ネガティブな感情だって大切なメッセージ
「この状況、凄くイライラする」「あの人、とてつもなくイヤだ!」
否定的消極的な感情である。人間だれでも起こり得る感情だ。相手を否定したくなるとき、批判したくなるとき、非難したくなるとき。誰だって一度はあることだろう。
「人間、常にポジティブ思考で!ネガティブな感情は排除!」
こんな言葉やメッセージを目にする時がある。果たして人間『常に』なんていうことが可能だろうか。怒りの感情をネガティブに捉え、それを抑制するというアプローチも世の中にはある。ポジティブでいるということは、一体どういうことなのか。もちろん1年365日ずっとそんなポジティブでいられたら、ある意味楽かもしれない。だがそれは結果的に完璧な人間を演じなければならないという窮屈さにも繋がったり、常に正しい感情を維持しなければ、という偏りにも繋がってしまい、非人間的なことになりはしないだろうか。
不完全な人間だからこそ、ポジティブな感情もネガティブな感情も生まれるのではないだろうか。
ネガティブな感情が自分の内にあることを知る大切さ
ネガティブな感情が一体何なのか?まずそこを知る事から始めてみる。きっと沢山の感情があることを知るだろう。そしてその数の多さに驚くかもしれない。実はその知るという作業こそが、感情の波を静まらせてくれる大切な時間なのだろう。
『知る』というプロセスを経て、初めて人間は思考するという次の行動に行きつく。ネガティブな感情に蓋をして、無理やり思考的になろうとしても、多分それは難しい。人間は完璧な生き物ではない。完璧であろうとすればするほど、「自分は出来ない」「自分には無理だ」という消極的な感情が生まれ、自己否定に繋がってしまう。
このことは、大人も子どもも同じ。年齢問わず誰にでも起こり得る話だ。ただ一つ言えるのは、子どもたちの方がもっと自分に正直になれる俊敏さがある。年齢を積み重ねれば積み重ねるほど、自分に正直になることが難しくなってしまうのが大人の難しさかもしれない。大人は知識の幅広さや経験の深さから、色々な言い訳や逃避の仕方を覚えてしまうのだろう。でも絶望することはない。大人も、自身の感情について『知る』という時間と場さえあれば、学べること、気付く事は沢山ある。要するにその事を億劫がらずに、内なる感情のメッセージを大切に受け止めることが出来るかどうかが鍵ではないだろうか。
AI(人工知能)の台頭で、人間の仕事の半数以上が無くなるという時代を迎えつつある今、目下の探究テーマは『人間が人間たる所以は何なのか?」ということだ。AIが決してたどり着けないのが『感情』だと思っている。感情があるということ、これは、まさに『人間が人間たる所以』そのものだと私は思っている。
『感情』を知る(自己を認識する)、選ぶ(意図する行動を選択する)、活かす(選択した行動と自分の価値観や目的と結び付ける)その学びのサイクルは、不安な状況が渦巻く昨今の社会的情勢の中では、一番大切な時間になると確信している。
そんな場と時間をDAIJOUBUでは、4月29日(祝・木)~30日(金)予定している。
【開催概要】 4月29日(祝・木)・4月30日(金) 21:00~22:30 @zoom
【テーマ】 『家族も 教室も 心地良くなる あなたのだいじょうぶ感覚』 ~DAY1 家族編・DAY2 教育編~
生きる力をつくる・はぐくむをコンセプトとした
Art-Lovingというアートカンパニーで、演劇創作と演劇共育を中心とした教育事業に勤しむ。
舞台演出家・演劇共育実践家・ラジオパーソナリティ(FM軽井沢)として活動中。