流れに”意図的に”乗る
我が家は、親子ともに野球観戦が好きで、試合もニュースもよくチェックをしています。
今の時期は、オフシーズンにはいって契約更改、ドラフト、入退団、移籍など人の動きやキャリアが話題になる時期。選手や監督の動向が連日ニュースになっていますが、今回、阪神タイガースの監督に就任した藤川監督の会見を子どもと一緒に見た際、繰り返し使われてた言葉が印象的で、そのことについて書こうと思います。
すべては「流れ」
その言葉というのは「流れ」
監督に打診され就任するまでの自身の気持ちや考えを聞かれた時に何度か登場していました。
使われた言葉をざっくり抜き出してみるとこんな風です。
・すべて流れ
・自然にそうなった
・すべて必然
・どの道を選んでも自分の中で正解にできる。
これらの言葉を使いながら、選手時代から縁のあった前任監督から自分がバトンを受け取ったことも、タイミング的に流れでそうなったと思ってるから違和感もないし、外野の声も気にならないし、どちらにしても自分は大丈夫。
ざっくりとそんな話をされていました。(全文みたい方は、阪神タイガース公式サイトをご覧ください。)
計画された偶然
会見をみながら、スタンフォード大学のクランボルツ教授提唱の「プランド・ハプンスタンスセオリー」というキャリア形成理論を思い出しました。キャリアに関する理論がたくさんある中で、私が一番好きな理論で、日本では「計画された偶然」「計画的偶発性」などと言われていて「個人のキャリアは8割は偶然の出来事に左右される。 偶然を前向きに活用していくほうがキャリアアップにつながる」というもの。
私自身、過去から、仕事上で、こうなりたい!と強く思ったり、目標を持ったタイミングで、いつも、出産や育児、介護などのライフイベントが重なり、断念・方向転換をせざるを得ず、「どうせ将来の計画をたててもその通りになんかいかない」とモヤモヤした経験が多々あり、そのたびに、この理論を思い出すようにしていました。
一緒に会見を真剣に見ていた子どもですが、彼は小学6年生、ちょうど節目の年。
これまでのこと、これからの進路のことを考えたり、これまではうまくいってたことがいかなくなったり、新しいことを経験したり、迷いや悩みが出るようになり、日々の中で大きく揺れているタイミングでした。
「「どの道を選んでも自分の中で正解にできる」ってすごいな」
「決めたことを自分でいい風にしていけばいいんやな」
彼なりに監督の言葉を受け止め感じたことをこんな風に話してくれました。
(大好きな球団の監督の話はすんなり入る模様…笑)
これから先の進路選択や、自分の世界がどんどんひろがっていくことやこれからの友人・人間関係に迷いや不安があり、それがゼロになることはありませんが、「そっか、これも流れなんだな」「その流れの中で自分でうまいこと泳げるようにすればいいんだな」と思えることで、少し気持ちが楽になる感じがするよねと話しながら、子どもも私も何か肩の力がふわっと抜けた気がしました。これから小学校を卒業し、中学生になり新しい世界に飛び出していくことに対しての不安も親も子も軽くなったように思います。
藤川監督も選手時代、日本のプロ野球や独立リーグ、米国メジャーも経験、引退後はYouTuberや解説者、評論家、球団サポートなど、様々な分野にトライ、経験を積み上げてきています。その間、様々な人や縁と繋がってきて、自分で選択・決断して少しずつ自信がついてきたと話されてましたが、彼自身が機会を自分で生み出し、選択・決断し、経験を積み上げ糧にし、それを意図的にやってきたからこそ、今に至るここまでが「すべて自然の流れ」だと語れるのかなと思います。
「自然の流れ」といっても、ただ周りや状況に流されるということでなく、自分の手や足を動かし、行きたい方向にどのスピードで泳いでいくか、そのためには、どのように手足を動かせばよいか、息継ぎをどのようにすれば楽にすすめるか、自分の体や心の状態に意識を向けておく必要があります。そして実際に動かすためにはどうしたらよいかを考える。私たちが学び続けているEQ(=感情を活用する力)について、車の運転に例えることがありますが、それと同じで、流れに意図的に乗っていくためには、自分の状態に意識を向け観察し、知ることがまず最初に必要なこととなります。
私たちDAIJOUBUでは「自分自身の特徴や状態をよく知る、自分だからこその生き方を検討することを、自分を科学する『セルフサイエンス』と呼び、これがEQを育む学び」を継続的に実施しています(詳しくはこちら「感情やEQに関心のある方へ」をご参照)。発足5年目になりますが、主催側、受講側とわけることなく、全員それぞれの個自体を大切にしながら、毎月定期的に開催しているクラスの中で、そして日常の繋がりの中で学び続けています。実際にクラスの学びあう様子がかかれたレポートコラムも一部ですがぜひご覧ください。(2023.4.21_セルフサイエンスはスキル開発だ!初めてのクラスファシリテートを終えて思うこと)
必要な5つのスキル
「プランドハプンスタンスセオリー」の中で、偶然の出来事を前向きに活用していくために、ただ受け身で出来事が起こるのを待つのではなく、自ら積極的に動くことで機会を増やすことができるとあり、またそのために必要な5つのスキルとして、以下があげられています。監督もこれらの力を活用して自分で機会を生み出し、新たなキャリアを築いていこうとされているのでしょう。
①好奇心(Curiosity)
②持続性(Persistence)
③楽観性(Optimism)
④柔軟性(Flexibility)
⑤冒険心(Risk Taking)
流れに意図的に乗るために・・自分で手綱を握るために・・
EQを使っている人ほど、自分の人生の多様な波の中で、自分で手綱を握ることができるようになるといわれており、つまり、意図的に波に乗っていくためには、EQをいかに活用していくかということになります。この5つのスキルも含めて、自分の中からわきあがってくるものや自分が持っているものをどう育みどう活用していくかについて、なかなか自分ひとりだけでは難しい部分がありますが、皆で共に学びあうことで気づけることがあります。また、DAIJOUBUでは、自分の中にあるものを普段どのように活用しているかについて、その時の自分の状態をスナップショットとして可視化できるツール「ブレインスタイルレポート」「SEIリーダーシップレポート」というEQ検査を用いたワークショップも提供しています。(検査受検は18歳以上)
自分で手綱を握って進んでいくために、意図的に流れに乗っていくために、自分の選択を正解にし大丈夫と思える納得感のある毎日を過ごしていくために、
「今の自分や自分の状態を知る」ためのツールとしてのEQ検査は大変有効な方法だと思います。(私たちも定期的に受検して自分の状態を確認しています。)
個人でもグループでも組織でも対応可能です。
ご興味ある方はぜひこちらをご参照ください。
わからないことは、
DAIJOUBUまでお気軽にお問い合わせください。
長年、企業人事や就活支援に従事。
社会人と小学生14歳差兄弟の母。
すべての若い人達や子ども達が生きやすい社会になるように
EQを中心にこれまでの知識経験を活かし活動中。