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SELとは?SELを取り入れると見られる6つの変化

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SEL―――。教育界ではかなり耳馴染みのある言葉にもなってきました。

SELとは、Social-Emotional Learningの略で、日本語では「社会性と感情の学び」「社会性と情動の学習」などの訳が当てられています

SELの起源は遡ると古代ギリシャにルーツがあるという説もありますが、アメリカでは1960年代から個人を尊重した教育という視点から、他者とうまくやっていくための社会性とそのための感情について、というSELの学びが始まっていったそうです。また、私自身が現在北米のネットワークリーダーのひとりとして活動をするSix Secondsの母体であったアメリカ・カリフォルニア州のヌエバスクールでは、ギフテッドと呼ばれる秀でた特性を持つ子どもたちに向けたSEL教育、ということで始まりました。現在ヌエバスクールの設立を手掛けたSELのプロたちは、同じくアメリカ・カリフォルニア州のシナプススクールに携わるなどして、全米のSEL教育に力と情熱を注いでいます。

校内で起こるいじめや、ひとりひとりの子どもの成長、身体の健康、それぞれについての研究はそれまでもされていましたが、これらがやがてSELに集約されてゆき、現在では全米の多くの州の多くの学校で様々な形で取り組まれています。私の子どもたち2人はアメリカの公立小学校へ通っていますが、「SEL」という教科の名前は通っている学校からは聞きませんが、そういった授業があったことは持ち帰るプリントを見ると明らかです。また保護者間で「Emotional Intelligenceの仕事をしている」というと「大事だよね!」「興味ある~」と言われることばかりで、SELやEQの浸透度、理解度の違いを感じる場面は多々あります。

本日はDAIJOUBUまわりーより、2/26(土)に迫るアメリカのSEL校シナプススクールのKeikoさんをお招きしての特別tea time「SELの学校をつくるなら」、3/11(金)には全世界でSELの啓蒙を行う #SELDay に向けて、SELについて探索するコラムとしたいと思います。

まずはEQ的セルフチェックから

本題の6つの変化、に入る前にまずこちらのリンクから6つの質問にお応えください。

答えてくださった方々のリアルタイムの結果はこちらからご覧頂けます。

SELの学びは日本の道徳とはまた異なります。SELは、すべての子どもたち(大人も)が自信の感情をよく理解し、感情を味わい、思いやりを他者へ向ける、ことができるようになるための1つの学習法です。これは、「~なときはこうしましょう」「人に思いやりを向ける方法は○△✖です。なぜなら~だからです」というようなことをただ覚えその通り実践するのでなく、日々の学校生活や、あるいは家庭内、友達とのやりとりなどの中でも、「立ち止まり、振り返り、検証し、行動の選択肢を思い浮かべ、行動に移す」、これをひいては大人になってもできるようになるようにアプローチする学びがSELです。

DAIJOUBUでは、毎月の定期クラスでSELの手法を取り入れた学びの場、心と頭の整理の場を持っております。毎月参加する人、時間が出来たら参加する人、様々ですが、この場ではSELのアプローチで自身のいまを「立ち止まり、振り返り、検証し、行動の選択肢を思い浮かべ、次の行動を決める」といったことを安心してワクワクする、視野が広がり閃きのあるクラスの中で体験できます。 >>参加者の声はこちらからご覧いただけます。

では、そうして適切なSELの学びを体験できると、どんな変化が起こるのでしょうか―――。SEL・EQ教育のパイオニアであり、Six Secondsの会長であり、シナプススクールのCEOであるアナベル・ジェンセン(Anabel Jensen)の言葉を紹介したいと思います。

1)日々のアップダウンに対処ができる

There are actually 34,000 distinguishable feelings.
判別可能な感情は34000個ある。

(Goleman and Dalai Lama, 2004)

意図せず起こるいろいろなことや、もともとの体の調子や、私たちは日頃様々な要因や出来事と様々な日々を生きています。そんな日々のアップダウンに対処ができるようになる、自分の真ん中にいて、ブレずに、よりよい対処ができるようになります。

2)双方に有益なコミュニケーションが取れる

SELはいまを「立ち止まり、振り返り、検証し、行動の選択肢を思い浮かべ、次の行動を決める」プロセスの学びです。一度学べば、一度正解すれば、もう一生できる!というようなものではなく、日頃から意識を向けて発揮する力ですが、SELの学びを活かせれば、お互いのゴール、お互いの今の状況、それらをつなぐ選択肢、を選べるようになり、一方的なコミュニケーションから卒業できるようになります。

3)創造的な問題解決ができる

ただでさえ変化の速く先行きの不透明な時代に、コロナウィルスの大流行もあり、A+B=絶対にC、といった絶対解や「こうでなければ不正解」といった世界は確実に変わっています。こんな世界では、前例も知り、状況を把握し、本当に大切なことが何かわかり、選択できる力が肝心です。SEL教育はそのプロセスで、そんな力を養います。

4)日々のたくさんの意思決定に意図的になる

ひとは1日に35000回もの意思決定を行っているそうです。(参考: Psychology Today)

SELの学びによって、私たちは選択肢があることを知り、選択肢の中から自分でよりよいと思うことを選んでいい、ということがわかります。一度立ち止まって検証することで、日々のたくさんの意思決定に意図的になり、より良い意思決定を選び取ることができるようになります。

5)意図を持って生き、自分の未来に責任を持つ

自分に選択肢があり、その中から自分自身で選んでいいとわかり、実際に選択を自分で行っていく―――そうすると、人は自分の未来に責任が持てるようになります。自分で納得をして選んでいるからです。

そこには感情のエネルギーをたっぷり活用した、自立した自分がいます。子どもたちがそうなる姿、自分自身がそうである姿、想像するととてもイキイキしていてワクワクしませんか?

6)結果的に、心身健康になり学力も向上する

「結果的に」という言葉が私はポイントだなと感じお気に入りです。学力を向上させるためのSELではなく、より自分らしく、自立して、自分も他者も大切にして生きようとする姿勢―――その先で、結果的に、心身の健康と学力がついてきます。なぜなら、自分の成し遂げたい・たどり着きたい先と今の自分自身を繋ぐ行動を1つ1つ選び取っていくと、自分で自分を鼓舞する力「内発的モチベーション」が遺憾なく発揮されるようになるからです。子どもたちはもともとやる気も、モチベーションもあります。それをどんどん発揮できるように、大人は自分自身もSELの学びに根差しながらサポートしたい所です。

そんなSELの学校では、子どもは、教師は、学校は、保護者は、どんな様子でしょう?

2月26日(土)朝9時からの特別tea timeでは、アメリカ・カリフォルニア州のシナプススクールよりKeikoさんをゲストにお招きし、理想の学校について対話を通じて参加者全員で描いていきます。なんと今回はアメリカ・カリフォルニア州のもうひとつのSEL校ヌエバスクールで日本語を教えているYokoさんも参加いただけることとなりました!

大きな変化を起こせなくても、SELは1人1人の心掛けで何か実現できるのかもしれない。そんな夢と希望の膨らむtea timeにできたらと思います。ぜひご参加をお待ちしています。

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