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EQを活用するのに大切な2つのDONTS!

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EQとは何かご存知でしょうか?感情知能・心の知能指数のことですが、いやはや「感情知能・心の知能指数」っていったい何でしょう・・?

感情知能EQとは?

私自身が個人的に最近答えるのは「感情を活かす力」です。EQと出会ったばかりの頃、「感情を活かすってことは、わがままな人になるってことでしょ?」と言われたことがありました。その時は「いや、そうではなくて、」の先を言葉にできなくて悲しかった思い出があるのですが、感情を意図を持って活かそうとすると、感情をただ野放しにはしません。感情を活かそうという意思があるとき、感情の特徴を知ろうとし、活かそうとする脳の力必要になります。子どもたちには「自分の心と頭を仲良しにする力」と言うとすっと伝わることが多いです。

では私個人でなく、EQの世界でEQはどんな力だと説明されているのか、3つご紹介しましょう。


「EQこころの知能指数」著者:ダニエル・ゴールマン

EQを世界で一番最初に本にまとめたジャーナリストであるダニエル・ゴールマン著『EQ~こころの知能指数』では5つの力で説明しています。

①自分が情動を認知する、②自分の感情を制御する、③自分への動機付け、④他者の感情の認識、⑤人間関係に取り組む
『EQ~こころの知能指数』ダニエル・ゴールマン


世界最大のEQネットワーク Six Seconds

私が長い間所属し、今年からグローバルプログラムのコーディネーターを務めているSix SecondsというEQの世界最大のグローバルネットワークでは、Six Seconds EQモデルという3つのステップです。

①Know Yourself; 自分を・感情を知る、②Choose Yourself; 解釈や言動を選択する、③Give Yourself; 自分を・感情を活かす


EQとEquityを体感して学べるDAIJOUBU

すべての子どもたちに だいじょうぶ な世界を、というミッションでEQとEquity(公平性)を体感しながら体得できる私たちDAIJOUBUは、Six SecondsのEQにインスパイアを受けながら、『橋を架ける』と説明しています。


どれも正解ですので、一番しっくりする解釈を好んでいただければOKです。

「偽物の楽観主義(フェイク・オプティミズム)」から見つめる感情活用

昨年秋に第3子を出産してしばらくクラスの担当からは抜けていたのですが、3月末、久しぶりに心理的安全な哲学対話の場である定期クラス「tea time」を担当しました。そこで取り扱ったのは「偽物の楽観主義」です。今年の頭に、感情を活用した目標設定『CLEAR目標』に関する記事を書いた際に、誤った・から回ったEQの使い方についてインスピレーションを受け調べ見つけました。英語ではtoxic optimism/false optimismという表現で使われていますが、日本語にするときに一番わかりやすいと思ったfakeをつかって「フェイク・オプティミズム」と私がネーミング。偽物の楽観主義:フェイク・オプティミズムとは、すなわち・・・

全然大丈夫♬と言いながら、だら~~~~っと溶けてなくなっていく、、、。

フェイク・オプティミズムには2種類あり、①いや大丈夫じゃないじゃん!という本来の状況完全に置き去りの楽観のことと、②相手の気持ちを置き去りにして「大丈夫だよ!」などと投げかける暴力的な楽観、です。①か②のシーン、思い当たる出来事はありますか?

自分の発揮した「楽観」は、フェイクだったのか――

毎回DAIJOUBUのクラスでは冒頭にエモーショナル・チェックインを行っています。この日、冒頭のチェックインでは「最近楽観していること」をシェアしてもらい、その後でフェイク・オプティミズムを簡単に説明してから、果たして自分が紹介した自分の最近の楽観はフェイクかどうか、というのを考えてもらいました。みなさんと探求したかった3つの問いを順に投げかけ、ブレイクアウトルームで数分間じっくり話していただき、全体の場でシェアしていただくのを複数回行っていった中で、「楽観」そのものの概念をいろんな角度や距離から見つめました。

  • 楽観していることなんて1つもない!
  • 子どもの未来については楽観している、根拠はない・・・これってフェイクってこと?
  • 楽観くらいしておかないとやっていけないと感じる
  • ほぼ全員が悲観していた時、上司が一人だけ楽観していた。その時は自分たちの気持ちが置き去りにされた気がしたけれど、結果的には上司の言うとおりになったことがある。最初はフェイクだったのか、その上司の経験から来る予測だったのか
  • 本当に大丈夫か?という気持ちが出てきやすい
  • いろいろなことはあるけれど、これまでの人生の経験から、結局最後はだいじょうぶになると思っている
  • 全然大丈夫じゃないのに一秒も寄り添うことなしに「大丈夫だよー!」と言われて悲しかった

これまでに自分が投げかけられたフェイク・オプティミズムを共有して下さる方もいて、対話ががどんどん広がったりわからなくなったりしながら、2つのことが明らかになったように思います。

DONTS 1 : 気持ちの置き去りはダメ!

