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ユニークを発揮し尊重し合う社会を目指して

今年の夏、DAIJOUBUでは全10回のEQアクティビティが詰まったサマープログラム『自分図鑑』を開催し、私も2回ほどファシリテーターを務めさせていただきました。その中で、子どもたちと自分のユニークさや自分だけが持つ光について考える時間を持ち、大人だってそれらを見つめる必要があるんじゃないかと感じました。そして今回、セルフサイエンスクラスにて「大人も自分のユニークさを見直そうじゃありませんか!」という思いで「ユニーク」をテーマに参加者の皆様と様々な角度から語り合いました。

Unsplash, Photo by Jason Richard

「私、ぶっちゃけ〇〇です!」

まずは冒頭、「私、ぶっちゃけ〇〇です!」を考えるウォーミングアップアクティビティから開始。参加してくださった方々の意外な一面、あっと驚く一面、嘘でしょ?な一面が共有され、ひと盛り上がりしました。みなさんは〇〇にどんな言葉が入りますか?

私の場合は

  • 「私、ぶっちゃけ超甘ったれです!」
  • 「私、ぶっちゃけ後回し癖が酷いです!」
  • 「私、ぶっちゃけ正義感はかなり強いです!」
  • 「私、ぶっちゃけ英語そこまで話せないんですが、できるフリをしています(笑)」

まだまだありますが、これだけでも「自分て面白い生き物だなー」と客観的に自分を見て面白がる感覚を覚えると共に、自分への愛着が湧き上がりました。また、自分の様々な一面を再確認するだけで「ここは自分の好きな一面だから強化していきたいな。」「ここは少し緩めていきたい自分の一面だな。」と自分自身をナビゲートすることにつながることを実感。さらに、他者の意外な一面を知ると、その人に一歩距離が近づいたり、その人の魅力が増したりするんだなと感じました。

I AM UNIQUE from Peppy Pals

続いて、子どもたち向けのEQイベントPOPUPフェスティバルでも用いられるワークI AM UNIQUE from Peppy Palsをみなさんと取り組みました。

手順

  1. 自分と誰か(仲の良い友達やパートナーなど)の顔を簡単に描く
  2. 自分と相手の似ているところや同じところを思いつく限り書き出す
  3. 自分と相手の違うところを思いつく限り書き出す
  4. 違うけれど相手のいいなと思うところ(相手のユニークさ)を見つける
  5. 違うところで自分自身のユニークさが隠れているか探してみる

このワーク、自分でやってみながら面白い発見がたくさんありました。

私は夫と比べながらやったのですが、

  • お互い似ているところは「自分の好きな一面」であり「(私が)夫の好きな一面」であることが多い。
  • 違うところはお互いそこが原因となってよく喧嘩になる。
  • 相手のユニークさを自分の都合で「弱み」や「改善すべき点」と捉えてしまうことがある。
  • 違うところで相手のいいなと思うところは、自分にとっていい刺激になっていたり、成長させてくれるきっかけになっていたりする。
  • 違うところで相手のいいなと思うところは、家庭を回していく上で助かっていることが多く、私にはないものを補ってくれている。

ぶつかることもあるけれど、家庭内でお互いにユニークさを発揮しながら助け合ったり、補い合ったり、成長し合ったりできているのだと気づいたら、ユニークの底知れぬパワーを感じました!

「ユニーク」はダメ???

ここで一度自分のユニークさから離れ、社会で起きている現象に目を向けながら考えてみました。と、言いますのも、それぞれが持つユニークさをみんなが発揮し、互いに尊重する尊さや面白さを感じていた一方で、それとは真逆の現象が社会では起きていることに動揺し、みなさんと話をしてみたいと思ったのです。

【量産型・量産型女子】

私も最近知った言葉なのですが、巷で「量産型」、「量産型女子」という言葉が広まっているとのこと。「流行に敏感で、似たような服装、髪型、メイクをし、まるで大量生産されたかのような人」という意味で使われているようです。いつの時代も流行はあり、それを楽しむことは自然なこと。しかし、この「量産型」、「量産型女子」という言葉には単に流行を楽しんでいるということだけでなく、もう少し違った意味も含まれているようです。似たような服装、髪型、メイクをして周りと同じことで自分が安心する、個性を出して浮きたくない、個性を出して変な目で見られたくない、周りと同化していたい、そんな思考も「量産型」、「量産型女子」の意味に含まれているらしいのです。

【「いい子症候群の若者たち」】

また、金沢大学の教授、金間大介著『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』2022)についても触れました。金間氏が教壇に立ちながら学生たちを観察する中で、急速的に変化してきた彼らの心理状態を記した本です。「いい子症候群の若者たち」と表現しながら彼らの心理を書き記しています。その中で「いい子症候群の若者たち」も量産型女子と同様、目立つことが恐怖、気配を消し集団と化すことを大切にする、といった特徴が挙げられていました。

それらをもとにあらためてユニークについてみなさんと話し合う中でこんなお話が出ました。

  • そういうステージも大切で、その時期を経て居心地の悪さや違和感を感じて少しずつ脱却していくんじゃないか。
  • そういうコミュニティにいると「量産化」している自分にも気づかず「麻痺」してしまう。そこからどうしたら抜け出せるのか。
  • アートの世界では量産型なんてあり得ない。自分の内面をとことん見つめ、個性を表現していく必要がある。
  • 「自分自身」を出して認めてくれる数人の仲間が周りにいたことで救われた。

確かに周りと同じことで「安心」したり、周りと同化することで「楽さ」を感じるステージや瞬間は自分にもあったように思います。でもすぐに心地の悪さを覚えました。その心地の悪さの正体は「ありたい自分ではない。」「それはありたい自分へ向かっていない。」というメッセージだったのだと思います。

ユニークさを発揮し尊重し合うために

「ユニーク」を考える中で、それを発揮し尊重し合うために2つの事が必要だなと感じました。

まず一つ目に、自分を見つめる時間(=セルフサイエンスの時間)

今回、いくつかのワークを通して私自身たくさんの自分再発見がありました。日常の生活では気づけない事がこの時間を通して発見され、自分への理解をまた一歩深める事ができたのです。『Who am I?』を問い、自分を知って掴む。そんな時間を繰り返し繰り返し持つことの大切さを今一度感じました。

二つ目に、ユニークを祝福してくれる仲間がいること。

私はDAIJOUBUの仲間に出会ってから、「自分はこれでいいんだ!」と思える事が非常に多くなりました。それはいつも私の持つ「ユニークさ」や「らしさ」を祝福してくれる仲間がいるからだと思います。それぞれが持つユニークをお互いに認め合い、「そんなあなたが素敵だよ!」と言ってくれる人が周りにいることでユニークさを恐れず発揮できるようになるのだと思います。子どもたちに「もっとユニークであっていいんだよ。」「発揮していいんだよ。」なんて言ってもきっと伝わりません。私たち大人が自分のユニークさを知り、発揮し合い、補い合い、そして祝福し合う。それを日々の生活の中で実行しながら、子どもたちと関わることを意識していきたいなと思います。

DAIJOUBUでは毎月定期的にクラスを開催しています。自分を知って掴んで発揮するためにぜひ利用してみてくださいね!

Unsplash, Photo by Jonathan Kemper

最後になりましたが…

私、前川智恵、この度、DAIJOUBUの運営メンバーに仲間入りさせていただきました!去年からDAIJOUBUの活動に参加し、一年ほどアレンジャーズとして活動。そして今後、運営メンバーとして活動していけることを心から嬉しく思います。どうぞよろしくお願いします!

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