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才能(ギフト)を伸ばすための4つの心得

新年あけましておめでとうございます。DAIJOUBUは今年も、すべての子どもたちが だいじょうぶ な世界となるように、大人向け・子ども向けのクラスやプログラムをコツコツと取り組んでまいります。設立からこれまでの1年半の間と同じように、「これはだいじょうぶな世界につながっているか」を丁寧にメンバーで考えながら前に進んだり、少しゆっくりしたり、DAIJOUBUらしくあろうと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、2022年最初のコラムはまわりーが担当させて頂きます。今日は「才能(ギフト)」について。12月のひろ先生が担当したtea timeと、年末に見たディズニー映画「ENCANTO(邦題:ミラベルと魔法だらけの家)」に感化されて、このテーマに決めました。もしよろしければ、ぜひ紙とペンを持ってこの先を読んでいただけたらと思います。

才能ってなに?を考えるミニワーク

本題に入っていく前に、メモ用紙や付箋(あるいはA4用紙などを4つに切ったりして)を4枚ご用意ください。それぞれ上に以下の4つを書いてもらいます。

  • 好きなこと
  • 得意なこと
  • 強み
  • 才能

それぞれについて、自分のことをよく思い浮かべてみます。自分の、好きなこと・得意なこと・強み・才能について、当てはまる言葉・ピンとくる言葉や絵を紙の中にメモしましょう。何個でも構いません。

4枚の紙全てに書き込んだら、今度はそれぞれがどのように作用したり関係し合っているか、メモを移動させながらイメージしてみます。これとこれは並んでいて、これがこう影響していて、これはこれによってここまで来た、など、自分の中でその4つの解釈を深めましょう。

それでは質問です。

  1. 才能は、他の3つのどれに一番近いですか?
  2. 才能は、他の3つのどれのおかげで伸ばせている・もっと伸ばせるでしょうか?
  3. 才能によって、3つのどれを自分や世の中のためにより活かせそうですか?

体験いただきありがとうございます。もしよろしければ、ぜひDAIJOUBUまでメールでこのメモ用紙の写真や3つの質問の答えを送って共有いただけたらうれしいです。EQにただ1つの正解はなく、プロセスを心と頭と(時には体と)一緒に体験すること、そこから出たあなたの言葉や感覚がひとつの正解となります。セルフサイエンスクラスなどでそれを他の方といっしょに体験すると、自分だけでなく周りの参加者のプロセスや言葉や感覚もまた、私たちの視野や視点を拡げるとても貴重で充実した鍵となります。

それでは、本題に入っていきましょう。「才能(ギフト)を伸ばすための4つの心得」について、探索しながら書かせていただきます。

1)才能とは、HOWである

オクスフォード辞書によれば「才能とは生まれつきの特徴」と出てきます。また才能を英語にすると、giftとtalentという2つがありますが、giftは生まれつき備わっているスキルや特徴、talentの方は後学・体験によって得たスキルであるとされています。

今回はギフトの方の才能について考えてゆきます。才能、と聞くと、もともと人よりも良くできて、そこへ更に努力をして磨いて力を発揮しているtalentのイメージが浮かぶ方もおられるかと思います。大坂なおみさんならテニスの才能、藤井聡太さんなら将棋の才能、のように。

8歳の私の息子は、レゴやマインクラフトがとっても天才的だなぁと思っています。説明書も自分で読みながらするするっと、あっという間に作ってしまうのは何年も前(4~5歳の頃)からです。ですが、ずっと見てきた私にはレゴやマインクラフトは彼の才能かと言われるとしっくりこない部分があります。彼はなんでもかんでもとにかく挑戦する。失敗が1ミリも怖くないタイプです。とりあえずやってみる、好きだったらどんどんやる、もっとやりたくなる、いろいろ試してみる、失敗が怖くないので常にトライ&エラーをしている、そのうち人の声もまわりの様子も気にならないくらい没頭できる(ゾーンに入れる)、あっという間にやり遂げてしまう。

