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EQ脳を鍛える

 

「EQ筋が衰えてきた…」セルフサイエンスクラスをやっていると久々に参加したからこのような言葉を聞くことがあります。また、なんか最近EQ活用できてないな……と聞くこともしばしばあります。

 EQを活用しているとき、人間の脳内ではどんな部位が活性化したりしているのか⁉︎今回は、EQ脳ということで、EQ筋の正体を紐解いていこうと思います。

Use it or Lose itの原則

 

 神経科学の世界では、Use it or Lose itの原則。つまり、使われれば繋がり、使わなければ刈り込まれる(プルーニング)という言葉をよく聞くそうです。

 脳内には多くの細胞があり、その細胞同士をシナプスという構造体が繋げています。シナプスは持っているだけでそこそこのエネルギーを要するようなので、必要のないもの、つまり使われていないものは刈り込まれます。逆によく使う繋がりは強化されます。

 つまり、自身の内面や感情を振り返るといったことを日々行なっていればその時の脳内の神経同士の繋がりは強化されるし、逆にそのような機会がないと脳がこの繋がりはあまり使わないなと判断して刈り込まれてしまいます。

 EQ筋が無いと感じる要因の一つには、一度この繋がりが刈り込まれた状態で、また繋げようとしている過程であることもありそうです。

「大丈夫」と思わせてくれる脳の部位「rlpfc」

 脳には様々な部位がありますが、EQを活用している時具体的にどの部位が活性化しているのでしょうか。
 自分自身を客観視するいわゆるメタ認知をしている時に脳でどの部分が活用されているかは明らかになってきている部分があるそうです。
 ちょうどおでこの裏にある前頭前皮質という部分とその中でも、やや側部側にあるrlpfcという部分が活用されているようです。
 rlpfcという部分は、感情の記憶やエピソードの記憶、価値記憶などを参照しながら意思決定を行う際に活用されます。また、希望をもたせる部分でもあり、自身の今までの経験から「大丈夫」とワクワクさせてくれたり、前を向かせてくれる部分でもあります。とても高等な処理をしているまさにEQ脳的な部位ですし、そういった機能が人間の脳に備わっていると考えると改めてすごいなと感じます。

価値観はどうやって身につく?

 自分自身を知り、自分らしい意思決定をしたりするには自分の中の価値観が大切になってきます。自分の中の価値観が軸として座ることは、EQを活用していく中でも大切になっていきます。自分自身の生きる目的や価値観、軸のようなものをEQのコンピテンシーの中で「ノーブルゴール」と言われることもあり、まさに自分自身の道標になってくれます。それらは、脳内でどのようにつくられるのでしょうか。

 まず、人間はある出来事(エピソード)とその時感じた感情をそれぞれ記憶しますが、その時に「海馬」や「扁桃体」という部分でそれらを保存します。何かしらの記憶を思い出すと一緒にその時の感情を思い出すことが多々あると思いますが、それもそのはず、人間の脳内には「感情記憶」と「エピソード記憶」をそれぞれ保存しているらだそうです。

 それらとは別に「価値記憶」という自分の意思決定にも関わる価値観を保存する部分があるそうです。人間はある出来事と感情を何度も繰り返し体験すると、先程の海馬や扁桃体とは別の部分に情報を保存する動きが働きます。その部分はまさに経験から培った価値を記憶する部分だそうです。

 価値観が身につくためには、いくつもの出来事とそれに伴った感情が何度も染みつく(出来事と感情の発露の度合いにもよる)ことが必要なので時間がかかるようです。

 EQを活用するときの何か出来事があった際に、自身の感情に目を向けて言語化してみる、出来なくても矢印を向けることや、そのメッセージが何かを考えることは、価値観を身につけることを加速させてくれるのかもしれません。

違和感や直感には根拠がある

 違和感や直感には根拠があります。どこにあるかといったらそれは脳です。違和感も直感も先程から何度も出ている「感情記憶」「エピソード記憶」「価値記憶」を参照しながら脳の様々な部位を活用して、「言葉にはできないけどなんかモヤモヤする。違和感がある」「なんかよくわからないけど、ここは挑戦した方がいい気がする」と「GoかNo GO」かを判断してくれます。

 違和感は言葉にできないことが多いですが、それもそのはずです。今までの自身の経験や価値観から「なんか違うぞ」と本質的な何かを伝えてくれたりしているからです。現代では、答えを言語化してすぐに求められることが多いので、「なんかわからないけど、違う気がします…」とかは軽視されがちです。ですが、言葉にできないからこそ、そこには本質的なものや、クリエイティブな発想などがあるわけで、その部分を時間をかけて解像度を上げていくことは自身のEQを発揮していくうえでかなり重要だと感じます。

身体を整えることはEQ脳の下地づくり?

 いきなり身体を整えるときました。ここまで、EQを活用しているときに、脳内でどんなことが起きていたりどんな部分が活用されているかを私なりに述べてきましたが、それらはいずれも脳内で高等処理をする部分でもあります。いつでもその部分が活用できればいいのですが、そこには少し条件もありそうです。

 人間の脳の機能は古くからある脳機能がモチベーションとして優先されることが多いので、例えば、睡眠不足の状況になると生存のための睡眠が優先されて、高等な処理をする脳機能が発動されにくくなります。

 また、30分程度のウォーキングやランニングも高等な処理をする脳機能を活性化させるうえでかなり有効だそうです。(この辺りはまたの機会に詳しく、今実験中の体験も踏まえて述べることができればと思います)

今回はhttps://www.amazon.co.jp/BRAIN-DRIVEN-%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%96%E3%83%B3-%E3%83%91%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%8C%E9%AB%98%E3%81%BE%E3%82%8B%E8%84%B3%E3%81%AE%E7%8A%B6%E6%85%8B%E3%81%A8%E3%81%AF-%E9%9D%92%E7%A0%A5/dp/4799326759

を多いに参考にさせて頂きました。今回は本当にかいつまんで簡単に紹介させていただいたのですが、この本の中にはさらに詳しく「EQ発揮してるときってこういう脳の使い方してるのか」と腑に落ちる部分が沢山あるかと思いますので、もしよかったら読んでみてください。

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