ひとやすみするためのEQ
先日、息子のピアノの発表会がありました。
うちの発表会では、ステージに子どもがあがると、先生がその子の名前と演目の紹介をして、それぞれの子の普段の様子や先生が感じるその子のよいところを一言コメントとして披露し、演奏に入っていく・・という流れで行われます。先生の一言コメントが、一人ひとりへの愛情いっぱいで、かわいいエピソードが聞けたり、皆が一生懸命頑張ってる様子を伺い知ることができ、演奏もさることながら、毎回とても楽しみにしています。
「ゆっくりしたい・・・」
わが息子の順番がきて、先生の一言コメントが披露されました。
「◯◯くんは、活発なお子さんで、・・(中略)・・先日レッスンの時に、今一番したいことは何?と聞いたら「ゆっくりしたい」と話されて、毎日忙しいんやなーと思って・・(後略)」
会場は、子どもの飾らないエピソードに笑いがおき、なごやかな空気にはなりましたが、私だけは、笑えつつもちょっとだけ複雑な気持ちになりました。
「息子にそんな忙しい思いさせてるのかな」と。
本人は深い意味で言ったのではないようですが、私自身が、子どもの学校や習い事の毎日、そして私自身の忙殺される日常に、「毎日本当にこれでいいのかな」と迷ったり悩んだりしていたので、つい気持ちが揺さぶられてしまったようです。
人生のペース配分
先日、DAIJOUBUが毎月1回開催している「大人のためのセルフサイエンス」に参加した時、自分の人生をマラソンにたとえると・・というワークを体験しました。
『人生を42.195キロとした時、今はどのあたりか、どんなペース配分だったのか』などというものです。キャリアコンサルタントの領域でも人生の出来事をチャートで表す「ライフラインチャート」というワークがあり、就職活動で選考課題の1つとしてこの形式のワークを利用する企業もあります。それと同類の作業で過去に何度もやっているワークでしたが、マラソンに喩える手法が面白かったこと、そしてペース配分については考えたこともなかったのでとても新鮮でした。
「現在30キロ地点、これから終盤にさしかかるところ、これまで完全オーバーペース、(この先大丈夫かな・・もつかな・・)」
が今の私が受け止めてる人生のペース配分。
いつも時間に追われてる、何かしていないと落ち着かない、忙しい何かに巻き込まれている・・・
振り返るとそんな状況しか思い出せず、いつも必死、今もずっと走り続けていて、これはいつまで続くのだろう?・・もしかしたら、私の迷いや感情が息子に伝播し、落ち着かない思いをさせていたのかも。息子の「ゆっくりしたい」発言、実は私の気持ちを代弁してくれていたのかも。と、ワークをしながらハッとさせられました。息子と自分のココロの中から受け取ったメッセージを大切にして、この機会に、少し自分のペース配分を調整しなおそうと考えています。
人生というマラソンを続けている私たち。
自分で走っている以上、この先の距離やペース配分を考えるのも実行するのも自分自身。
それぞれのペースやスピードがあってもよいし、人によってその感じ方も様々。
でも、周りを見渡すと、大人も子どもも皆がとにかく忙しく、何かに追われているような、そんな感じがしています。子どもは学校にお稽古に塾、大人は仕事に家事に子育て。さらに、もっと成長!輝いて!活躍を!競争、勝ち負け、~ねばならない、いつも前向きで”ネガティブ”な感情はダメ、感じる自分はダメな自分・・・など、周囲やみえない何かに追われているような、そんな感覚です。
そして、体調を崩したり、子どもが具合悪くなって仕事や家事を休まなければならなくなった時は「ご迷惑かけてすみません」「お休みして申し訳ありません」
もちろん、自分から湧き上がるパワーややりたい!という気持ちで一生懸命頑張ること、学び続けること、常に成長していこうとする姿勢は素晴らしく、役割的にどうしても踏ん張らないといけない時もあります。そして、組織やチームで仕事をしている以上、休んだ分のフォローをしてもらった場合は感謝の気持ちも大切です。
でも、周りがそうだから、とか、自分の”ホントの意思”に反してフルスロットルで走り続けたらどうなるでしょう。”休むこと””立ち止まること”は謝らないといけないほどダメなことなのでしょうか。
調整するためのEQ
普段、自分図鑑やPOP-UPなどのEQワークショップを開催する際、EQについて
「アタマ(思考)とココロ(感情)を仲良くさせることで、どんな夢ややりたいことも叶えられるようになります」と伝えていますが、自分が望む先や未来、自分が目指すゴールに自分をどう運んでいくか。そのためにEQはとても役に立ちます。
でも、ゴールだけを見据えるのではなく、それまでの道中のペース配分をどうするかということも大切なのだということを、年齢を重ね、思うように体が動かなくなった今、とても実感しています。
そのためにも、
しんどいな、辛いな、嫌だな、どうしたらいいかわからない!なんで自分ばっかり!
