就活支援の現場から
私は現在、滋賀で学生を中心とした若い人たちの就活支援の仕事に就いています。
今回は、就活支援の現場にいる立場から今の若い人たちをみて日々感じていることを書いてみようと思います。
私が現場で出会う若い人たちの印象はこんな感じです。
(もちろん全員がそうではありません)
・元気がない、自信がない
・自分は(他人と比べて)劣っていると思っている
・何をしたらいいかわからない
・自分がどういう人間かわからない
今年は特にコロナ禍で学生生活も就職活動も例年通りにはいかず、長期化する職活動に皆が疲弊していますが、20代前半、体力的には充実しているはずの若い人たちが疲弊し、とにかく元気がないことと自己肯定感・自己効力感の低さ・・いや、なさすぎに愕然としました。
疲弊する若い人たち
これまで教科の勉強は一生懸命やって結果も出してきたのに、就活のタイミングになって、突然に矢印が自分に向いてしまい
「あなたはどういう人間なのか」
「あなたについてアピールしなさい」
に戸惑い、どうしていいかわからない、どう表現していいかわからないのです。
自分がせっかくこれまで頑張ってきたことや経験、学んできたことをうまく表現したり活用できないのです。
そして、就活がうまくすすまないと、ますます自己肯定感が下がり
「自分には価値がない」
「生きてる意味がない」
「どうしたらいいかわからない」
と涙したり、心が折れてしまう、体調を壊してしまう学生さんもいます。
そんな中には、世間ではいわゆる高学歴、最難関大学と言われているような大学の(いわゆる高IQの)学生さんも少なくないのです。
就活はこれまでの自分の棚卸をするとても大切でよい経験ができる時期だと思います。せっかく学校でたくさんの知識を学び、様々な経験をしてきているのにもかかわらず、それを活かす方法を知らずに学生時代の最後の大切な一年間の多くの時間を就活に費やし疲弊していく・・・
みていて辛いですが、本人達が一番つらくてしんどいと思います。
なんとかしたい・・・いつもそう思っています。
2020年 新学習指導要領とIQ/EQ
2020年の新学習指導要領の目的には
3つの資質・能力を身につけることにあると書かれています。
・学んだことを人生や社会に生かそうとする
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm#section4
「学びに向かう力・人間性」
・実際の社会や生活で生きて働く「知識・技能」
・未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力」
(文部科学省HPより)
現場で若い人たちの様子をみていると、
2つめの「知識・技能」に重きを置いてきた(=IQ偏重)
今の日本の教育システムの歪み・ひずみ・限界を感じずにはいられません。
「社会に出てからも学校で学んだことを生かす」
ためには、上記以外の2つ
「学んだことを人生や社会に生かそうとする力」
「未知の状況にも対応できる力」
を育みバランスをとっていく必要があります。
これこそがEQなのです。
今年、コロナ禍をきっかけに
「不安渦巻く中でみんなに少しでもホッとしてほしい」
「もっと小さな時期からEQの考え方を知ってほしい」
「疲弊している子ども達・若い人たちに”大丈夫”だよと伝えたい」
という思いで始めた活動が少しずつひろがり、今回、
すべての子ども達・若い人たちに【だいじょうぶ】な世界を
をミッションに、【DAIJOUBU】を立ち上げました。
これから賛同してくださる皆さんと一緒に作り上げていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
だいじょうぶ。未来は元気だよ。
今できることとしてとても小さなことではありますが、就活現場で、
「よく頑張ってきたね!」
「あなたはあなたで”だいじょうぶ”なんだよ!素晴らしいんだよ!」
ということを必ず何かしらの言葉で伝えるようにしています。
褒められ慣れていない彼らは戸惑いながらも、少しほっとしたような柔らかい表情をみせてくれたりします。その表情をみてなんともいえない気分になり、時にはグッときたりすることもありますが、相談を終えて帰っていく彼らの背中に向かってさらにエールの念を送っています。
だいじょうぶだよ!
今年4月、緊急事態宣言下のある日、新聞広告の一面にドラえもんがこんなメッセージをくれました。ドラえもんが大好きな私は、いつもこの言葉を信じています。
だいじょうぶ。未来は元気だよ。
長年、企業人事や就活支援に従事。
社会人と小学生14歳差兄弟の母。
すべての若い人達や子ども達が生きやすい社会になるように
EQを中心にこれまでの知識経験を活かし活動中。