親と子、一緒に学んで育っていく
「小学校3年の2月から塾に通わないと、中学受験に間に合わない」
世間ではそんなことが言われているらしい。上の子は公立中学に進んだので、私自身は最近初めて聞きました。
たまたま、下の子が今まさにその時期で、学童の同学年の友達が揃って学童を卒業し塾に通うことになったり、塾に行き始めるお友達が少しずつでてきたのを息子から聞いて知りました。
進路や中学受験については何も考えていなかったのですが、その話を聞いて、もう進路を考えないといけない年齢なのかということに、じわじわと動揺している自分がいました。
子どもがよく「〇〇ちゃんがゲーム買ってもらった」「〇〇くんは△△ができるけどボクはできない」などと友達と比較した話をするたび、
「人は人、うちはうちだよ」
と伝えていたのに、周りが塾に行き始めたと聞くと自分の中で「人は人、うちはうち」とはいかず、無意識に塾の広告に目がいったり、焦る気持ちがでたり。
塾に行かせる行かせない、いつからがいい・わるい、正しい間違いということでなく、どの親も、わが子の幸せや未来を思っての選択であり、それは私も同じ。息子にあったよりよい環境で過ごせることを考え選択しようとするのはごく自然のこと。さらに、最近は昔に比べて情報も選択肢も溢れているからこその難しさもあり、迷ったり悩んだりすることは当然とは思いつつ、でも、「周りが行きだしてるから、小3の2月になったから・・」という理由で選択することに少し違和感があり、今も悩んだまま。
先日DAIJOUBUで、米国シナプススクールで先生をされているKeikoさんをお迎えして「SELの学校をつくるなら」というテーマでイベントを開催しました。(開催報告もぜひコチラからお読みください。)
日本各地はもとより海外各国にお住まいの自らも親である教育関係者の方々の参加もあって、それぞれの国や立場からみる「学校」「教育」「日本の教育」について、日常では触れる機会がなかなかない視点のお話や経験談を伺うことができました。
対話をすすめる中で、海外からみて、日本の教育も悪いことばかりでなく”日本の教育のよさ”があること、昔に比べて選択肢の幅が多様化しひろがってること、そして、「どこであっても”完璧”な学校などない」という話が出ました。海外の教育が進んでいそうでよくみえて、日本の教育や環境の悪い面ばかりに目が行って悲観的だった私にとっては「なるほどなあ・・」とまさに目からうろこでした。
最近、DAIJOUBUのコラムなどでもよく話題にあがる
「自分で決める」「自分の軸をもつ」
が、学校や進路選びにもとても大切であるという話がやはり今回もでました。
自身も就活中の学生にそのようにアドバイスする立場であるものの、いざ自分(というよりわが子)のことになるとついつい周りの動向が気になったり、〇〇さんとこのお子さんは”ええとこ(=有名な学校・会社)”いかはった、進んでる遅れてるなどと動揺してしまう。
「自分で決める」「自分の軸をもつ」
って大切なことは十分わかっているけど、実際は難しいよなあと。
イベントの対話の中で、そんな今の状況や心のうちをお話させてもらいました。
すると、皆さんとても共感してくださり、教育のプロの方でさえも、わが子の進路になると右往左往してると。そしてこんな話をしてくださったことがとても心に残りました。
「子ども自身が日々を納得して過ごすことが大切」
「子どもの”嗅覚”を信じる。見逃さない」
まだ10歳にもならない子どもだから自分の進路なんか決められない、塾行く行かないの判断も難しいから大人が導いて(決めて)やらないと・・ではなく、たった10年でなく、10年であったとしても、その10年の「自分」を生きてきたその子の経験の中での”その子自身の感覚や湧いてきた感情”を尊重する、ことなのかな、つまり、その子自身のEQを大切にすることがやはり大事なのだとあらためて再確認できた瞬間でした。
4月から4年生、学童から来年度の更新の確認がきたので、本人に聞いてみました。
「塾のこと自体は今はよくわからんけど、”ボクは”4年生も学童に行きたい。学童にはまだ(他校の)おんなじ学年の子もいるし、4年はリーダーもやらなあかんし、いろんなことができて楽しいから」
と、親の迷いをよそに、すでに「”ボクが”自分で決めていた」ので、来年度の過ごし方についてはそれを尊重することで決まりました。
DAIJOUBUがはじまって、2年程、毎月欠かさず開催している子ども向けEQワーク「POP-UPフェスティバル」に毎月参加したり、子ども向けEQコーチングを受けたおかげもあってか、快不快両方の感情をとても素直に話してくれるようになったり、その気持ちを大切にしながら自分で決めることができるようになっている息子をすごいなと思いながら、あーこういうことでいいんだなと。
”尊重すること”を親として決める、つまり「親としての自分の軸をもつこと」について、今回の出来事を通しても体感することができました。上の子育てが終わっていて経験があっても、時代や環境も違う、子も違う、そして自分自身の受け止め方も違うので、それぞれからまだまだ学ぶことはたくさん。
たとえ、同じことであってもいろんな切り口や表現から知ること、学ぶこと、確認できること、それは同じことを繰り返して進歩がないようにみえるかもですが、私自身はそのたびに「納得」したり「腑に落ちる」ことができて、より体の中にしっかり浸透していく感じがしてとても大切な機会になっています。
大人だから子どもに”教え”ないといけない、”導いて”やらないといけない、ではなく、大人だって迷い、悩み、焦り、失敗することもあることを子どもに伝え、間違えたら素直に謝り、同じ目線で、一緒に学んでいくこと、一緒に人として育っていくこと、親子で一緒にEQを学び続けることをこれからも大切にしていきたいと思います。
DAIJOUBUには、日本だけでなく、海外の様々な国で子育てをする方々も関わってくださり、その輪やネットワークがどんどんひろがっています。英語まるっきりダメ、海外経験がなく、海外や英語に対してコンプレックスだらけの私ですが、だからこそ、いろんな角度からの視点や経験、話が聞く機会がいただけることが新鮮で、この年になってもそういう機会がいただけることに日々とても喜びを感じています。
ぜひ、日本で子育てをする1人でも多くの親御さんにもご参加いただきたいです。
皆さんのご参加、いつでもお待ちしております。
長年、企業人事や就活支援に従事。
社会人と小学生14歳差兄弟の母。
すべての若い人達や子ども達が生きやすい社会になるように
EQを中心にこれまでの知識経験を活かし活動中。