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観察!それって「間違い」?それとも「違い」?

こんにちは!日本は秋が深まる中、まだまだノースリーブで過ごせるハノイから今週のコラムをお届けします。

先日の自分図鑑では「観察!それって間違い?それとも違い?」をテーマに子供たち、そして大人の方も交えて考えを深めていきました。

私自身、海外生活を始めて間も無く13年目に入ろうとしています。日本では当たり前だったことが、ベトナムではそうでなかったり、日本では普通だったことが、アメリカではそれって間違ってない?と言われたり、そんな経験をたくさん繰り返してきました。今回はそんな経験も振り返りながらみなさんと話を進めました。

「間違い」を言い換えると?

まず、「間違い」と「違い」の言葉の違いを探るべく、「間違い」を言い換えるとどんな言葉になる?と言う質問をしてみました。するとこんな言葉が返ってきました。

  • 「だめ!」
  • 「やっちまった!」
  • 「正しくない!」
  • 「正解じゃない。」
  • 「あかんで!」
  • 「ちゃうんちゃう?」
  • 「そうじゃない!」

ここで、『あれ?それって「違う」になってない?』と感じた私。「違い」と「違う」でニュアンスが変わってくること、それに伴い「間違い」と「違い」の線引きもかなり難しいことに気付かされた瞬間でした。

それって間違い?それとも違い?

その後、たくさんの行動が書いてある紙が入った袋の中から紙を一枚引き、そこに書いてあることが「間違い」か「違い」か、それとも「普通・当たり前」なのかどれに当てはまるかを考えてもらいました。

  1. 「(いつでもどこでも)靴を履かない」
  2. 「昆虫を食べる」
  3. 「人間を所有する」
  4. 「自分はブサイクだと言う」
  5. 「(全ての食事を)手で食べる」
  6. 「動物を所有する」

参加者のみなさんは、すんなり決められることもあったり、悩みながら決めたり、一度決めても変更したりしながら自分の考えを掘り下げていました。

「違い」にしたけど「あれ、やっぱり間違いかも」と思ったり、「間違い」だと思ってもやっぱり「違い」かもと思ったり、すんなり決められないことが多く、大人も子供も頭を抱える瞬間もありました。

(こんな時間が自分図鑑の醍醐味かもしれません♪)

どんな風に「違い」と「間違い」を決めた?

6個の行動について「違い」「間違い」、もしくは「当たり前・普通」を考えてもらった後、ふたつの質問をしてみました。

「じゃあどんな風にそれを決めていたの?」

  • 「それはだめだなー」と思うことは「間違い」にして、「やってもいいんじゃないかなー」と思えることは「違い」にした。
  • みんながいて自分だけ違うことをしたらだめ(間違い)じゃないかなって思う。
  • 人(自分も含め)を傷つけることは間違いじゃないかと思う。
  • 「間違い」と「違い」の違いは「間」があるかないか。それは人間の「間」だから、相手がいる時は「間違い」、自分だけなら「違い」になるのかなと思った。

感覚で決めていたことも、いざ聞かれるとそれぞれの基準や考えで「間違い」や「違い」を決めていたんだと、自分自身の発見もあったように感じました。

「間違いと違いが決めにくいことって身の回りでどんなこと?」

  • 正解やルールがあると「間違い」と言いやすい。逆にそれがないと「間違い」とは言いづらい。
  • 人の思いや考えは「間違い」とは言いづらい。
  • 間違いと思っても、違う文化背景の人だと「間違い」とは言いづらい。

本当にその通りだよね!と同感の連続でした。

さらに、全体を通しての感想としてこんな言葉たちが出てきました。

  • 難しかったー!(全員大共感)
  • 否定しない、区別をしないように心がけたい。
  • ちょっと立ち止まって理由を考えたらいいんじゃないかなって思った。
  • 「間違い」と「違い」の違いは「間」があるかないか。判断する前に「間」を置いて考えることが大切だと思った。
  • 職場で「間違い」や「違い」に悩むことが多かったけど、こうしてみんなと話してたくさん気付かされた!元気が出た!

対話の大切さ、考える機会を持つことの大切さ

様々な背景を持ち、文化も習慣も考えも思いもそれぞれの人間が共に生きているんですよね。自分はそうはしなくても「違い」として認め合うことも大切で、でも全てを「違い」としてしまうことにも危険性があるなと思いました。

極端な例ですが、子どもに暴言を吐いたり、人格否定したりする親を「人それぞれ違うよねー。色々な子育てがあるよねー。」と、「違い」として容認してしまってはならないと思うんですよね。そこで、参加してくれた子が言っていたように、否定するのではなく、こちらの考えを強要するのでもなく、対話、そして立ち止まって考えるということがやはり重要なのだと思います。

「私はあなたの行動に不快感を覚える。あなたの行動にはこんなリスクがある。そしてそれについてあなたと話したい。」

そんな願いを伝えることは決して相手を否定することでも、こちらの主張を強要することとも違う、平和的で建設的なプロセスだと思います。

例えお互いが納得し合うことができなくても、相手がどういう考えや背景を持っているのかを知るだけでも意味があると思うし、間違いだと思っていたことが勘違いの場合もあるかもしれません。はたまた、「違い」として受け入れられる部分もあるかもしれないし、「共通」することだって見つかるかもしれない。そんな風にしながら認め合う社会は作られていくのかなと感じました。

今回の自分図鑑「観察!それって間違い?それとも違い?」では、みなさんの言葉にAHA!の連続で鳥肌が止まりませんでした!また、子どもたちの気づきや視点と大人たちの気づきや視点が絡み合い、ケミストリーを起こした素晴らしい時間となりました!

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毎月第二、第四金曜日の日本時間19時半から「自分図鑑」開催しています!ぜひお気軽に遊びにきてください!

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