた「反応しない練習」のなかの「どんなときも私は私を肯定する」という一文に強く感銘を受けています。
自分自身が今までどんな経験をしてきて、日々どんなことを感じて、どんなことを考えているか等々一番知っているのは自分自身です。だからこそ、自分自身の価値は自分自身が決めていいし、どんなときも「今日もよく頑張ったな」と一言声を掛ける権利もあると思います。この声掛けをするだけで不要なストレスが「スッ」と消えていく感覚があります。
ストレスを感じた時に、それをどう味方にするか?不要なものはどのように捨て去るか。その方法は本当に人それぞれだとは思いますが、「どんなときも私は私を肯定する」というものも参考にしていただければと思います。
参考文献
金融機関での勤務や9年間の公立中学校教師生活を経て
現在は放課後等デイサービスで学習指導やSSTを行う
自分自身も、子どもたちも「自分らしく生きて幸せに」というモットーのもと
教育に携わっています