学校に行きづらい子どもたちのための DAIJOUBU のクリスマスプレゼント
DAIJOUBUアレンジャーズ 滋賀県在住 いつか です。
初めてコラムを書きます。
先日12月7日(土)に、私が代表を務める「おうみ子ども・若者未来のタネプロジェクト」主催で、滋賀県守山市立図書館にて「自分図鑑ワークショップ」を行いました。
「おうみ子ども・若者未来のタネプロジェクト」とは、学校に行きづらい・生きづらい子どもたちや若者、保護者や専門職のサポート等を行っている滋賀県の任意団体です。これまで、県内各地域の支援団体や民間のフリースクールなどの情報をまとめた冊子を作成したり、親子向けイベントを主催したり、各種情報発信を行なっています。
「自分図鑑ワークショップ」が無事に終わった今、マカロンを食べながら、幸せな気分に浸りながらこのコラムを書いています。
このマカロンは、企画から運営まで手伝ってくれたDAIJOUBUの裕子さんが、イベント終了後に、私を労ってクリスマスプレゼントしてくれた小さなクッキー缶に入っていました。
口に入れた瞬間、甘味がフワッと広がり、
「そうそう!この幸せ感!」
とイベントで感じた感情が、また、ブワッとよみがえってきました。
今回のイベントの参加対象は、「学校に行きづらい子どもたちとその保護者、教育福祉分野関係者」とし、少し枠を小さくして募集しました。今、日本では約34万人の小中学生が不登校であり、毎年その数は増えています。
私は、学校に行かない事は問題ではないと捉えていますが、学校に行きたくても行けず、必要なサポートも受けられずに学習の機会を失ったり、親子で孤立し、淋しい思いをしている子どもがいることについて、私は社会つまり大人側の責任だと考えています。
ひとりひとり状況は違い、それぞれに段階や揺れの大小はあるものの、不安や心配、絶望感に苛まれる不登校。どんな状況にあっても、ひとりひとりの子どもは大切にされ、だいじょうぶだよ、安心して育っていいからね、というメッセージをただただ受け取ってもらいたくて、このイベントを企画しました。
DAIJOUBU感を大切にするために
こちらのイベント、申し込みが定員に達しなかった場合、「当日参加OKにする」か直前まで迷いました。自分図鑑ワークショップを、より多くの子に体験してほしいと思っていたからです。でも、「学校に行きづらい子どもたちやその保護者が対象だから申し込んだ。」という方が複数いらしたので、DAIJOUBU感を大切にするため、お申し込みいただいた方とタネプロジェクトに繋がりのある方だけに限定してご参加いただくことにしました。
私の冒頭のあいさつです。
「『メンタルケア&セルフサイエンスワークショップ』という、理解しづらい横文字のタイトルがつけられたこのイベントに、ようこそいらっしゃいました😊!!」
勇気を出して申し込んでくれた親子に、とにかく来てくれてありがとうの気持ちと、安心して楽しんでねというメッセージを送りました。
イベントが終わる頃には、私は参加者みんなの顔と名前が一致するようになり、ひとりひとりに声をかけることができました。子どもたちの笑顔や、保護者さんの子ども達に対する温かなまなざしに、私の心もほっこりしました。参加の対象を限定して、今回は本当によかったなと思っています。
今回2つ、心に残ったエピソードがあります。
「認めたくないけど…楽しかった!」チェックインからチェックアウトへの心の変化に気づく瞬間
今回は、まず初めにDAIJOUBUのひろ先生から、オープニングセッションを行っていただきました。チェックインにて、今の気持ちをアニメ「ワンピース」のキャラクターの表情の中から選んでいきます。初めましての面々ですので、なんだか恥ずかしさや緊張もあります。チェックインでは子どもたちにお話してもらうことを控えたひろ先生。けれど、ひろ先生は1番前に座っていた女の子の小さな呟きや目のかがやきを見逃しませんでした。
その女の子は、「魔法陣みたいだからこれ!」と言いながら、魔法のステッキのような棒を持っているナミ(登場人物)を選んでいました。ワクワクしているのかな、ちょっと様子を見ている感じなのかな、と、そのキャラの表情からこちらも色々と想像できました。
その子は、ワークショップラリーが始まってからも、終始楽しそうに保護者の方と色々なワークを体験していました。ハートぬりえでは、細やかな心の中をいっぱい説明してくれました。初めて体験したとは思えないくらいに、本当に小さな心の内の気持ちを自身で拾い、色や形をつけてぬりえしてくれていました。
そして、クロージング。
チェックアウトとして、ひろ先生からまたオープニングと同じ絵が示されました。
「終わってみて…今はどんな気持ちになりましたか?」ひろ先生は、はじめは緊張していて目玉が飛び出しているキャラだったのが、今はハートが飛び出してhappyを表しているキャラクターに変わったことを伝えていました。そして、そのままその流れで最初の女の子に質問しました。
「今の気持ちを表すキャラクター…どれかな?もしだいじょうぶなら教えてくれる?」
するとその女の子は、「認めたくないけど…」と前置きをして、ニコニコしながら「認めたくないけど、左から2番目の1番下!」と大きな声で言いました。その絵は、複数のキャラが喜びを表現している、ハートがたくさん飛んでいる絵でした。
笑顔と共に発した「認めたくないけど」という言葉が、なんとも言えない感じで、私に嬉しみを与えてくれました。彼女は、来た時よりも予想以上に楽しく過ごせたことをきっと教えてくれたのでしょう。ひろ先生も、その子の気持ちをおんなじ気持ちだよ!嬉しいよ!と言って反応を返しておられ、会場には幸せな空気感が漂いました。
こうして、初めましてでも心の変化を共有でき、そして共感できる、まるでその子の気持ちになったかのように気持ちを感じ、リフレクション、照らし返しとでも言うのでしょうか。そうした関係性を紡ぐこの時間が、自分を大切にする心を育む上で、何かすごく大切なプロセスに思うのです。そのために安心して子どもたちが楽しめる場や空気をつくれるひろ先生の振る舞いやスピリットに、またまた感動した私なのでした。
お菓子のような存在に
2つ目のエピソード。
今回、自分図鑑(POP-UP Festival)の中から下記5つのワークショップをスタンプラリー形式で行いました。
①エモモンスター
②明るく照らして
③アレブリヘ
④オーシャンゾーンびわ湖ver.