私には、レゴやマインクラフトは彼が才能を活かして得意になったこと、結果であって、彼の才能そのものは「失敗をいとも簡単に糧にしてどんどんやってみる」という姿勢だと思うのです。彼の才能(取り組み方や傾向・HOW)と彼の好き!と思ったこと(WHAT)が、そのWHATが上手になるのにぴったりだった、という風に。

そうすると、「私に才能なんかない」というセリフは嘘になります。才能はHOWだから、ありのままのあなた自身が、一番力を発揮できる姿勢・取り組み方というのが必ず存在しているから。

2)プロフェッショナルとは、WHATとHOWと感情が合わさった結果である

さきほどの結論の通りです。大坂なおみさんなら、科学的な根拠のあるトレーニングを取り入れた本人の取り組み方と、テニスという競技、が合致しているから、ここまでの結果を残している、ということです。そしてWHATとHOWの中、あるいは間、あるいはそもそもの出発点や基礎となる部分には、好き!楽しい!という感情のエネルギーがたっぷり存在しているのでは。

私は4歳の頃からピアノを習い始めました。近所のお友達がピアノを始める、と聞いて母が私もそれに連れて行ってくれた、というなんとも外発的な(あるいは偶然による)きっかけです。ですが、それから大学受験を控えた17歳までずっとピアノを習い続け、10歳の頃からは作曲をするようになり、8歳から10年間お世話になった先生にはたくさんのコンクールへの出場・入賞という経験まで与えてもらえました。「ピアノが得意」「音楽が得意」はたしかにそうだと思いますが、何よりも、一人で何かに没頭するのが好きで、美しいものに包まれている時間が愛おしく、誰かが楽になったり幸せになるような何かを手で作って完成させていくのにワクワクする。ピアノを弾いている時間は、没頭しながら音楽の世界を冒険して、とてつもなく美しい世界を自分がどんどんつくりあげ奏でている、そしてそれを美しいと言って喜んだり涙を流してくれる人が居る、というのがとにかく楽しかったのです。私自身の才能(HOW)と、ピアノや音楽(WHAT)、そして好き!楽しい!という感情、がぴったりはまっていたのだなぁと実感します。

3)苦手・不得意は、アプローチ(HOW)を変えれば存在しなくなる

前述で「私に才能なんかない」は嘘である、と言い切りましたが、苦手・不得意もまた考え方を変えられるのではないでしょうか。なぜなら、HOW・感情がキーなのですから!

英語が苦手・不得意、を例に挙げてみましょう。その人の才能=HOWを活かしたアプローチを手段にすれば、身に着けるのが簡単になる可能性があります。2021年の夏に、2人の子どもを連れてアメリカに引っ越してきました。「だいじょうぶ、どうにかなるから!」と言う私に連れられて、2人とも英語のレッスン経験ゼロでやってきました。本当にどうにかなる、とは思っていたのですが、その後の2人の”どうにかのなりかた”が違ったのです。

息子は物怖じしないので、言葉もわからないのにどんどんと友だちをつくり、ある程度の感覚での解釈を自分に許し、学校が始まればテストの出し方が今の自分には公平じゃない、と担任の先生に言って欲しいと私に申し出て、先生と言語の面だけこまめに連絡をとって調整をしている間に、あっという間にスペリングテストで満点を取ってくるくらいに成長しました。いまでは学校でも、近所でも公園でも、比較的英語でやりとりをしています。

娘は慎重派です。じっと待って、息子や私が試して失敗している様子もしっかり目撃する様子はまるでデータを蓄積しているかのよう、Thank you程度の英語しか話さずむしろ開き直って日本語で話すので、クラスメイトが日本語を覚え始めるほどでした。笑 その間、学校でもらった英語の絵本を読んだり、英語で近所のお姉ちゃんに手紙を書いたり、静かなインプット・アウトプットはしていたように思います。そして数か月経ったある日突然、自然に話し始めました。今思えば、彼女は赤ちゃんの頃、初めての言葉を話すときもそんな感じでした。

