すべての人には沢山の可能性が秘められ、 存在から何かを醸し出している
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新年からもう2月!
時が経つ早さに驚くことはいつものことなのですが、今年は《今、目の前に置かれている一つひとつに心を込める》をテーマに日々過ごしていこうと実践中です。
今回は、我が家の子どもたちから教えられたこと、気づきについてをコラムにしました。
大人の選択が、子どもの未来に影響する
ダウン症で産まれた娘は、4月から中学生です。産まれてから1歳までは、病院通いの日々で、
不安の塊しかありませんでした。
そんな娘は、日々逞しくなり、小学生以降は、通院回数が年に1.2回になり、あの時抱いた不安の塊を
懐かしく思う時があります。
娘が生きていく中で、必要になるのが、療育手帳の存在です。
これは、ある意味娘にとってお守りにもなるのですが、定期的に更新をしなければなりません。
療育手帳を発行するのにあたり、発達検査、知能検査が行われます。
双方の検査の数値により、重症度、等級、区分が決まっていきます。
先日、療育手帳の更新に伴う検査をしてきました。
2時間ほどの検査のあと、担当職員の方から、検査内容、結果を伺うのですが、この時間が大変苦痛なのです。
はっきりとした数値が提示され、現在における娘の発達度合いが一目瞭然だからです。
いつもは、たかが数字…だから発達の目安として受け取ろうと、自分を慰めていたのですが、
今回は、たかが2時間の検査で数字を出されたことへ怒りの感情を憶えました。
この怒りは、決して大きくなく、今にも立ち消えそうな感情で、ここで訴えても無理だという諦めで掻き消されて
いたことに気付かされました。そして、この小さな怒りには、《娘の個に対する尊重、個としての成長》に対する
願いが存在することを自分で受け止めました。
小さな怒りが他の感情に紛れてしまっていた期間は、娘にできること・できないことを勝手に振り分けていました。
その一つがパズルでした。
小さな頃から、パズルをするのが好きだったのですが、娘の知能指数からいくと、
このぐらいが限界かな…と100ピースぐらいまでのものを購入していました。
しかし、今回の判定後に抱いた感情から、500ピースにチャレンジしてみる⁈と娘に聞くと、
嬉しそうに満面の笑顔で頷きました。
早速開封し、時間がかかると思いきや、2日で仕上げてしまったのです。
ピース数が多くなると、まず、角4つをフレームに入れ、はじからピースを繋げて外枠を完成させ、
その後は色別で分けてみたり、ピースを広げて見やすくしたりと、完成に向けての工夫が必要になりますが、
娘は独特な方法で仕上げていきました。
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全体像を確認して頭に入れてから、箱に全ピースを入れ、そこからビビッときたものを繋いでいきます。
(この作業が結構早く、これは真似できません…)一つひとつのピースが繋がれてた時に、《できた!》という娘。
できたことに喜びを感じ、言葉で表現する姿に、私の価値観で、できる・できないを分断していたことに
気付かされました。
そして、娘のことを分かっていたようで、分かっていなかったことへの気づきもあり、
改めて、すべての人にはたくさんの可能性が秘められていることを思いました。
子どもであれば尚のこと、大人の選択が子どもの未来に影響することも心に留めていきたいと思います。
そして現在、娘は1000ピースにチャレンジ中です♪
自分自身をどのように表現するか⁈
さて、次は高校1年生の息子についてです。
小学5年生の頃からボウリングに目覚め、中1から、チームに所属し、本格的に練習を始めました。
ボウリングの大会は全国で行われ、ほぼ毎週末、何かの大会に出ています。
先日、チーム戦の大会があり、大学生のお兄さんとペアを組み出場しました。
チーム戦は、必ずチーム名を登録するため、チーム名を考えるのですが、今回は大学生のお兄さんが考え、登録まで済ませてくれていたので、息子は関与せずにいたそうです。
大会が始まり、スコアボードにチーム名が表示されました。その名は《老害と期待の星》。
大学生のお兄さんは、産まれた時に右腕と右足の骨に奇形が見られ、練習当初は、動かすことが容易ではなかったそうです。
ボウリングが大好きで投球できる為の方法を見つけ、そのための努力を惜しまず、最後まで決して諦めない…
そんな姿が印象的でした。彼の後ろ姿を知っていただけに、自分を老害と表現したことに心がズキズキしました。
息子は、スコアボードにチーム名が出た時に、即座に《ちょっと名前を変えない?こんな風に表現したらもったいないよ。だって、努力の人じゃん》と伝えたそうです。
この表現に、どのような想いが込められていたのか…。
大会は、後半戦に進み、スコアボードを見るとチーム名が変えられていました。
【希望と期待の星】
双方のチーム名から、彼がこれまで歩んできた道のりの中で、良かった想い、苦い想いの出来事一つひとつが刻まれているように感じました。息子がスランプに陥ると、肩を叩いて、《最後まで諦めるな》と励ましてくれるお兄さん。
息子にとっても正しく希望であります!
結果は、総合3位。
2人ともやり切った清々しい表情でした。
一人ひとりは、人に何かを醸し出しており、存在そのものが貴いことを改めて感じました。
母として、大人として何を遺していくか
EQ、セルフサイエンスの学びを継続している中で、これまでどれだけの事柄に鈍感で、
気づかずにスルーしてきたことか。
鈍感だったゆえに、考えたことさえなかった事柄の数々に驚かされています。
確かに感じられるようになった違和感の数々…この感覚を大切にしたいと思っています。
この違和感は、セルフサイエンスの学びで得られたギフトです。
学ぶ要素が日常生活をはじめ、人生の隅々に置かれており、それらを敏感にキャッチできるように、
心と身体と頭をニュートラルな状態にすることを意識したいと思います。
そしてこれから先、生きていく中で、母として、大人としてどんなレガシーをバトンとして繋いでいくか、
私も何かを醸し出せる存在であることを自覚し、目の前の一つひとつを大事にしていきたいと思います。
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児童養護施設の職員を経て、子どもの関わりにEQの領域が必須であることを実感。
現在、学童保育にEQプログラムを導入し、子ども達とワクワク感を体感中です。
すべての人が、 心から【だいじょうぶ】だと思える世界をつくりたいと願い、活動中です。