⑤ハートぬりえ
今回の参加者の中で最年少の低学年の女の子。始めのワークは「明るく照らして」でした。会場に来た時から緊張しているのが伝わりましたが、ワーク中もお母さんにピッタリくっついていながらも、ランタンをつくることができました。次のワークに進むのが、なんだかしんどそうな表情をしていました。私から、「ワークをまわるのがしんどかったら、良かったら休憩コーナーでおやつや飲み物を選んで、ゆっくり休んでね」と声をかけました。顔はやっぱり緊張していて、声を出しはしないけれど、ちゃんとコクンと頷いてくれて、ママと椅子に座ってゆっくり休んでいました。私は離れた方が良さそうだなぁと思って、その親子から離れて別のワークを見に行っていました。そしてパッとその子にまた視線を向けたら…
彼女は、休憩コーナーのおやつの中からロリポップを選んで、座っていました。そしてその飴をペロッと口に含んだ瞬間…今日初めての満面の、大満面の笑みを浮かべたのです。
私は、その笑顔を見て本当に嬉しくなりました。お菓子の甘さが与える幸せ感に叶うものはないなぁと、思わずクスッと笑ってしまいました。と同時に、こちらが楽しめると思って工夫をいくら凝らしていても、その子にとって楽しいかとか、安心できるかとかは本当に分からない。だからこそ強制しない、どんなアナタも大丈夫、DAIJOUBUがいつも大切にしているbe you!のマインドであり続けたいなぁと深く感じ入りました。
このコラムを書きながら食べているマカロンやクッキーから、私も幸せをもらっています。今回のイベントではお菓子に助けられましたが、私自身がお菓子のような、子どもたちに幸せ感を抱いてもらえるような存在になりたいなぁと思いました。
EQで育んだワタシの持久力を強みにして
私がDAIJOUBUと出会ったのは2020年の設立初期の頃です。
直感的に、これ、大事な概念!と分かったので、時間のある時はクラスに参加するようになりましたが、妊娠・出産・4人の育児に次第に参加自体できなくなり、ここ3年間はほとんど大人クラスに出ていませんでした。しかしながら、EQパワーの底力やセルフサイエンスの尊さを信じ、辛い出来事があるたびに「私の本当に向かいたいのはどこか」「このモヤモヤは一体何からくるのか」とぐるぐると考え、時には夫や友達に話し、自分自身、その傷みやモヤモヤを味わって答えを見つけ、人生を進めてきました。
直ぐにシャットアウトしたり、逃げたり、抱えたくない気持ちを自分から締め出したりせずに、一旦は離れる、あえて見逃す、小脇に抱える、みたいな技も駆使しながら、自分なりに自分の行きたい方向に物事を進めてこれたように思います。
今回のこのイベントも、信念をもって地道な活動を続けてきた延長線上にあるものであると思っています。気張りすぎず、自然体ですべてが行えたことが本当に心地よいです。こうしてイベントが終わって気づいたのですが、DAIJOUBUで最先端のホンモノEQを知って以来、私は確実に心の持久力が高まったなあと実感しています。大きなことや、目立つことは苦手なのですが、コツコツと長期的なビジョンで物事を進めることや、たくさんの人と協力できることが、ワタシの最大の魅力なのだなぁと分かりました。
最後になりましたが、今回のイベントでは、私がこれまでの活動で出会ってきた大好きな仲間たちにご協力いただきました。
守山市で不登校の親の会をされているcocomamaの優子さん。
野洲市で心の居場所toiroを運営している愛さん。
滋賀県内で「学校行かないカモラジオ」をつくっている環さん。
保育や幼児教育を学んでいる大学生の太心さん。
DAIJOUBUからは、裕子さん&タカちゃん。そして東京からお越しいただいたひろ先生!
本当に本当にありがとうございました。
今、日本の教育現場は変わっていこうともがいています。私は、子どもたちや親はもちろん、学校の先生達の力にもなりたいなと思っています。自団体の活動の中でも、自分の家庭生活や仕事においても、子どもたちに関わるすべての人にDAIJOUBUと思ってもらえるように、EQのpowerfulさをコツコツと伝え続けていけたらいいなと思います。まずは自分がDAIJOUBUでいることが1番ですがね!
DAIJOUBUアレンジャーズ (https://daijoubu-eq.org/arrangers) のメンバーが書いた記事です