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EQがもたらすソーシャルインパクト:子どもからリーダー、ビジネスに寄与する4つの効果

感情知能EQのグローバルコミュニティSix SecondsのPOP-UP Festivalというプロジェクトをずっと担当していたのですが、年末に昇進の機会をいただいて、この度北米オフィスの認定事業マネージャーと、グローバルオフィスのソーシャルインパクト・プロジェクトマネージャーとして仕事を始めました。(link to bio)

Six Secondsのカルチャーの真骨頂といえるEQ Cafeというプログラムがあります。それは全世界でEQプラクティショナー(EQの実践者)という資格を取った人で、かつSix Secondsの『10億人がEQを活用して生きている世界を目指して』というビジョンに共感しボランティアで活動をすると決めた人だけがなれるNetwork Leaderが開催する無料のEQプログラムで、年に3つのテーマのEQカフェが全世界で、様々な言語で開催されてきました。(日本オフィスはEQカフェ・Network Leadersの取り組みに参画していません)

実は私も2019年からアメリカのNetwork Leaderの一人として活動してきていたのですが、この度の昇進で、このNetwork Leaderプログラムのグローバルコーディネーターを担うことになりました。ここ1か月、全世界のオフィス(ヨーロッパ、イタリア、中東・アフリカ・インド、APAC、中国、ラテンアメリカ、そして北米からは私自身が兼務)のコーディネーターで、EQはビジネス、教育、子育て、どのジャンルで取り組まれても、必ずソーシャルインパクトにつながっている、という前提でEQ Network Leadersに何ができるのかを話し合ってきました。

今日はその中で見えてきた、EQがもたらす4つのソーシャルインパクト(ソーシャルグッド)の側面について触れてみたいと思います。

[1] 子どものウェルビーイング

EQは、子どものウェルビーイングにポジティブなインパクトをもたらします。

そもそもまず、ウェルビーイングとは何でしょう?New York Timesの解釈を引用すると、

ウェルビーイング(Well-being)とは、単なる一時的な「幸福感」や身体的な「健康」といった意味を超えて、個人の身体的・精神的・感情的、そして社会的な健やかさの複雑な組み合わせのこと。またこの概念で、社会が個人のウェルビーイングを妨げる場合、社会的ウェルビーイングが機能不全になっていると解釈できる。

みなさんのウェルビーイングはどうですか?満たされているでしょうか?そうでない場合、何がその妨げになっていますか?

EQとは、自分の心と頭を大親友にし、どちらの声も聞きながら、先行き不透明で正解のわかりにくい時代を心地よく、自分も周りも大切にして生きる力のこと

EQを育んでいくことで、【日々のアップダウンに対処ができる・双方に有益なコミュニケーションが取れる・創造的な問題解決ができる・日々のたくさんの意思決定に意図的になる・意図を持って生き、自分の未来に責任を持つ・結果的に、心身健康になり学力も向上する】と、Six Seconds会長であるアナベル・ジェンセンがまとめています。

ではどうやって子どものEQを育めばよいのかー?

1つは、定期的にEQタイムをつくること。親子でやるEQタイムはとっても楽しいです。もし何か資料が必要な場合は、ぜひPOP-UP Festivalを活用してください。日本語訳された50以上のEQアクティビティに無料でアクセスできます。

またDAIJOUBUでは自分図鑑 powered by POP-UP Festivalという時間を毎月1回無料で開催しています。3歳から大人まで幅広く参加いただいて開催していて、小さなお子さんもこの時間を楽しみに日々一生懸命がんばっている小学生さんもいます。自分図鑑に参加の際は必ずカメラオンでご参加ください!

子どもが取り組んでEQを育むことでウェルビーイングが育まれる、というのは習い事のようにもっともらしい方法に思いますが、実はもっとパワフルで効果的方法があります。それは、大人が「子どもの方がEQが高い」という科学的事実を知って受け入れることです。

[2] 大人のメンタルヘルス・ウェルビーイング

Six Secondsは毎年、EQ検査のデータをもとにState of Heartというレポートを出しています。Six Secondsのデータによると、子どもほどEQが高く、高校卒業のころに向けて徐々に低下していき、特に日本人のデータでは大学生と大学卒業後の会社員のスコアの間に著しい差があり、会社員の方が低くなる傾向が見られています。

Network Leaderコーディネーターの活動の中でこんな言葉に出会いました。

The greatest gift you can give your children is to heal yourself.
自分の子どもにあげられる一番の贈り物は、自分を癒すこと

自分のメンタルヘルス・ウェルビーイングに自覚的で、メンテナンスするために取り組んでいる大人に囲まれた子どもたちは、それだけで自然と安心して自分の力を信じて育っていけるはずです。

EQは教えるものでなく、その人の内側にある力を信じてエンパワーすること。日本では感情の会話が他国と比べてもとてもタブー視されてきました。また年功序列や男女のしきたり、上の立場にいる人が正解を持っていて、それをまずは従わなければいけないという社会規範も相まって、自分の中に力があると信じるのがとても難しい社会でもあります。大人がEQ(従来型でなく、変革型EQ)に取り組むことで、自分で人生の手綱を握っている感覚;自己効力感を育むことができ、自分の中の大丈夫感を膨らませることにつながり、自分のメンタルヘルス・ウェルビーイングに大きな違いが生まれます。起こったことを受け止め・意図的に・自分で対処する、この積み重ねにより得られる自分で自分の人生を生きている感覚は、EQの日々の発揮によるものです。

