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「ハートぬりえ」のパワー

久しぶりのコラム投稿です。
今春、父親を亡くす経験をし、少しの間、コラムをお休みをしていたのですが、その間も自分の感情にできるだけ目を向けるように意識し、様々な揺れや気づきがあった数カ月。まだ散らかったままのそれらの気づきや感情を、そのうち少しずつ言葉にしていけたらと思っています。

今回は、POP-UP Festivalの大人気アクティビティ、おなじみの「ハートぬりえ」を親子で久々にやった際の出来事について書きます。

久しぶりの「ハートぬりえ」

5月31日に担当した自分図鑑。日本では、新しい学年・年度・学期がはじまり、GWも過ぎ、季節の変わり目でもあり、大人も子どもも少し疲れが出始める時期ということもあり、「心のレントゲン」であるハートぬりえを取り上げてみました。

「心のレントゲン」とは、DAIJOUBUの大切な仲間のおひとり、智子さんがハートぬりえのことを表現された言葉(2021.11コラム「ハートぬりえは心のレントゲン」にも書かれています)で、それを借りて、そのまま「心のレントゲンを見てみよう!」というテーマにしました。
当日は、大人から未就学児までの幅広い世代、いつもの方や初めての方、皆でワークを楽しみました。ぬりえというシンプルなワーク、手軽にできるので、それぞれの年代の楽しみ方ができ、過去のDAIJOUBUのイベントやクラスでも大人気のアクティビティです。

言葉にできない”本当の気持ち”

我が子、久しぶりの参加で、お年頃の6年生、めんどくさそうではありつつも、これまで何度もやってきているので、慣れた感じで取り組みはじめました。
6年生になり、学校では最上級生としての姿勢や取り組みを求められ、行事も重なり、学習も難しく忙しく、家の中も落ち着かない中で始まった新学期。ここ最近、いつものような元気ややる気が全くなく、学校でなにかあったのか、体調が悪いのか、我が子の様子を心配していました。
「どうしたの?」と聞いても「別に」「なんにもない」「わからん」の反応しかなく、どう接してよいかわからず、私自身も子どもに対してモヤモヤしていたところでした。

できあがったハートぬりえ、今回は「お医者さんがレントゲン写真をじっくり診るように、自分のハートをじっくり眺めてみよう」と投げかけ、気づいたこと、感じたことを皆でシェアしました。

我が子は「心が重たい」という気持ちを茶色で表し、ハートの外周を茶色で大きく囲って塗り、その中に「心が軽い」「楽しみ」「満足」「うれしい」という気持ちを内包するようなぬりえをしました。そして、「心が重たい」という気持ちが大きかったことを話してくれました。

一方、私のハートぬりえにも「心が重たい」があり、私はそれを緑で表し、子どもと逆で中心部に塗っていました。

クラスが終わってから、二人とも心が重たかったんやなー、心が重いと体もしんどいし、やる気もなくなるよな・・・と二人で話していると、子どもは顔を隠してうるうるしていました。

子は、最上級生だからと張り切って頑張り、行事もこなしてきた。忙しくて、でも、頑張らないといけなくて、疲れてても自分でブレーキをかけることもできず、そんな中で、自分の状態や”本当の自分の気持ち”がわからなくなり、言葉にすることができなかったのです。
私は、親のことで余裕がなく、子の疲労に気づいてやれてなかった、ブレーキかけてあげられなかったと反省しつつ、自分もずっと心が重たかった。「どう?大丈夫?」この数カ月、周り皆が心配して声をかけてくれましたが、一方で様々なプレッシャーを感じていたので「はい、大丈夫です」と、いつも答えていました。でも、それは、フタをして押し込めてただけで、”本当の私の気持ち”を言葉にして吐き出したくなかった、そして、吐き出していいと思える場所が見つからなかったのです。

心配して「どうしたの?」と聞かれても、「気持ち聞かせて」と言われても、
・わからない
・なんとなくわかってるけど適切な言葉がみつからない
・わかってるけど出すところがない
・(今は)出さない・出したくない
親子とも、ぬりえに表出した同じ「心が重い」という感情をじっくり観察し、最近のお互いの様子に思いを巡らせることで、自分の気持ちを言えない出せない時の理由っていろいろあるんだねとあらためて気づき実感することができました。