自分の気持ちも、相手の気持ちも、置き去りにしながら発揮されたオプティミズムは、フェイクです。

自分と楽観がしっかりとひとつになっているとき、それはフェイクではなく、自分の内側からの力になるのではないでしょうか?逆に、自分の本当の気持ちを見つめたり慰めたりせず、すなわち「活用せず、無視をして」楽観を無理やり発揮すると疲れやすかったり長続きしなかったり、人のせいにしたくなったり、しませんか?

相手の境遇やそれまでの過程、いまの状況を鑑みずにとりあえず発する「大丈夫」は、暴力になることもあります。

自分の気持ちにも、相手の気持ちにも、想像力を働かせる。想像力を働かせる、というのがまた曖昧で、人によって解釈も異なるので、私はよく「自分が透明になって、その人の体に入って世界を見てみる」のを提案します。私も自分自身の他者への想像力・共感力が使い切れていないときに、この【その人の体に入って世界を見る作戦】を意識をするようにしています。まだ小さかった息子に大きな声で怒鳴ってしまったときの息子のハッと驚いた顔が心に残って、息子の小さな体に入って私の方を見上げるのを想像したとき、すごく怖かったのを覚えています・・(反省)

話が少し逸れましたが、気持ちの置き去りがあって発揮された楽観は、フェイク・オプティミズムであることが多いです。自分と相手の気持ちをキャッチしようと試みて、自分の感情と自分自身が一つになる感覚、をぜひ味わって真のオプティミズムの発揮に挑戦してみて欲しいです。

DONTS 2 : 単純な【良いor悪い】に結びつけるジャッジメントはダメ!

今回も対話を重ねる中で「フェイク・オプティミズムは、いつも本当に完全に悪者なのか?」という疑問が参加者から上がってきました。

感情自体、日本の社会規範といいますか、カルチャーの中では「厄介なもの」「プライベートのもの」「蓋するべきもの」という印象があるように思います。DAIJOUBUのクラスに参加くださる方々は、EQや感情、セルフサイエンスの力を信じている方が多いのでその問いはとうにクリアしていますが、生まれ育ってきた考え方・感じ方のくせで、「ネガティブな感情は悪いもの」という観念・解釈を持つ人は少なくなりません。私自身もその一人でした。EQを学び始めた最初の半年は、自分の気持ちがわかりたいのにわからなくてよく泣いていて笑、気が付いたのは『誰かに向けて怒りなんて感情を持ってはいけない』といったルールを自分の中にたくさん持っていたことでした。このあたりは感情リテラシーというテーマだけでコラムが書けそうなので、また後日に。

素直に「フェイク・オプティミズム」と聞くと、「オプティミズム」が好印象なだけに、悪いものであるという印象を簡単に持ててしまいそうです。以前完璧主義をテーマにしたセルフサイエンスクラスをしたときもそうでした。良い悪い、という単純なジャッジメントを、感情にまつわることにおいてはしたくないなと思います。感情は情報であり、エネルギーだからです。根拠はないけど絶対にやってやる🔥というのはフェイク・オプティミズムではないでしょう。あるいは、その時点ではそうだったとしても、そう意気込むことによって脳がそのように解釈して、本当に結果的に大丈夫になる、ということもあるでしょう。きっとそういう経験のある方は少なくないはずです。

[EQを使う ≒ 感情を活用する]ために、今日から何にトライしてみますか?

EQとは、感情を活用すること。感情を活用するこのEQは、感情が私たちの元にいつもあるので、いつでも意識を向け、磨くことができます。このコラムを読んで、何にトライしてみたいと思いますか?

他の方の回答はこちらをクリックしてご覧ください。私自身は、最近いまいちできていない『自分の本当の気持ちとひとつになる』を心掛けるために、朝の支度を10分早く終わらせて、上の2人の子どもたちに赤ちゃんを10分見てもらい、ストレッチと瞑想をして自分の体と心を内観したいと思います。明日朝早速子どもたちに協力を願い出ようと思います♬

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