物事を決めるとき…感情優位⁉思考優位⁉今までの3つの決断から気づいた発見
先月のセルフサイエンスクラス「目標」や、先日のセルフサイエンス「ヒラメキはどこから?」を体感して今までの自分自身の決断を振り返ったときに、感情優位で決めたとき、思考優位で決めたとき、どちらも半分ずつ…など様々な発見がありました。今回は今までの決断を振り返ってそこから見えてきた気づきを共有したいと思います。
大学卒業後の就職先を決めたとき
私は大学卒業後の就職先として、新卒で地元の銀行に就職しました。大学で教職を取っていましたがその決断をしました。結果、一年で退職して教員になりました。あの時の決断を振り返ると完全に思考に全振りしていました。というのも、「銀行員やりたい!」といったような感情は全くなく、小学校~大学でサッカーを続けてサッカー中心の生活をしていた私はどうしても「地元に戻って地元の社会人チームでガチンコでサッカーを納得するまでやりたい」という想いがあり、それを実現するためには…と考えていった結果、「土日祝日は確実に休みなところは…」とか、「平日夜も練習に行けそうなのは…」とかを考えて決めたことだったからです。ただ、銀行員での一年間でも多くの学びや成長があったのですが、長続きすることは無く一年で退職をして、講師として教員になることにしました。
今振り返ると、良い経験ができたので銀行という選択をしたことを失敗とは思ってはいません。ですが、辞めた当時は「選択を失敗したな…浅はかだったな…」と思っていました。
ずっと続けてきたサッカーをやめた時
前述の地元の社会人チームでのサッカーの活動は、平日夜は仕事後にトレーニングをして、休日は県外遠征もしょっちゅうあったりと、大変だけど充実した日々を送っていました。私自身、そのチームで9年間プレーしてきましたが、その理由として「サッカーが好き」よりも、「高校時代、大学時代、全然試合にも出れずに納得いかない。地元の有力選手が多く所属するこのチーム、このレベルで納得できる結果を残せないとサッカーは辞めるに辞められない!」という想いが強かったです。
ただ、自分にとって高いレベルであったのでここでも試合に出れない日々が長く続きました。そして、9年目のシーズン。前年に膝の怪我を克服して復帰していたのですが、シーズンが始まる前に「今シーズンで最後にしようかな」と決めていました。
たかが趣味の延長で続けていたサッカーを辞めるという決断は、傍から見れば大した決断ではないと思われるかもしれません。ですが、私自身にとっては、小学生の時からずっと生活の中心だったサッカーを辞めるというのはとても大きな決断でした。
そして、その代わりできる努力はやりつくしたと言えるくらいやって、自分の中のキャリアハイを達成して引退するというのが目標でした。
結果として、最後のシーズンは今までで一番出場時間、試合数、得点数も多く、チーム得点王にもなれました。今までのサッカー人生の後悔や失敗の精算をすべて取り返した気持ちでした。このとき、選手としては過去最高に仕上がっていて、「やっぱ来シーズンもこの調子で続けようかな…」という想いというか、迷いのような感情は少し出てきました。ですが、結果辞めることを改めて決めました。
その時の決断を振り返ると、面白いことに銀行に就職を決めたときと同じように、かなり思考優位で決めていました。例えば…
「続けるなら今の調子を維持したい。けど、そのための努力を来年も続けられる自信はない…」
「引き際を考えたとき、最高の状態の自分で終わるのが理想だ」
「同じ情熱をもてないなら、スパッとここで辞めた方がいいんじゃないか」
「そもそも来年は異動の関係で全体練習にも毎回は参加できないだろう。それで調子を落としながら続けるよりかは、引き際はここかな」等々・・・
感情面では「やりたい」と「もうしんどい」の2つが混ざっていて、そこに上記の思考が優位にはたらいて決断をしました。
就職を決めたときと同じ思考優位なのですが、この時はその当時や今を振り返っても「やっとけばよかったな…」という想いは一切なく本当に納得できました。