気持ちを言えなくてもだいじょうぶ

気持ちを言えない時でも、ハートぬりえだと、すーっと表すことができるのってなんでだろうということを、子どもと話していると、
「気持ちの言葉(語群)の中から選べるのがいい。これに近いかなーとか、こんな気持ちもあるんやーというのがわかって、そこに近いものを選ぶことができる」
と、話してくれました。ハートぬりえの専用ワークシートは、左側に、快・不快の様々な感情語がランダムに54こ並んだ語群があり、その中から当てはまりそうな感情語を選ぶことができます。ワークシートがない時は、オンラインでは画面にその語群を映して、白い紙の左側に選んだ感情語を自分で書きます。感情語は他にもたくさんあるので、当てはまるものがない時は、自分で加筆してもOK。なかなか、普段、自分の気持ちを表現する場面や機会が少ないと、パッと思いつくことができる感情語の数というものは限られています。語群の中には、普段あまり使うことがない感情語もあり、これってどういう時の感情かなーと思いめぐらせたりして、感情語のレパートリーを増やすことにも繋がります。
「快・不快の感情語がランダムにある」というのも、選ぶ際に、いい/悪い・ポジティブ/ネガティブと視覚的にわけて考えずに自然に選べるので、そこもポイントなのかもと思ったりもしています。
シンプルなワークシートですが、とてもよく考えられていて、いつでもどこでも、すーっと自分の心をレントゲン写真のように映し出すことができるワークです。
※ワークシート、語群は、ひらがな/漢字/英語それぞれのバージョンがあるので、老若男女、国内外、誰でも気軽に取り組めます!

見える化でできる「手あて」

さて。心が重たかった我々親子のその後ですが、心が重いということは、何かを背負いすぎてるのかもということと、子どものハートの中に「心が軽い」を選んでいたこともあり、心や体がすっきり軽くなることをしようと考えました。
子どもは、スケジュールを少しあけて休んで好きなように過ごす、そして、寝不足気味だったので、睡眠時間を意識して確保することを実行し、休日は大好きな友達とたくさん遊ぶことにしました。
遊んだ翌日、「なんかすっきりしたから、やる気ちょっとでてきたわ。今日からまた頑張れそうな気分」と話してきました。話した瞬間なにかホッとしたらしく、またうるうるしてました。よほど我慢して頑張ってたのだなーと。ゆるんでホッとしたら涙がでてきたのでしょう。そして、少しずつ以前の元気な様子に戻り、子どもを元気にしてくれたお友達には本当に心から感謝しています。
私はまだまだ、心が重たい渦中にいますが、少しずつ自分の”本当はこうだったのよ”ということを話せるようになってきて、親の件は、近所や知人が動いて助けてくださるようになり、少しずつ自分の時間を確保できるようになりました。自分を甘やかしたり、仕事に集中したり。少しずつ重たさがマシになってる実感があります。

ハートをぬりえをじっくり眺めて、この色の感情を小さくしたいな、大きくしたいな、そのためにはどんなことができそうかな。見えてきたものを元に、自分がどうなりたいか、できそうなことを考えて実行する。まさに、医者がレントゲン写真をみて原因をみつけ手あてする方法を探るのと同じです。

心のレントゲン

心のレントゲンと表現することで、ハートぬりえのパワフルさをわかりやすくイメージすることができ、自分図鑑でも
「最近の自分の気持ちを見ることができました」
「じっくり自分を振り返ることができました」
「久しぶりにやって癒されました」
「ぬりえしてみると、最近ざわざわしていたのだなー」
など、それぞれが自分のハートぬりえを眺めて気づいたことを感想としていただきました。

これまで何度もハートぬりえについてコラムやオンラインでも触れてきて、都度、いいアクティビティだなと思っていますが、今回もまた、ハートぬりえに助けられ、また新たな気づき、再認識を受け取ることができました。
このコラムを書きながら、夫を亡くして悲しみの只中にいる母と一緒にハートぬりえをやってみようかな、いわゆる「グリーフケア」としても使えるかもしれないなと思っています。

DAIJOUBUが提供する「自分図鑑(参加無料、オンライン)」では、今回紹介したハートぬりえをはじめとした様々なEQアクティビティを楽しく体験することができます。
自分図鑑は毎月開催しておりますので、ぜひこちら→自分図鑑 powered by 6S POPUPをご覧いただき、登録(無料)をしてください。登録メールアドレスに当日参加のZOOMURLをお送りします。
ぜひ、親子でのご参加をお待ちしております。
健康診断の中にもレントゲンの項目があり、定期的に受けるのと同じように、自分の心の中も定期的に「ハートぬりえ」でみてみませんか?

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