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一人ひとりが活きる個性の捉え方

数年前からでしょうか…。
『みんなちがって、みんないい』という言葉をよく目や耳にします。
これは金子みすゞさんの有名な詩の一節ですが、100年以上の時が流れ、現在では、
この詩で言わんとする奥深さが欠けてしまい、表面的な言葉として、用いられている気がするのです。
それは、特に日本の教育においては、【みんなちがっていい…】と言いながら、最終的に、
【みんなに合わせる】【みんなに迷惑をかけない】という、型にはめ込もうとする
【みんな】が主語になりがちだからです。

オーストラリアの学童生との交流から


私は、横浜市にある英会話スクールに併設された学童保育のスタッフです。
先日、当校で開催した、サマーイベンでは、オーストラリアの学童との交流がありました。
このプログラムは、異文化に触れる機会でありましたが、
異文化以前に、国は違っても同じ地球に住む、同じ感情を持つ人間であるという前提がありました。
お互いにどのようなことが同じなのか?について、共有し合い、その後、どのような違いがあるのかに繋げて
いきました。
ZOOMを通して、初めて出会う子どもたちでしたが、まず、お互いに自分の好きなことを紹介し合う
ことからスタートし、ここで、興味深い一コマがありました。
オーストラリアの子どもたちは、”なぜそれが好きなのか“という意図を含めて、発言していたのです。
《なぜ好きか?》の意図の部分に触れられると、途端に困惑してしまう日本の子ども達。

同じ年代の子ども達でしたが、この違いは、何であろうかと考えてしまいました。

個性を大切にするオーストラリアでは、幼いころから、『個』を意識した関わりがおこなわれています。
特に初等教育では、自分の好みや、物ごとに対する得意不得意が明確に表れるようになってくる
初等教育4年目の小学3年生から、選択授業や希望制の特別授業が始まるそうです。
代表的な選択授業である体育では、一般体育のほかに集中して取り組みたいスポーツを一つ選ぶことが
可能になります。また希望制の特別授業では、コンピュータープログラミングや外国語、
楽器のクラス、絵画のクラスなどを選択することができ、興味の拡大や、秘めた能力の開花に向けた
支援が行われています。

幼いうちから選択肢を多く設け、大人は、子どもが興味を持ちそうなものを準備するが、
選ぶのは子どもたちというスタンスを大切にしていることを聞きました。
このように選択肢が多く与えられることにより、自分の意図が、意思を持った選択に繋がること。
その結果、責任を持つという学びにも発展すること、自分に合うものをいち早く見つけ出すことで、
幼いうちから、一人ひとりの個性が磨き上げられteることを知りました。

個性は長所や美点だけではない


保育士として、子どもと関わるときに、
『一人ひとりの個性を大切にしたい』その為に、その子どもを様々な角度から見て、
良い部分を探すこと、更に長所を認めたり褒めたりすることで、子どもの成長に寄与していると
思っていました。
しかし、保育や子育ての本質からすると、この理解では足りないことを娘の子育てを通して
感じました。

娘の成長過程では、どうにもならない領域があります。
しかし、このどうにもならない領域を【できていない部分】として評価をするあまり、
【どうしたら、良くなるのか?】【良くしてあげなければ】と必死に良くなる手段を探し、
悪戦苦闘していたのです。
そのような関わりを続けたある日、声も出さずに、目に大粒の涙を溜めた娘の姿がありました。

この時、娘の将来の為…と思いながら、実は、私自身が周りからどのように見られているかが
一番気になっていたことに気付かされました。

娘が何かに取り組む時に、確かにやろうとする意欲が存在していたはずなのに、私自身が、評価の部分に
目を奪われていたのです。
本来、子どもの成長は、『できるか、できないか』だけではありません。
娘の内側に潜在する、生まれ持った力を丁寧に見定めることが必要だったのです。

個性は、長所や美点の裏側にある、苦手な部分や弱さを伴う部分があってこその輝きであり、
個性を尊重するとは、こうした子ども自身のありのままを受け止めてあげること。
これが、娘の子育てから得た学びでした。

個性をどのように捉えるか


個性をどのように捉えていくか、一人ひとりの個性を大切にするためには、まず自分自身
のありのままを自分で受け止めてあげることが必要になります。
無条件で、受け止めることにより、今まで気づかなかった、あるいは気付けなかった自分との出会いがあります。
そして、自分の長所・短所だと感じていた内容が、全て自分自身であることが明確になると、長所・短所の線引きがなくなり、全てがその人の個性になるのかもしれません。
これは、セルフサイエンスの学びの継続から得られた、私なりの答えです。

DAIJOUBUでは、自分で答えを見つけていく、セルフサイエンスのクラスを定期的に開催しています。
単なるHow toでなく、いかに本質を捉えていくか…これは私にとって楽しみでもあり、
面白さでもあります。
ご興味のある方は、ぜひDAIJOUBUのHP・イベント情報をご覧ください








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