DAIJOUBUでは大人が気軽に定期的に、ジムやヨガに通うような感覚で参加できるEQタイムを毎月開催しています。定期クラスと呼んでいる時間は、テーマについて自分を深く探求し科学する「大人のためのセルフサイエンスクラス」、テーマについて心理的安全な場で対話をする「DAIJOUBU tea time」、ファシリテーターがお題にした本の一部や解釈についてみんなで語る・読まずに参加してOKなブッククラブ「DAIJOUBU book club」の3種類です。(イベント情報はこちら

[3] リーダーの振る舞いと、長期的で本質に根差した意思決定

感情は高いところから低いところへ、大きいところから小さいところへ、影響を与えます。それは職場ではもちろん、教室でも、家庭でも、同じ原理です。リーダーの在り方、意思決定だけでなく、醸し出す空気感も含め、コミュニティに与える影響は計り知れません。リーダーがEQを学ぶことで、自分の言動や空気感の与えるインパクトに意識的になり、まずチームの雰囲気や風土に影響を与えます。そして、EQの高いリーダーは、数値的データだけで意思決定を行いません。自分の決定がもたらすメンバーへの心理的な影響、長期的なインパクトを考慮します。短期的な解決は往々にして、誰かの気持ちを犠牲にしたり、無視したりしていることがあります。ひろ先生のコラムで誰もが過ごしやすい空間(教室)の実現に対話が欠かせないことの理由が記されていましたが、EQの高いリーダーは、前に進むときに力づくでなく、対話の時間を設けたり、全体の場で意見を言わなかった人・不安そうな表情をしていた人を見逃しません。個別に声をかけたり、そういった人の意見も参加できるような仕組みやアプローチを最初から考えたりします。

EQによって、リーダーの振る舞いが変わることはもちろん、そのおかげで、より誰もが置いてきぼりにならない風土を作っていくことになります。これはDEIB(ダイバーシティ・公平性・インクルーシブ・居場所感)の観点でも最も本質的で大切なことです。

[4] おまけ:EQはビジネスに経済的な利益も

ビジネスはどんな規模であれ、ソーシャルインパクトがあります。20年以上語られている社会的責任(CSR)はだからこそ取り組まれなければならない、大企業であればあるほどそれに自覚的に取り組まなければならない、という認識が共有されてきました。しかし私の住むアメリカではここ数週間、現大統領によってDEIBの廃止どころか禁止が謳われ、DEIBに取り組むと連邦政府から訴えられ、多額の罰金を支払わなければならないと言われており、GoogleやFacebookをはじめとする巨大企業さえもDEIBを中止し始めました。話が逸れましたが・・

そんな社会的によいとされることの方向性さえ問われるような時代に、企業が健康的に繁栄していくための”ei-ai”を軸にしたトレーニングに取り組む企業も増えてきました。Six Secondsの仕事で大企業のエグゼグティブ(マネージャー・ディレクター)向けのEQコーチと研修を担当していますが、企業が従業員に本質的なEQトレーニングおよびEQサポートを取り入れることによって、従業員が「自分は個人として大切にされている」という実感が生まれること、EQトレーニング・サポートを受けている社員の周りにいるメンバーの士気、チームの風土・活気にポジティブな影響があることが明らかになっています。EQは、ルールやテキスト、ビデオ学習でマスターできるものでも活用されるものでもなく、ある一人の影響力のある人の日頃の振る舞いによって周りに伝播し、その効果がモチベーションやコミットメントを変化させ、数字的な結果につながっていきます。EQトレーニング・サポートを1年間取り入れた会社はパフォーマンスが22倍上がり、業績が前年度の10%以上アップしたというデータもあります(http://6sec.org/eiai レポートより)。

DAIJOUBUはすべての子どもたちにだいじょうぶな世界を届けるために活動しています。EQ検査を取り入れた本格的なEQコーチ・EQワークショップなどの企業向け・組織向けサービスも行っているので、ご興味あればぜひお問い合わせください。

自分のため、家族のためを超えるEQ

2016年にEQに出会い、これまで夢中になって学んできましたが、私の当初のきっかけは自分のためでした。2020年、DAIJOUBU設立当初に最初に書いたコラムで触れていますが、病気で死の淵をさまよった後、どうしたらいつでも自分らしく生きられるのか、知りたくて仕方なかった。自分のために取り組み始めたEQがいつの間にか我が子たちのためになっていて、信じて続けてきている活動が輪を広げ自分を超えて、コミュニティを支え、そのコミュニティの向こう側にいる人の人生をサポートしている。EQの持つ社会的インパクトを、アメリカでもグローバルでも日本でも、これからも広げていく一人でありたいと思っています。

EQ・セルフサイエンス・SELに関するご質問や、トレーニングのご相談があればいつでもお問い合わせください。

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