2人は英語ができませんでした。その状態を「英語が苦手」とも表現できたかもしれませんが、私は「だいじょうぶ、どうにかなる」と心から思っていましたし、現在2人はそれぞれのアプローチで英語を習得しているように見えます。

これは大人の仕事も、同じことだと思っています。いまもしお仕事で悩まれているとしたら、WHAT・HOW・感情、それぞれについてぜひ振り返ってみていただきたいです。営業が苦手なのではなくて、会計が苦手なのではなくて、働き方・環境・チームの運営方法など、があなたのHOWと合っていないなのかもしれません。(もとより感情が置いてきぼりになっているのかも・・・)

4)真の才能=HOWに合った環境と内側からのモチベーションが、自分の心に自分で火をつける鍵となる

HOWは工夫ができます。HOWを自分に合ったものに整え環境をつくることで、成し遂げられること、手に入れられることは瞬く間に増えます。あとは、好き!楽しい!という気持ちです。気持ちというのは、とことん人によります。感情は想起する(思いだす・思い浮かべる)ことはできても、自分に、ましてや相手に、命令・強要することはできません。

心理学者のEdward Deci氏とRichard Ryan氏によって開発された、人間のモチベーションのセオリーであるSelf Determination Theory(自己決定理論)をご紹介させてください。

http://selfdeterminationtheory.org/

モチベーションには6つの段階があり、左の3つはコントロールによる動機付け、右の3つは自発的な動機付けで、右に行くにつれて内発的なモチベーションとなります。

簡単にまとめると、左から順に下記の通りです。

動機付けゼロ、価値がない
外発的規制、やればご褒美がもらえる、やらないと罰を受ける
他者から認められるために、エゴのためにやる
自分に必要だからやる、価値があるはずだからやる
私はこれをやる人なのだ、これが私のミッションなのだ
とにかく楽しい!ワクワクする!うっとりする・満足する!

グリーンに近づくほど、感情のエネルギーをたっぷり活用でき、情熱が、モチベーションが、より長く持続します。そしてエネルギーが高いので、周囲にも良い影響を与えやすくなります。

右側3つのモチベーションが湧き出る何かを見つけたら、自分のスタイルであり才能であるHOWが発揮されるように、丁寧に工夫をして環境を整えること。あるいは、いつでも才能を発揮できるように、自分のHOWに合った環境に自分を置いてあげることで、出会ったことが自然と花開いていくかもしれません。

自分のスタイルが守られて、安心して冒険できる場を

タイトルでは「才能を伸ばす」と書きましたが、才能は「活かす」の方がしっくりきますね。自分のHOWをいかんなく発揮することが許され、安心して冒険できることで、あなただからこその才能を自分にも周囲のためにも活用できるのだと思います。

新年最初のコラム、お読みくださりありがとうございました。お子さんの、生徒さんの、みなさん自身のどんな才能を活かしていく2022年としましょうか?みなさんの2022年が、やさしくおおらかで、のびのびとしたものとなるよう、DAIJOUBUはいつでも場を継続しながら祈っています。


心と頭のヨガの時間に

第2金曜21時~
第3火曜11時~・第4金曜19時~
第3火曜10時~・第4金曜21時~
定期クラスにお得に参加

私にとってEQ・セルフサイエンスの時間は「心と頭のヨガのよう」です。すごく疲れていても、なんだか整理されてすっきりする力が、DAIJOUBUのクラスにはあります。ファシリテーターによって個性が出るのに、誰がファシリテーターの日も違った楽しみがある、DAIJOUBUの開催するクラスはどれも自慢のクラスです。

時々気になるトピックに参加するのでも、とってもお得に参加頂けるアレンジャーズとなり参加できる時にいつでもお気軽に参加いただくのでも、私たちはいつでもお待ちしています。

今年も「すべての子どもたちに だいじょうぶ な世界を」という私たちのミッションをブラさずに、私たちの だいじょうぶ も大切にしながら、コツコツと届けていければと思います。2022年も何卒よろしくお願い申し上げます。

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