教員から今の仕事へ転職を決めたとき
前述の2つの決断は思考優位でしたが、教員から現在の療育の現場への転職を決めた時は、どちらかというと感情が優位だったと思います。どちらかというとと言うのは、割とどっちもバランスよく活用しながら…でも最後は感情の力が大きかったかなという印象だったからです。
この時、思考優位で考えたらおそらくこの決断はしなかったかもしれません。なぜなら、少なからず以下のような思考ははたらいていたからです。
「公務員という安定した立場を失うのはかなりもったいない(特に地方なので)」
「転職するとなると、県外に引っ越し。長野県に戻ってこれるかは分からない」
「正直待遇は今の方がいいよな…」等々
ですが、それ以上に自分の「やりたい!挑戦したい!」といった情熱のような感情や「やってやる!」のような反骨精神といった想いがとても強かったです。その感情は自分に色んなメッセージを送ってくれました。
「一人一人のニーズに合わせた支援、教育をやってみたい!知りたい!」
「自分の理想の教育を追究したい!」
「子どもたちの自分らしさをより育みたい!」
「俺も自分らしく生きたい!」
「否定的な意見が多いだろうけど…うるせぇ!(笑)」
感情優位で決めたこの決断ですが、これは今振り返っても後悔はありません。それは、思考もしながら、でも最後は自分の感情、そしてその感情が自分に送っているメッセージを大事にすることができたからかもしれません。思考しながら考えたこともとても大切です。でも、この時は感情を大切にしました。
どっちが良い・悪いではない。その時の自分に気づくことが大事。
感情優位か思考優位か。これにどっちが良いとか悪いは無いと思います。感情優位で決めてきた方が上手く人、思考優位で決めた方が上手く人、この決断は感情優位、この決断は思考優位、それぞれ半分ずつ…全部大切だと思います。
そして、ここで大切なのは決断をするときに「今の自分の感情、思考はどうなっているか。どっちが優位で考えているか」に気づくことが大切だと思います。
例えば、無意識に思考優位で決断していたら…確かに効率が良かったり大きな結果が出ていたりといったこともあると思います。でも、なんだか情熱が湧かない、なんだか気力が湧かない、なんか物足りない、なんかつまらない…といったこともあるかもしれません。それは、もしかしたら本当に自分が「やりたい!」「こうしたい!」と思っていることではないからかもしれません。そして、「つまらないな」のような不快な感情に気づいていない、「やりたい」といった感情が湧いていないことに気づいていないからかもしれません。
逆に無意識に感情優位で決断していたら、勢いは良いものの、大きな失敗(失敗が悪いわけではないですが)や自分自身が無理をしすぎてしまったり、「やっぱよく考えておけばよかった…」となることもあるかもしれません
でも、もし物事を決断するときに自分の感情や思考に気づけたり、どっちが優位にはたらいているか気づけたらどうでしょう?感情優位だったらちょっと落ち着いて「どうして自分これしたいんだろう、本当に自分が大切にしたいのなんだろう、本当にこれで大丈夫かな…」と思考することができたり、思考優位に気づけたら、「今、自分どう感じている?なんで、ちょっとイラついてるんだろう?やりたい!って感情あるか?」等々、自分を振り返ることができます。
そうすると、自分の感情や思考を活用して、自分にとってベストな選択や決断を意図的にできるとかもしれません。そして、そんなことを考えている時に、パッと「閃き」が出ることもあるかもしれません。
皆さんは今までの決断は感情優位だったでしょうか?思考優位だったでしょうか?そして、その結果はどうだったでしょうか?この機会に是非振り返ってみてください。
金融機関での勤務や9年間の公立中学校教師生活を経て
現在は放課後等デイサービスで学習指導やSSTを行う
自分自身も、子どもたちも「自分らしく生きて幸せに」というモットーのもと
教育に携わっています