などという、世間では”ネガティブ”と表現されてしまっている感情達にもフタをせずに受け止める。
ココロがそう感じている時は何かしらのサインを発しているということ。もし、カラダがつらい時は、オーバーペースだよ!休みましょう!というメッセージを届けてくれているのかもしれません。
それらから「ホントは私どうしたい」を考え、ペースを調整すること、自分が心地よく走り続けられる、頑張れる方法を探す・見つけることは、現代人の私たちに、とても大切で必要なことではないかと思います。
そのための「休む」「立ち止まる」「ゆるめる」は、自分を、行きたい地点や、目指すゴールまで運ぶ過程で大切な選択肢、場合によってはそれは作戦や戦略で、決して後ろ向きなことでもダメなことでもありません。「休んでもだいじょうぶ」「立ち止まってもだいじょうぶ」「だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ」なのです。
自分を奮い立たせたりすることだけでなく、休んだり立ち止まったり、ペースを調整することにも、感情を活用するEQって役に立つ、そう思います。
「空チェック」と「自分チェック」を。
最近、衰えを感じてきたカラダのメンテナンスに通うようになったのですが、そこで
「自分の体は1つ。替えはききませんよ。車だってアクセル全開で走り続けたら故障するのも早いです。上手に使えば案外長持ちするんですよ、自分の体って。ココロもカラダも時々緩めてあげなきゃ」と声をかけていただきました。そして、PC作業などで縮こまったり歯を食いしばったり無意識に力を入れてしまってる首や肩のストレッチを指導してくださいました。
「毎日、空いた時間に”空をチェック”してください!」
上を向いて首や肩を伸ばすストレッチのことで、その時の空がどんな様子かチェックするというもの。普通に教えてもらうより素敵な方法で、それ以来、空を見上げて、季節の移り変わりを感じ、深呼吸しながらの首肩のストレッチはとても心地よく、無理なく続けることができています。
スマホやPC作業で下を向く時間が多く、首肩腰が凝りまくってる方々におススメです!
今の時期の空、表情が様々でとても綺麗ですよ!
そしてもう1つ。
DAIJOUBUでは毎月、大人向けに「大人のためのセルフサイエンス(第2金曜夜)」「Tea time(第3火曜朝、第4金曜夜)」を定期開催していますが、単にEQを共に学ぶだけではなく、対話しながらホッと一息つく、自分の状態をチェックする、自分を調整する場にもなっています。
また、子どものクラス「自分図鑑~powerd by 6S POP-UP FES~」も、月2回の定期開催(毎月第2・4金曜夜)になり、習慣になって毎回楽しみで参加してくださるお子さんも増えてきました。子ども達はもちろん、親御さんや大人の方も、EQを学ぶだけでなく、一緒に工作したり考えたりしながら、子ども達の発言や様子に癒されたりパワーをもらったり。大人にも子どもにも週末金曜の夜、ほっこりできる場になっています。
様々なスケジュールで忙しい毎日を送る親子の皆さんにこそご参加いただき、親子で自分チェックをしつつ、ほんのひと時でも一緒にゆったりする時間として過ごしていただければ嬉しいです。
最近オーバーワーク気味で疲れてるなーという方、子どもと最近ゆっくり過ごす時間とれてないなーという方、ぜひほっこりしに、ご自身のチェックに、ペース配分の調整に、気軽に遊びにお越しください。
いつでもお待ちしております!
長年、企業人事や就活支援に従事。
社会人と小学生14歳差兄弟の母。
すべての若い人達や子ども達が生きやすい社会になるように
EQを中心にこれまでの知識経験を活かし活動中。