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近頃の「うまくいかなさ」を考える

DAIJOUBUの活動がはじまってから早くも5年が経ちました。
DAIJOUBUが立ち上がった時、まだ1年生だった息子が、今春、小学校卒業・中学入学の節目を迎えます。
当初から一緒にPOP-UP Festival(現 自分図鑑)に参加し、たくさんのPOP-UPアクティビティを体験し、昨年からは、キッズファシリテーターとして、ワークを担当させてもらっていて、我が子ながら頼もしく、こんなことまでできるようになって・・・子どもの変化・成長って本当にめざましいなと日々感動しています。
4月からは中学生になり、部活何に入ろうかな、どんな人と友達になれるかな、など、とても楽しみにしています。

ダブルケアの渦中にいる私の今

未来に向け、希望や楽しみが膨らむ一方、実の両親のサポート生活が突然現実のものになってから2年。
その間、父の闘病や見送り、諸々の死後手続き、一人になった母のサポート、実家問題など、次から次へといろいろなことが起こり、自身の感情や体調もジェットコースターのように乱高下しながらここまできました。誰しもが通る道で、自分だけ特別大変だと思っているわけではないですが、なにせ初めての体験。不器用でとにかく必死だった数カ月が過ぎ、最近、子育てとは違う種類の難しさ、「うまくいかなさ」を感じて、心も体も思うように動かなくなった不快な不安な時期が続きました。正直言うと、このコラムを書くことも以前よりパワーが必要で、こんなところでも自分の状態を思い知ることとなっています。でも、せっかくなので「ダブルケアの渦中にいる私の今」を綴ってみたいと思います。

自分の親が、今までできていたことが少しずつできなくなっていく、会話がかみあわなくなっていく、それに対して湧いてくる思いや感情は、わかっていてもなかなか受け入れられなかったり、自分の中でうまく対処できないことがしばしばあります。かつての親のキャラと現在のギャップに戸惑ったり、親ができなくなっていく様や衰えていくことを認めたくない気持ちが勝ってしまい、日々の接し方に苦労しています。
また、自分自身を取り巻く環境も
・目まぐるしく増えていくいろんな種類のタスク
・それをこなす自分の体力のなさ、集中力の低下
・親との過去からの関係性
・親問題に直面した親族・家族の関係性の変化
・日常の出来事や気持ちを共有したり、気軽に交替できる親族・家族が近くにいない
・自分の生活や時間(仕事との両立、子育て、自分自身の人生)のやりくりの難しさ
・子どもと親のサポート同時進行でそれぞれ真反対の感情が入り乱れたり、その比重やバランスの難しさ
とにかく全てが中途半端で地に足がついていない、居心地の悪い感覚。
さらに、根強い男女役割分担意識(家のことは女がやるもの、親の面倒は娘がみるべき、娘をうんでおいてよかった等)、日常を見ていない知らないところからの評論や評価、介入などは、その場に直面するたび理不尽さを感じています。さらっと流せればいいのですが、状態がよくないと真に受けて落ち込んだり。

一人で我慢しているわけではなく、可能な限りのプロの力やサポートは受けているし、関連の本や記事を読んだりして、おそらく、状況は以前の過渡期に比べると落ち着いているはずなのに、何か、うまくいかない、うまくいってる気がしない。そう感じていることが日々しんどい。これって介護あるあるなのかな、先輩方はこういう状況、どう乗り越えてこられたんだろう、こんな風に感じてるのは私だけかなとモヤモヤしたり。今現在もその渦中でモヤモヤの沼にいます。
それでも、DAIJOUBUの定期クラス(大人のためのセルフサイエンス・自分図鑑・Teatime)に参加し、様々なEQワークや対話に定期的に参加しているおかげで、沼底に沈んだり、暴走することはなくやってこれている気がしています。

ライフキャリアの虹

こうやってコラムで文字を起こしながら、私は一体いくつの役割を同時進行しているのだろうと、ふと「ライフキャリアレインボー」を思い出しました。「ライフキャリアレインボー」とは、キャリアコンサルタント有資格者は、勉強する際にキャリア理論を学びますが、その中の代表的なものとして学ぶ理論です。久しぶりにホコリをかぶったテキストを引っ張り出してきて読み返しました。
ドナルド・E・スーパーというアメリカの教育学者が提唱したキャリア理論で、キャリアとは、仕事・働くということだけを考えがちですが、そうではなく、人生の中の様々な年齢や段階での役割が組み合わされて形成されるものだと考え、人生においてそれらの役割が重なる様子を虹にたとえ、「ライフキャリアの虹」「ライフキャリアレインボー」と呼ばれています。
スーパーは、この役割の代表的なものとして以下をあげています。
・子(息子・娘)
・学ぶ人(学生など)
・余暇を楽しむ人(趣味、スポーツなど)
・市民(地域活動やボランティアなど)
・職業人(仕事・労働)
・家庭人(家事など)
・その他の役割(年金生活など)
※私自身が学習した当時のテキストと、ネット等で調べた現在のものと、表現や分け方が若干違うものもあります。最近は、学生の
 キャリア教育にも登場しているようで、よく引用されているものや虹の図を参考としてあげておきます。
 参考:H30 文部科学省「高校生のライフプランニング」
(この中では「自分を知る」という単元で7ページにコラムとして掲載)

これらの役割が、人生の中で、複数が重なったり影響しあっていて、それが満足感やストレスに関係していると解説されています。
もしかしたら、「うまくいかなさ」を感じているのは、ここが渋滞したり整理ができていないのかも。。

試験のために勉強した後、キャリア相談の中で、「仕事を辞めて専業主婦になるとキャリアからはずれると考えがちですが、そうではなく、専業主婦もキャリアの1つです」とお伝えした時に紹介したくらいで、自分自身に向けて考える機会はほぼありませんでした。
今回、せっかくなので、うまくいかなさを感じている自分を知るため、キャリアの虹をつくってみようと思います。それを足掛かりに、役割の重なり方や長さ、過去のそれぞれの役割を担っていた時の自分の感情がどうか等、EQ的にアプローチすることで、勉強していた当時には気づかなかったものが何か見えたり、気づいたりできるかもしれません。

年度末、自分をみるチャンス

過渡期だった時は、とにかくどうにかしないといけない一心で、自分のことを考える余裕すらありませんでしたが、もしかしたら、少しゆとりや隙間ができたから、自分に矢印を向け、私の中にずっとあった感情達に目を向けることができた、うまくいってないと感じている自分に気づけたということなのかもしれません。忙殺されて大切にできてなかったのだろうな・・と反省。
4月から子どもの中学生生活がはじまります。子ども自身、期待と不安が入り混じりながら、今は小学校の総決算タイム(今日も宿題で小学校生活振り返り作文を私の横で書いてました)。私は4月からの約7年振り中高生男子のお弁当作りリターンズに戦々恐々としつつ、また、成長していく子どもとの関係性にも変化が訪れる中で、来年度自分はどうしていくのかを考える時期。
今回、このコラムを書いたことでよいきっかけをもらったので、自分の中から出てきたものを信じ、活用し、役割という切り口から振り返って、来年度、今より少しでも心地よさを感じられる場面が増えるようにしたいです。
次回以降のコラムで、どんな自分が登場するか楽しみです。



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